木と家
釧路の郊外を車で走っていて、偶然に見つけたこの廃屋。

近道をしようとダートの道を進んで行くと、周囲に人家など見かけない場所にこつ然と現れた、完全崩壊でもない、だけど、そんなに新しくもない家。

カテゴリ:廃 屋

中を覗いてみると、そこには若かりし日の根津甚八のポスターや、欽ちゃんバンドの雑誌、果ては女子高生の日記まで、突然に、投げ捨てられるように生活臭が置き去りにされていて、「言うまでもなかろう・・・」の状態   
家と車
庭には今の軽自動車サイズの車があったが、



車
かなりの旧車なので車種は不明。



酵素
草むらに粉末大高
酵素ふげんの缶。

現在も発売中で、amazonでも好評のようです。
大高酵素 ふげん 500g



入り口
なんとか風雪に耐えしのいでいる状態。



スパイクタイヤ
北海道では禁止になってからかなり経つスパイクタイヤも。

奥にはミドリ安全の箱。手前にある安全靴のものだろうか。



台所
生々しい生活物資が散らばった台所。

ガラス窓をみて一瞬ギョッとしたが、多分撮影者の自分だと思う。
この時帽子を被っていたかどうかの記憶は曖昧。



コップ2
ふつう、引っ越しの時には、歯磨きの時のコップなんかは、持って行きそうなものだが、複数個置かれたままになっている。



パティオ
トワイニングの紅茶葉缶とペプシが発売をしていたパティオ。

そういえば、この300mlサイズのガラスボトル、あったなぁ。。。。



マッチ
喫茶店「ひまつぶし」のマッチ。



子供部屋
壁のポスターや散乱しているアイテムの内容から、女子高生と男子小学生の二人部屋だと思われる。



根津甚八
壁には根津甚八。ブラックニッカのポスター。



ブロンディー
ロックバンド「ブロンディ」。1974年にニューヨークで結成。

軌跡!ザ・ベスト・オブ・ブロンディ
1997年に再結成されて、現在も活躍中。



いろは
これを書いたままにして家を出て行く理由とは・・・



懇親会
懇親会の領収書。6000円。昭和60年。
今だったらもっと安くしないと人が集まりそうもない。



欽ちゃんバンド
表紙が欽ちゃんバンド。

ヘキサゴンファミリー以降、こういうアットフォーム系の男女お笑いグループを見なくなりましたね。



少女漫画ポスター
女の子らしく少女漫画「はいからさんが通る」のポスター。

注目すべきは、剥がれたポスターの下から、白黒のビートルズのポスターが見え隠れしているところ。

別のポスターには2代目RX-7が写っていたりと、この家族が家を去ったのは1980年代頃だろうかと想像できるが、庭の車が60年代っぽかったり、この家には60年代と80年代の痕跡が同時に共存している。



ゲーム
ボードゲームなど、男の子用のゲームがまとめられている。
ファミコンは無い。

親がテレビゲームを禁止していたか、或いはファミコン発売の1984年以前に家を去ったのか。



ジョン&ポール
ふすまにジョン&ポール。



ビートルズ
カラーのビートルズポスターも。



松山千春
「北海道廃屋あるある」

若い頃の松山千春ポスター。



c909bab8-s
日記の内容から、高校卒業間近の女子高生と推測。

ギッシリと書かれた日記は数冊あったが、こんなものを置いて行かなくてはいけなかった状況とは、

一体・・・



KISS
ももクロとのコラボも話題のKISS。



トイレ
仄暗いトイレ。

開ける勇気はない。



崩壊
腐食倒壊陥没が始まっている。



乱雑
部屋によっては足の踏み場もない。



パチンコ
今やAKB48のスポンサーでもある、京楽のパチンコ台。



オルゴール
沖縄の楽器「蛇皮線(じゃみせん)」をお土産用にした民芸品のようです。



物置
物色されたような形跡も。



洗濯機
洗濯機は70年代風。



物置2
物置だろうか。



物置1
庭には別棟のトタン屋根の崩れた建物。


壁の収納ポケットには、届けられた葉書や封書が幾つもそのまま刺さっていたり、一家がどのような思いで家を後にしたのかは、想像に難くない。

台所にあったケーキの型で作られたバースデーケーキを、その弟はどんなにか極上の笑みで食べたのだろうか。

凍てつく雪の下、真夏の青空の下。家族の団欒を突然奪ったのはなんだったんだろうか。


残留思念というものが本当にあるなら、それを強く感じてまとわりつかれ、
離れてもくれず、もがきうち震える・・・・


複雑な思いで廃屋を後にする。

おわり

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