肖像画
北海道の釧路、根室本線の尺別駅~直別駅付近にある、廃墟ドライブインの「キャラバン」。

経営者が去ってからかなりの年月が経ったと思われる店内には、一枚の絵が飾られていた。


考察してみる。
まず、描き手だろう男の子の名前が右上に記されている。
対象の女性がエプロンをしていることから、小学生ぐらいの男子がお母さんの似顔絵を描いたのに違いない。

そして、喜びのお母さんが、お客さんにもみてもらうために、店内に張り出したかと。

それにしても、なんとも暗い色彩が気になってしょうがなかった。
全景
キャラバンの全景。



入り口
入らせてもらいます。



1階
がらんどうの店内にあるメニュー表示だけが、ドライブインの痕跡を唯一、偲ばせている。



料金
現在の物価と照らしあわせても、かなりのボッタクリ価格。

今は、デフレから多少のインフレになったとはいえ、この半額ぐらいが妥当な値段ではないだろうか。



トイレ入口
いざ、トイレへ。



便器
くみ取り式の、北海道ではよくみるタイプ。



トイレ後
浴槽跡。



看板
上の階は大ホールだったらしい。

せっかくなので、行ってみることに。



二階
団体客がカラオケ大会でもしたのかもしれない。

宴の後。



ホール
周囲に何もない「ど」自然なので、景色は最高。



壁
壁の中の断熱材。



コケ
コケが生えて、いずれそれが全体に広まって、床が抜けるのもそう先ではなさそう。



装飾
飾り。



眺望
ここに訪れる前に、この場所で起きたよからぬ噂を聞いたが、それが本当かどうかは、知る由もない。



似顔絵
なお、もうこの建物は無くなったらしいです。


※コメント欄よりのご指摘などもあり、画像を改めて見直してみたところ、気づいた点があったので補足します。

 お母さんの肖像画の横に男の子の名前があると推測しましたが、じっくりと舐めるように見入った結果、これは名前ではなく、題名ではないのかという考えに至りました。

 当初、「青木 仲雄」という男の子、つまり「あおきなかお」ではないかと思ったのですが、マジマジと拡大画像を検証したところ、どうやら「おおきなかお(大きな顔)」と、記してあるようです。学校で課題が出て「絵に題名を付けるように」とでも先生に言われたのかもしれない。

 つまり、描き手の子供は男の子か女の子なのかは不明。

 そして、もう一つ   

 エプロンに描かれたウサギの左横に、「みのり」と表記されているのを、今更ながら発見。

 キャラバン夫婦のお母さんの名前は「みのり」さん、だったのではないでしょうか・・・
 


※追記
 長らく廃墟だった「キャラバン」ですが、何年か前に海産物を売りにしたドライブインとしてリニューアル・オープンしたとか。しかし、一年ほどで廃業をしてしまったそうです。

当時の「キャラバン」マッチ箱に書かれたキャチフレーズ「全く新しいヤングの為のドライブイン」

コメント欄より、「通りすがり様」よりご指摘していただきました。どうもありがとうございます。 

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