正面
 羽幌炭鉱を後にして、少し車を走らせていると、ふと前方に現れた、その場だけが何故か重苦しく感じるどんよりとした存在感の家。

 紛れも無く、廃墟、廃屋。

 車から降りてその負の圧に抗いながらも、廃屋散策チェックをしてみる。
 正面入口は封印をされているようだが、横の窓は開いた状態で、どうやら中へ入れそうなことが判明する。


 渡辺篤史の負の側面は俺が受け持ってやるぞ、と思ったか、思わずか……

 早速、ワークウェアをビッシリ着込んで準備万端、突入体制でいる自分がいた。

倉庫
 倉庫や車庫の類いは、トタンの板で塞がれている。



出窓
 ここまで来て、こんなとこへ入り込んでみる人は、自分以外いるのだろうか。

 地面や窓枠などをじっくり観察してみるが、そういった形跡はありそうで、なさそうで。


 それでは。




部屋中
 毎回思うのが、何故部屋中に物を残して家を出て行くのかということ。

 そうせずにはいられなかった理由が、あるのかもしれないが。



テレビ
 家具調のブラウン管テレビ。

 一家が家を去ったのは、1960年代あたりだろうか。



机
 勉強机と思いきや、1階なので、事務机が相応しい。

 自営業だろうか。まぁ、農家も立派な自営業である。



カレンダー1
 古いクラウンのカレンダー。



カレンダー2
 これもまたクラウン。

 このクラウンは、S50型と呼ばれているもので、1967年から1971年に製造されていた。



カレンダー
 建物の状態が悪いので、自然の影響をモロに受けており、カレンダーも染みやカビだらけ。

 でも、なんとか1969年のものということはわかった。



机上
 自然災害というべきか、朽ちゆく途中の自然崩壊というべきか・・・・・・

 竹をぶった切ってその断面が露出しているものがあるようだが、何十年も前に家主が出て行ったこの状況の廃墟において、どのような経緯でそのようになったかは、全くもって謎でしかない。



角
 屋根が持ち堪えてくれないと、このようなカオスになる。



ダンボール
 三菱のファンヒーターのダンボール箱。

 熱効率や灯油代のことを考えると、北海道なら尚更のこと、石油ストーブの方が断然良いと思うのだが、常に最新家電を揃えていた家だったのかもしれない。



土砂
 屋根がない。



洗濯機
 やはり、70年代前後の古そうな洗濯機。



テーブル
 家族の笑顔が360度の円卓テーブル。

 暖かい家庭を築き、東京の住宅事情からすれば、実に余裕のある家を構えていたのに、去って行ってしまったのは何故?



服
 この荒みようからすると、今まで見てきた廃屋の流れから、夜逃げも考えられる。



農協
 農協の『組合勘定報告書つづり』。

 農業従事者だったようです。

 不作続きで借金は雪だるま式のたまる一方。一家で深夜にこっそりと、親戚のいる内地へ向けて夜逃げで人生をリセット、新しい旅立ち・・・



フェザー
 花王のシャンプー『フェザー』を箱買いする、髪には殊にこだわりを見せていた、ご婦人の存在感…


 たった今、この瞬間、家が瓦解してもおかしくない状況なのに、よせばいいのに、崩れかかり軋みまくりの階段で2階へと。

 子供部屋では意外な趣味を発見し、また、有名人のサインに添えられていた人生訓には、ここの家族の行く先を既にその時点で案じていたような一筆をみて、驚きと先見性に感銘さえ受けることになった。


つづく…

「旅芸人の暗示」廃屋、クラウンハウス婦人のこだわり.2

こんな記事も読まれています