部から心はすでに離れているものの、あの人の顔を拝めるならと、放課後の部活に参加をした、キョーコさん。 物理部の活動はどうでもよく、それよりも、念願のあの情報を聞き出す事に成功する。 掛居部長の生年月日だった。 そして、明日からは、キョーコさんの生活が ...
「汽車通学を終わらせることにした、少女」北の廃屋 女子高校生日記'79.23
『私の彼は”左利き”』という、昔のアイドルが歌っていたヒット曲があるが、そのヒット曲から6年後、無論キョーコさんは意識していたに違いない。掛居先輩も、左利きであるということを。 投げキッスをする時も、呼ぶ時も、あふれる泪をぬぐうのも、いつでもいつでも彼は ...
「あのアイドルのコンサートで、一番声を出した、少女」北の廃屋 女子高校生日記'79.22
どこからかタダチケットを入手したのか、当時テレビのゴールデンタイム帯に冠番組まで持っていた大人気アイドル『野口五郎』のコンサートに行って来た、キョーコさん。 キョーコさんは、コンサート会場ならではのあるお約束事にいたく感動し、家に帰って来てからも激しく ...
「街で豪遊をしてしまった、少女」北の廃屋 女子高校生日記'79.21
汽車の車内には、様変わりして尖った雰囲気を周囲に振り撒くかのような、あの宮脇君がいた。 格好つけた、あんなジャケットを羽織った彼。 こんな質問を、宮脇君はキョーコさんに問いかけたのだ。「街に、何しに行く?」 キョーコさんは街の、当時藤淵には存在し得なか ...
「キノコ喪失に、愕然とした、少女」北の廃屋 女子高校生日記'79.20
テストの数学は絶望的だった。 落ちこぼれそうなのだと。 放課後、部活があるので物理室に行ったキョーコさん。 そこで、にわかに信じられないものが目に飛び込んで来たのだという。 例の、キノコ頭が無かった。 部長さんの顔はしっかりとあったのだが・・・。 キノコ頭 ...
「三度の奇跡を経験した、少女」北の廃屋 女子高校生日記'79.19
テストが三教科あったものの、キョーコさんいわく『あきらめてよい』と、戦わずして負ける、のような、もう諦めか詰んだ状態の様子。 掛居部長との三度の遭遇で、テストどころではなかったのだ。 一度目は体育館で。 二度目は、バス停だった。 キョーコさんはバスの中 ...
「インベーダーに現実逃避する、少女」北の廃屋 女子高校生日記'79.18
街に出て、今、巷で大流行のテレビゲーム『インベーダー』をプレイして、パフェを食べたりして、高校生活を満喫する、キョーコさん。 均君を見かけるが、金山君同様、もはや彼は過去の遠い思い出、懐かしい存在としか目に映らなかった。 掛居先輩に逢いたい。 部長さん ...
「掛居部長に手を振った、少女」北の廃屋 女子高校生日記'79.17
運命的でさえあった、掛居部長との遭遇劇を、物語形式で綴ってみせる、キョーコさん。 心臓が止まる思いであったと 勘違いかも知れないが、彼がこっちを見て手を横に振っていたのだと。 アタックしてやろうかな。 その思いは日に日に高まってゆく。 一日中、掛 ...
「物理部に絶望した、少女」北の廃屋 女子高校生日記'79.16
季節外れの死ぬほどの寒さだったというのに、教室にストーブは既になかったのだという。 昨日取り外したばかりなのよと、キョーコさん、恨み節。 本日は物理部のある日。 物理部へ入部した理由を臆面もなくあけすけに独白してしまう、彼女。 あの部長さんの顔で、入っ ...
「憧れだった彼は、歯無し人間」北の廃屋 女子高校生日記'79.15
帰りの汽車、駅で久しぶりに、金山君を見掛けた、キョーコさん。 その顔は、誰だかわからないぐらいに、変わってしまっていたという。 ショックなことに、もはや、前歯が全部無いのだとか。 懐かしい、と。 そして、思いつめたように、何だか可哀想・・・、と、金山君を蔑 ...