前の日に高齢の方のガイドさんから、「明日、参鶏湯(サムゲタン)が名物のレストランに寄りますけど食べますか?大変仕込みに時間のかかる料理ですので、前日からの予約制になります」と聞かれる。 ということはツアー料金に含まれていないということになり、追加料金が ...
「彼女の憤怒と兄の罪」 実録、廃屋に残された少女の日記.37
キョーコさんの住む街で、一年の中でも最大のイベントでもある「港まつり」。毎年八月の第一周の週末三日間、市民総出で賑やかに『短い夏をここぞとばかり楽しめ』と開催をされているようだが、残念ながら彼女は今回参加をすることはなかった。大漁を祝い山車で市内をパレ ...
「夫婦の残照と希望の芽」 山荘風の空き家、ぬくもり探訪.2
鎮座していたシニアカー。全体に赤錆がびっしりと。固定物入れ兼、時には背負ってリュックにもなる2WAYバッグの汚れやくたびれ具合を鑑みると、シニアカーがここに置いたままにされてから、十年前後ほど経過しているだろうか。塀を一つ隔てて、完全に時間が止まってしまっ ...
「崖を下る男」 秘境・小幌駅、冬のひとり滞在.3
秘境駅ブームでもなければ、待てど暮らせど一日の乗降客は存在しなかったのかもしれないのに、ご丁寧にも立派なトイレが設置してある。 接続列車のことを考えると、小幌駅の滞在は最低でも一時間は必要になってしまう。真冬の寒い中、例え訪問時には体調が良かったとして ...
「少女が行けなかった港まつり」 実録、廃屋に残された少女の日記.36
果たして、それは本当のことなのか。 キョーコさんは日記を書くようになってからというもの、怠け者で横着になってしまったのだという。 入院を続ける史之舞のためだったのかもしれない”千羽鶴”を折らなくなる。受験が迫ってきている大事な時期なのに勉強もしなくなる ...
「チニカの拾い物」 廃墟、『チニカ山荘』荒くれ探索.7
進むたびに、チニカの忘れ形見と遭遇をする。 どう使われたのだろうか。どのようにして、入手をしたのだろうか。ここへともたらされた経緯を詳細に考察する。 様々な廃墟にて、僕が常に頭に思い描いているのは「創造主(オーナー)」のこと。 オーナーになりかわり、廃 ...
廃墟交流会、廃アパート
当ブログ読者より、「仄暗いお散歩」の熱烈なファンなので是非、会合のようなものを開催してくれと懇願される。 僕は今までネットの集まりのようなものには参加をしたことがなく、 ましてやホスト側にまわるのは及び腰というか、カリスマ性の欠如であるとか、要するに積極 ...
「彼女の人間革命」 実録、廃屋に残された少女の日記.35
現在ではもう日曜の昼でも人の姿を見つけることが難しいような遙かなる北の大地のとある街。 キョーコさんが大草原にある自宅から始発の汽車に乗り、歯医者へと通っていた当時は、主要産業などの衰退による過疎化の波がまだやって来る前だった。 その証拠に、街にあるか ...
山荘風の空き家、ぬくもり探訪.1
このようなブログをやっている手前、普段から廃墟や空き家物件の更なる開拓に余念がない。その手法としては自転車に乗って本来の目的地へと行く場合に、わざわざ遠回りをして知らない路地をとにかく巡るという方法がある。 他にも読者から寄せられる情報だったり、グーグ ...
「グリーン・フォールのトラップ」 夕張廃墟世界、孤独探索.7
置かれていったままの、ミレニアム・イヤー、2000年十月十二日の読売新聞。安室奈美恵が「LOVE 2000」(ラヴ・トゥーサウザンド)という歌を出した年でもある。今や聞くだけでも恥ずかしいタイトル名。 思えば、小室哲哉の作詞における言語能力が限界に達した年。当時は『 ...