植物
 芸人やかつての映画スター達が、街中でぶらぶらとお散歩をしながら食べたり飲んだりするだけで、高額なギャラが貰える。

 そんな安易な番組をゴールデンタイムなんかで放送しているから、”バカにされている”と憤慨した賢い視聴者に愛想を尽かされ、最近のテレビ番組の視聴率が目に見えて低いのではないかと、この廃墟高層アパートの、お部屋戸別訪問をしながら、強く感じたのか、気にも留めなかったのか……

 もやもやと思考が駆け巡る中、通常だったらお茶の間があるだろう場所に、原生林並の草木が生い茂る”一室”と、遭遇をする。
果汁ジュース
 ヒュッテ(山小屋)泊まりの若者達は、ビタミンCの摂取に気を使っていた?

 この頃の100%のオレンジ・ジュースは、輸入関税のこともあり、かなりの高価格だった。コカ・コーラの自販機でも売っていたが、小さな瓶にちょっとだけ。
 妥協の産物的に、このHI・Cやオレンジエードを、飲んでいたような気がする。




ベランダより
 ヒュッテ区画を離れて、まずはベランダより眺む。

 この絶景を見ながらだと、勉強も捗りそうです。



木戸
 ロック機構付き。

 ご近所さんは皆顔見知りで、もしかしたら、玄関のドアさえ、開けっ放しだったかも。



ハンガーポスト
 何故、この場所に、この窪みに、ハンガー。

 ちなみに、昭和を感じさせる言葉としての第一位が『えもんかけ』だとか。



影陽
 侵入者による、スプレー書きや、飛び蹴りで壁破壊のような、いたずら行為をほとんど見なくなる。
 心霊スポット巡りで深夜に来るような人達は、やはり、奥の方までは見回らないようです。



床隙間
 床下の深淵を覗き見る瞬間、向こうもまた、こちらを窺っているのだ・・・



ラベル
 すかしたハリウッド映画の導入部でよくある、偉人の言葉の引用。
 床板が外れて、土や砂が覗き見えるだけの画像に、特にかぶせる文句も浮かばなかったので、つい使ってみました   


 深淵に覗かれまくった後、階段を登っていると、ひれ伏すサッポロビールのラベル。



瓶4
 入った部屋でお出迎えの、サッポロ瓶ビール4本並びの、存在感。

 あのラベルは、年月により粘着力が薄れていき、そして剥がれ、時折通り過ぎる微風によって、ずりずりと少しずつ前進、いや、後進?して、階段をゆっくりと伝い、下へと。そこで、ワークウェアをびっちり着込んだ廃墟散策者と邂逅する。

 なんとも、奇跡・・・・・・、なのか。



北海道
 あの山頂で、一年に一回、かなりの規模の打ち上げ花火大会を開催する。
 チケットは部屋単位で売り出し、軽ワゴンの移動フード販売車も呼ぶ。

 いなせレジャーランドの、レトロ放置廃車野外展示場計画より、実現性は低いだろうか。
 


裏
 バックショット。

 これを飲んだ人達が、数十年ぶりにやって来た時の、驚愕、歓喜、時の流れ   
 更に十年後、全く変わらず、同窓会のように・・・

 が、やがて、一人減り、二人いなくなり   いつしか、誰も来ず。ビール瓶だけが変わらず、立ち尽くし続ける。
 


赤便座
 関東圏ではまず見ない、厚手の便座カバー。車のような、寒冷地特別仕様だろうか。

 付け根のところがダブダブで、生地が余りまくっていることから、女性用タイツの再利用のケースも考えられる。



みかん
 みかんの缶詰。
 当然、蓋がパックリ外れるタイプではない。

 よく見ると、蓋に穴を開けてテグスのようなものが通してある。
 ぶら下げていたようだが、この利用法が道民の人なら誰でもお馴染みなのか、それとも、この家特有のものだったのかは、通りすがりが知る由もない。



エマール
 花王の洗濯洗剤『エマール』。

エマール リフレッシュグリーンの香り 本体 500ml

 現在も発売されているが、粉末から液体へと進化して、ボトル入りになっている。


 それらを収めている箱が『ちようしたの蒲焼き缶詰』。
ちょうした さんま蒲焼 EO 100g×30個
ちょうした さんま蒲焼 EO 100g×30個
 羽幌炭鉱高層アパートの住人も大いに舌鼓を打ったという、この缶詰、まだまだ現役で発売中。



錆ドア
 戸別訪問、今のところ、全室覗いておりますよ。



収納
 こちらのベランダ収納は、物置に徹しています。



窓低層
 窓には、野球ボールでも直撃したかのような、ヒビ割れの穴。



レール
 戸の滑りをよくするシートの粘着力が弱り、剥がれ捲り上がって、カール状に。

 この上で、スーパーカー消しゴムを、ボールペンのボタンでピョンと押し出し、ス、ススーーと、走らせた思い出を持つのは、僕だけではないはず。

 と、言いながら、田舎の独自の風習や慣習、限られた地域でのプチブームなどを、どこにでもある”あるある”ネタと勘違いし、『それ、何・・・・・・?』とどん引きされてしまうことが”まれ”にあるので、ご注意を・・・



赤便座2
 先ほどの部屋の同階、並びの部屋。トイレの構造は対称。便座はなんと、お揃いだ。

 親子か親戚か兄弟か。便座カバーのデザインを共有する間柄を、しばらく考えてみる。



林
 第二赤便座カバーの部屋、入り込んだら草原が出現。

 この部屋の一室で、フルーツでも育てられそうな、亜熱帯感。



ベランダ林
 ベランダも密林なら、外は森林。



四畳半
 四畳半、日本からはヤクザが代表の、プレデターズのジャングル状態。

 ドラえもんがのび太の部屋で、マットを敷いて、そこに大海原を出現させるという道具があったが、これはまさに、その森林バージョン。


 踏み入れた、羽幌炭鉱廃墟高層アパートの原始林部屋。
 
 状況からして本当に足場は脆いので、慎重に歩を進める……


つづく…

「栗毛の少年と犬」 廃墟高層アパート戸別訪問、羽幌炭鉱跡.8

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