誰もいないひとりきりの、茫漠たる廃ファクトリーを、漂い続ける。立坑櫓を中心にぐるぐると周遊し、時には、まだ使用されていそうな建物を、チラリと覗きながら・・・
穏やかに緩やかに、このスタンスを崩さないで行こう。
警察案件はむしろ、東京でのことの方が多い。何十年着ても流行り廃りが無いことから、フライトジャケットやワークウェアを普段着として着ていることが多いが、秋葉殺傷事件以後、アーミー系の服プラス、バックパック姿でいると、ほぼ100パーセント、職質を受けるようになった。但し、秋葉原と新宿西口限定。
必ず、若い刑事とその上司らしき刑事の組み合わせ(いわゆる、グッドコップ&バッドコップ)でやって来て、こっちが「これって任意ですよね」と切り返しても、しつこく纏わりつかれる。若い方が挑発的で、上司がなだめる感じ。気配を察っし、早歩きでヨドバシカメラへ逃げ込めば、店の中までは追ってこない。
後日、試しにショルダーバッグにユニクロルックで、明らかに刑事二人組らしき人らの周囲を彷徨いてみたが、呼び止められることは無かった
人権を無視したような職質から開放され、廃墟散策者は、今日も北海道の廃遺産を、徘徊し続ける・・・・・・
中を覗いてもさして興味を引くものはなかった建物。物置ぐらいにしか使われていないのは勿体無い。
再び、見上げての、この角度、光景。
助成金が豊富に出るのか、北海道の主な駅の駅舎とその駅前付近だけが、根こそぎと言ってもいいほど、建て替えられている。長年慣れ親しんだ函館駅などは、面白みのない美術館のようになってしまった。駅構内の店は、チェーン店ばかりで、何十年も通った妙な長さの椅子が備え付けの立ち食いそば屋は無くなっていて、函館駅に到着してからしばし呆然とした。
この産業遺産は、現状維持をしてもらいたいものです。
三笠いち高い場所は、鳥の楽園状態。
その割に、糞害は目立たない。
大きな声では言えないですが、エジプトのクフ王のピラミッドの”てっぺん”まで登ったことがある。最近はどうだか知らないが、僕がバックパッカーとしてカイロのゲストハウスに滞在した時は、毎夜、有志でのピラミッド登頂が、恒例となっていた。勿論イリーガルなことで、逃げ足の遅い僕は守衛に捕まり、ピラミッドの半地下にある土蔵のような所に一晩閉じ込められた。
その日を思い出し、立坑櫓へもと一瞬思うが、鉄骨の強度や、事件化した時の影響が当時のエジプトのゆるさ加減とは全く違うことから、踏みとどまることにする。
山田さんが見たら、武者震いが止まらなそうな、SASUKEファイナルステージにも似た、圧巻の姿。
興奮冷めやらぬ中、顎を引き、足元を見つめなおす。人のざわめきのようなものを聞いたような気がしたが、ひとりの廃空間、結界は、いまだ守られている。
放置された乗り物の方へと。
くすんで錆びたフォークリフト。
再生の道はなさそうです。
このハンドルに付いたコマのようなもの。片手で操作できて便利そうだと自分の車にも付けようとしたことがあったが、ナビの手元スイッチと微妙に干渉をするのでやめました。
大型トラックの運ちゃんが楽しそうに回しているのをみると、ついやってみたくなる。
再びこの視点よりの流れで、
周遊し続けて、ついにこの絵面を捉える。
いわゆる、ホワイトカラー層が働いていた事務所区画でしょうか。独特の形をした窓が並ぶ。
見るからに危険そう。
緑化具合が素晴らしく廃立坑櫓に映える。
もっと緑を絡ませて自然との共生を・・・
過去に大きい爆発事故を起こして、その影響が見られるということだったが、それは裏側より確認できるのだろうか。
ぐるりと、櫓の背面へと、進んで行く
つづく…
「憔悴廃工場見学」 ゴーストファクトリーひとり周遊.4 住友奔別炭礦立坑櫓
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