峠下駅 プラットホーム
 いつもながらに、車で北海道の廃墟を探して彷徨っていると、遠くにそびえる山を捉えつつ、人家がめっきり無くなってきたことに気づく。

 勾配も見えてきて、ここより山に差し掛かるなと気構えた時に、塩梅良く待ち構えていた、誘うような、ゆったりくつろぎ空間が除き見える待合室に目を奪われ、すかさずブレーキを踏んだ。

 留萌本線の<峠下駅>は、本当に峠の下にあった。



峠下駅 正面
 毎度ながら、駅舎内は勿論、駅前、プラットホームと、人っ子一人いない、ぞくそくする北海道ならではのシチュエーション。

 ここ数十年はシーズンオフにしか来たことがない北海道。昼時なのにこんなにも寂しいこの場所が、果たして、夏場には、自転車やバイク、秘境駅マニアなどで、人が溢れかえったり、溢れないまでも、そこそこの人達が集ったりするのだろうか。
 


峠下駅 ベンチ
 元有人駅にはおなじみの、閉ざされた受付窓口。使い勝手の良い物置棚としての余生を送ってます。



峠下駅 乗り場
 寂しい駅に寂しい運行本数。東京だったら駅舎内を撮影していたら怪訝な目で不審者扱いをされますが、ここでは撮り放題の自由時間。



峠下駅 ポスター
 無人駅になり、何時頃からか、北海道のローカル線がワンマン式になっていた。

 90年台に中国の市内バスがワンマン化された時に、料金を誤魔化そうとした客が後ろから強引に乗ったら、華奢な女性の主婦らしき運転手がツカツカとその客に向かって行き、なにやら罵声を浴びせた後、下車させていた。でっかいハンドルのトロリーを女性が運転していたり、日本より遥かに女性の社会進出が進んでいることに驚いたし、街中の争いでも女性は負けていなかった。少なくとも、労働者階級ではそう男女差が無い中で経済を発展させた中国。日本に観光で押し寄せるようにまでになったが、一方、それらを未だに怠り、その他、数多の閉塞感に覆われた日本は、このような過疎地帯を、そこら中に作ってしまい、巨額の債務や低成長に喘いでいる。

 ひとりきりで空間を専有できる旅人の至福の裏には、日本社会の病巣の一端からくるものも大いにあり、手放しでは決して喜べない。



峠下駅 真田広之のポスター
 閉塞感漂う日本から飛び出し、ハリウッドの映画やドラマで大活躍中の真田広之さん。年月が経ち日焼けをして色褪せてますが、アメリカでの活動を主としているから、もう、タバコのCMは金輪際やらないでしょうね。
 


峠下駅 ソファー
 座り心地は保証もののソファーだが、端に追いやられていつ廃棄されてもおかしくない状態。



峠下駅 小便器
 トイレチェック。清潔でした。



峠下駅 扉
 峠の茶屋ならぬ、ご覧の通りの峠の駅。



峠下駅 反対側
 人も来なければ汽車も来ない。貸し切り気分で本当に心が休まる。



峠下駅 柱
 名前負けしていない駅ですね。



峠下駅 気動車
 貨物の牽引車か知らないが、停まってました。金太郎のマークはよく見るけどこれは”ぞう”。



峠下駅 ホーム
 完全に飛び込みなので秘境駅と認定されているのかはわからなかったが、とにかく、ひなびている。
 


峠下駅 駅名
 この後、峠を車で登っていきました。尋常じゃないなだらかな時間の停滞感、侘びしさ、郷愁がぷんぷんただよう駅だった   


終わり…