北海道留萌の山の中に、草木に埋没しつつある、廃墟高層アパート群がある。
全盛期には、こんな山奥に当時の国民的大スター『三波春夫』がやって来て、リサイタルまでしたという、その羽幌炭鉱が閉山となったのが昭和45年。
この近代的なコンクリート製の炭住高層アパートが建てられたのが、閉山直前の昭和44年。
すでに山と森に覆われつつある、この廃墟アパート、全4棟。
各部屋に戸別訪問を実地してみると、そこには、迫り来る閉山に追われる住人たちの慌ただしい様子が垣間見える品々、当時の世相風俗、部屋の主を失ってからの激しく朽ちゆく内部のさま等、実に興味深く予想外のものを発見することとなる。
廃病院の前の橋を渡ると、
遠目に煙突が見え、鬱蒼とした木々の間には廃墟高層アパート群。
グランドのような開けた砂利スペースがあり、そこに車を停めると、手前に見えるのが、
元消防署。
古いアメリカの映画に出てくる、
田舎の消防署のよう。
4台も車両を有していたとすれば、規模はかなりのもの。
中へと入ってみると、鎮座するのはヤンマーのトラクター『TC1800』。
北海道の廃墟あるあるとしては、廃校になった小学校や廃施設が、農家のトラクター置き場になっているケースを何度も見かけた。
これもそのたぐいと思いきや、周囲に畑はおろか、人家も無く、トラクターはかなり古い放置状態。
もしかしてシャンデリア?
ここも都合の良い不法廃棄のゴミ捨て場になっているのかも。
確かに捨てるにはやっかいそう。
再利用は難しそうです。
脱穀機のようなものもあり、
一般の農家が使用しそうな農機具はフルに揃っている。
天井から垂れ下がる捻れた蛍光灯の残骸。
ヤンマーのエンブレムも誇らしく。
もう永久に不動車でしょう。
消防署と廃墟アパートとの位置関係。
閉ざされたままのシャッター。
CSの『ストレージ・ウォーズ』では、あらかじめテレビ的に良さげなアイテムを倉庫に前もって用意しておくような、
やらせが発覚していましたね。
この廃消防署を見ても分かる通り、そうそう驚くようなお宝は出現しないもの。
裏側に回りこんでみる。
屋根が落ちて、
青空が見える状態。
トタン屋根。
南米のジャングルにいそうな毒々しい蜘蛛が。
泊まり込みの消防署員用タイル風呂。
いよいよ、
山と森の中に眠る、廃墟高層アパートメントへ進みだす
つづく…
「廃部屋巡り」 廃墟高層アパート戸別訪問、羽幌炭鉱跡.2
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