ファンタグレープ
鴻之舞を車でただ通り過ぎれば、道沿いに所々「いくつかの朽ちた廃施設があるな」程度の感想になると思う。

が、一歩入り込んで奥へと進むと、一見、森のように見えても、実はそこはかつて鉱山町が存在した場所であり、たくさんの人々の営みがあった土地である。

一人寂しく、その広大な森を彷徨いながら徘徊をすると、人の居た証しを、まるで遺跡発掘のように、自然の中より見つけ出すことができた。
タイルの浴槽
昭和の廃墟でよく見かけるタイルの浴槽。

これは不法投棄をされているのではなく、周りの建物が崩れ去って、耐久性のある浴槽だけが残った結果だろう。



つづら
昔の押入れには必ずいくつかはあった、鉄でできた物入れ。



森林
道路のある地点でさえ、かなりの立派な山中だが、ここはそれよりずっと奥へと行った場所の、深い森の中。

しかし、何気なく下へ目をやれば、



ドラム缶
ただの自然の森ではないことがわかる。



クインター
この『クインター』との表記のある、ファンタそっくりの謎のジュース。

調べると、既に更新を終えたサイトに、以下ような記述。

>クインター(瓶詰めで乳白色のあやしいジュース)


滝川市について書き込みのある掲示板では、

瓶入りのどぎついジュースって・・・ひょっとしてクインター!?かな。大好きでした。たしか工場はNTTのならびにあったよ』 

そうそう!確かクインター!懐かしすぎる。いつ頃まであったんだろうか・・・少なくとも俺が中学校のときまではあっと思う。約18年ぐらい前』 2003/08/12(火)

クインターは色が3色くらいあった気がするな。味は一緒だと思ったが…
むかし3丁目のノガミに置いてあったの見たよ!もう20年くらい前だけど』 

それだ!俺も野上で見た!そういえば、昔、滝川文化センターの一階に、地場産業品をショーケースに展示していた記憶がある。松尾ジンギスカンを筆頭に、モンモオや玉ねぎの形したお菓子などの中に、確かクインターも飾ってあった(w』 

どうやら、北海道のローカルなジュースだったようです。 



瓶
深い森の中。
鉱山労働者が残していった、ウィスキーのボトルがゴロリと。



白元
フマキラーエースかと思ったが、最初の一文字がどう見ても「ワ」にしかみえず、ちょっと調べてみると、どうやらこれではないかと、行き当たる。



 
ワイパア 殺虫ゾル 450mL
白元の『ワイパア殺虫ゾル』。

文字は勿論、デザインも現在とあまり変わっていない。
ただ、白元はハーバード大出の御曹司社長が、会社を破綻に導き、現在民事再生手続中だ。



ファンタグレープ
古いファンタグレープの缶と言っても、微妙にモデルチェンジをしているようで、中でも、この縦表記のは、一番初期の物らしい。

昭和四十年前後当時、この大自然の森が、大勢の人で賑わう町だったというのだから、今更ながらに驚く。



池
この沈殿池、



山
向こうの山。

ほじくり返してみれば、コーラの瓶や桃缶の成れの果てやらが出てくるのかもしれないが、それらはおよそ誰の目にも触れられること無く、これから何百年とかけて、地中に埋もれていく運命。


それにしても、この大空間を独り占めにできる北海道は、一人旅行が好きな自分にとって、実に魅力的な場所だ。

例えば、九州の似たシチュエーションの所、末端、僻地などへ行っても、大概そこかしこに人家があり人がいて、このように、十数時間ひとりぼっちなんていう状況は、まず無い。



繁み
孤独を堪能しつつ、更なる繁みへと踏み込んで行くと、



配管1
自然がまだ完全に、人工物を隠せないでいる。



配管2
生活排水か工業排水か。

森林のようでも、その地表の皮の下には、まだこのような血管のような配管が、うねり張り巡らされている。



倒木
行くてを阻む倒木、



砂利道
かと思えば、鉱山町の人々が往来しただろう、道がある。



倒木2
またもや、台風によって倒されたかもしれない木々が、道を塞ぐ。

本当に自分は今、バカ高いディズニーランドのパスポートを購入して、ジャングルクルーズなどに乗ったりするより、遥かに楽しく、刺激に満ちた経験をしている.............のか?

とにかく、ただでこの体験をできるのだから、USJにも行く理由が無い。



倒木3
今度は乗り越えるかくぐるかには、微妙な高さの木と遭遇。

森の中のダンジョン入り口と言ってもいい、あの橋の手前部分が失われていた理由が、この荒れようを見ると、おのずとわかってくる。



廃鉄
もはや、プレデターが光学迷彩を纏って出て来ても不思議ではない、森林風景なのに、それでも、このような廃棄物が現実へと引き戻す。



鴻之舞中学校
更に練り歩くと、鴻之舞中学校の記念碑に出くわす。



後方
あのファンタグレープを飲んだのは、時代的にも、ここの中学生の可能性も考えられる。



基礎
相当な疲労を感じつつも、また一歩、ディープフォレストに身を投じると、遺跡のようなコンクリートの基礎部に遭遇する。


つづく…

「森林地帯の廃バイクとトラック」 鴻之舞廃墟練り歩き3