ママローヤル
北海道の紋別市、鴻之舞の鉱山施設跡付近に取り残された、まるで陸の孤島のような場所に、密かに佇む廃屋を発見する。
廃屋1
道路からはかなり入り組んだ場所なので、見つけにくいですが、それだけに訪ねがいはある。



廃屋入り口
潜入不可能と判断。



草木廃屋
自分の背丈以上に密度濃く生い茂った草木をかき分けて、更に奥へと進むと、



草木廃屋前面
自然の中に埋没しかかった、なんとか形を留めている、廃屋を確認。

ちなみに、服は葉についた露でびっしょりに。



玄関扉
現状からして、自分以外の訪問者は、かなりの長い期間、いなかったはず。



渚滑・名寄線を守る家
ガラス戸に貼られたステッカー。

残念ながら、渚滑線も名寄線も、とっくの昔に廃線になったどころか、それらを守っていた家自体が廃屋へと・・・



ヘルメット
玄関のガラス戸はスムーズに開いた。

入ってすぐに行儀良く置かれたヘルメット。

元の家主は紋別営林署の署員だったのだろうか。



1988年のカレンダー
1988年『株式会社 紋別北網石炭』のカレンダー。

世はバブル絶頂期。それとは隔絶され衰退する一方の町に見切りをつけ、子供の卒業を期に家を去ったのでしょうか。



煙突穴
塞がれた煙突穴の想いも虚しく、その後の買い手はいなかった模様。



玄関整頓
玄関付近に整頓された幾つかの荷物。

少なくとも、今まで見てきたような、夜逃げや突然の家主不在のような、慌てふためき感は無い。



縄
廃屋散策をするようになってから、頭上に張られた縄には特に、その意味について注意深く観察をし、直下の床も確認をして、

「現在している行為は一線を越えていないな」

と勝手に自己承諾して、もう大丈夫だと自分を無理に少しでも安堵させてから、見まわり始めることにしている。



七転び八起
八つ目に起きた時には家はもぬけの殻、森の中。



ハンガーと領収書
整理整頓をしてから家を去ったと思いきや、領収書類と思われる紙の束がそのままに。



中から外
自然の流入はもうそこまで。



コンロ
十中八九、置き去りにされていく運命の、使い込んだガスコンロ。



ママローヤル
黄昏の『ライオン ママローヤル・ナチューレ』。


ママローヤル ナチュール 4L

現在もブランドは続いているようです。



かき氷器
短い夏の間とはいえ、可愛い子供のためにと買われたかき氷器。



ほうきとチリトリ
最後の最後まで、住み慣れて思い出の詰まった家を「綺麗にしましたよ」との証しか。



床崩壊
他の廃屋のように侵入者によって物色されたような形跡はないが、内部崩壊は緩やかに始まっている。



畳と絨毯
2階へと。

畳にビニール製の絨毯が敷いてあって、引っ越しの時、家具を退かした折、耐用年数のとっくに過ぎていたその安物絨毯が引きちぎれて、そのままにされて現在に至る、、、

と、勝手に予想。



窓より
現在でこそ森の中の一軒家のようになっているが、この家が家族の暖かい笑いで包まれていた時、その庭では子供が自転車で走り回ったりしていたのだろうか。



暖簾
知床半島の暖簾。

ガーゼのようにスケスケで、暖簾本来の機能は発揮できていない様子。



フック
北海道らしく、鹿の角。

すぐに取り出せるようにとのはからいだと思うが、背中でもポリポリとかくのに使っていたのだろうか。

それとも、「道民なら言わずもがな」的な使用方法でもあるのか。



窓森
家周りが完全に樹海状態。

我ながらよくかき分けてやって来たと思う。
革パンを履いていなかったら、ビリビリに破け、見た目はおもらし状態になっていたに違いない。



ござ
虫が湧いているように見えるが、そうではない、絨毯というより、最近は見かけない、ビニール製の『ござ』と言ったほうがいいだろうか。



拡大
下手にライダーハウスに泊まるぐらいなら、真面目な話、ここに寝たほうが遥かに快適かもしれない。

何しろ廃屋にありがちな、訳あり物件の独特な重苦しい「気」のようなものを全く感じず、カラッとしている。



ダラス・カウボーイズ
ダラス・カウボーイズの紙袋バッグ。

おそらく、70年代にあった謎のアメフトブームの頃の物だろう。
つまり、ここの子供はその頃、小学生ぐらいの年だったと。



眺望
営林署の署員を父にもつ少年。

衰退する一方の鉱山とわが町を、その眼下に見つめ、毎夜、何を思い眠りについたのだろうか。

つづく…

 「廃屋、点と線」 ゴールドラッシュ跡に眠る廃屋巡り2