汽車の車内には、様変わりして尖った雰囲気を周囲に振り撒くかのような、あの宮脇君がいた。 格好つけた、あんなジャケットを羽織った彼。 こんな質問を、宮脇君はキョーコさんに問いかけたのだ。「街に、何しに行く?」 キョーコさんは街の、当時藤淵には存在し得なか ...
「キノコ喪失に、愕然とした、少女」北の廃屋 女子高校生日記'79.20
テストの数学は絶望的だった。 落ちこぼれそうなのだと。 放課後、部活があるので物理室に行ったキョーコさん。 そこで、にわかに信じられないものが目に飛び込んで来たのだという。 例の、キノコ頭が無かった。 部長さんの顔はしっかりとあったのだが・・・。 キノコ頭 ...
「三度の奇跡を経験した、少女」北の廃屋 女子高校生日記'79.19
テストが三教科あったものの、キョーコさんいわく『あきらめてよい』と、戦わずして負ける、のような、もう諦めか詰んだ状態の様子。 掛居部長との三度の遭遇で、テストどころではなかったのだ。 一度目は体育館で。 二度目は、バス停だった。 キョーコさんはバスの中 ...
「インベーダーに現実逃避する、少女」北の廃屋 女子高校生日記'79.18
街に出て、今、巷で大流行のテレビゲーム『インベーダー』をプレイして、パフェを食べたりして、高校生活を満喫する、キョーコさん。 均君を見かけるが、金山君同様、もはや彼は過去の遠い思い出、懐かしい存在としか目に映らなかった。 掛居先輩に逢いたい。 部長さん ...
「掛居部長に手を振った、少女」北の廃屋 女子高校生日記'79.17
運命的でさえあった、掛居部長との遭遇劇を、物語形式で綴ってみせる、キョーコさん。 心臓が止まる思いであったと 勘違いかも知れないが、彼がこっちを見て手を横に振っていたのだと。 アタックしてやろうかな。 その思いは日に日に高まってゆく。 一日中、掛 ...
「物理部に絶望した、少女」北の廃屋 女子高校生日記'79.16
季節外れの死ぬほどの寒さだったというのに、教室にストーブは既になかったのだという。 昨日取り外したばかりなのよと、キョーコさん、恨み節。 本日は物理部のある日。 物理部へ入部した理由を臆面もなくあけすけに独白してしまう、彼女。 あの部長さんの顔で、入っ ...
「憧れだった彼は、歯無し人間」北の廃屋 女子高校生日記'79.15
帰りの汽車、駅で久しぶりに、金山君を見掛けた、キョーコさん。 その顔は、誰だかわからないぐらいに、変わってしまっていたという。 ショックなことに、もはや、前歯が全部無いのだとか。 懐かしい、と。 そして、思いつめたように、何だか可哀想・・・、と、金山君を蔑 ...
「チョンバンを欲しがる、少女」北の廃屋 女子高校生日記'79.14
汽車もバスもスト決行。 学校から自宅まで徒歩では無理なので、親の車で送ってもらった、キョーコさん。 教室に入ってみれば、朝礼の途中だった。 物理部には半ば強制入部させられ実態はまだ把握出来ておらず、本日部活があるのかわからないので、ならばと、下校時にク ...
「気になる女子クラスメート」北の廃屋 女子高校生日記'79.13【後編】
汽車もバスもストライキで運休することになり、落胆して肩を落とす、キョーコさん。 それにしても掛居部長が好きだと、うずくような胸の高まりを抑えられない様子。 部長にモーションをかけているのか、最近極度に振る舞いが大胆になってきているようだと自己分析をする ...
「仕立て上げられた、少女」北の廃屋 女子高校生日記'79.12【前編】
月曜日は物理部の部活動がある日だった。 入部しようか、どうしようか。 断るにしても、一人で部室に行くにはそれ相応の勇気がいるというもの。 迷っていたら、物理部の一年の男子がわざわざ迎えに来たので、仕方ないので行ってみることにした、キョーコさん。 部室に ...