ニュージャパン 全景
 ホッキ貝の漁獲量が日本一だという、北海道の苫小牧市。苫小牧漁港にはB級グルメ愛好家に有名な「マルトマ食堂」があり、ホッキ貝のお刺身定食や、一番の名物「ホッキ貝カレー」を求める人でいつも大変な混雑をしている。

 僕もマルトマ食堂へは何回か行ったことがあるが、 毎回偶然なのか、ほっき貝カレーを大量に残すグループと遭遇している。おそらく5回は行っているけど、いっつも、下手をすれば3口ぐらいしか食べていない人達を毎度見かけてしまう。

 ホッキ貝カレーの現物を見ると、ルーは真っ黒に近い色で『いろいろな出汁が染み込んでいそうだな』と大きな期待を伺わせるものである。「今度こそ注文してみよう」と意気込むも、周囲を見ると先程までのはじけるような笑顔を曇らせた人達の残したホッキ貝カレーを目撃してしまい、結局刺し身定食を頼んでしまう、保守的な自分がいる。

 ちなみに、地元のタクシー運転手などは、ホッキ貝などには一瞥もくれず、保温庫に並んだコロッケやトンカツの小鉢を選び、ごく一般的な定食を食べているようだった。

 そんな、苫小牧の港沿いに立ち尽くす、茶褐色の煤けた廃墟ホテル「ホテルニュージャパン」。 



ホテルニュージャパン 接近
  古めの地図なら「ホテルイーストジャパン」の表記を見つけられるかもしれないが、「ホテルニュージャパン」はそこからほど近くにある。ホテルイーストジャパンは東日本フェリーが経営していたが、親会社の経営破綻とともに廃業。ホテルニュージャパンはそれよりかなり前に潰れている廃ホテル。

 例のごとく心霊スポットになっているのはまだしも、彼等による失火(それも幾度)により、ところによっては黒焦げの階もあるとか。



ホテルニュージャパン yori
 侵入すべく、そびえるスチール製の壁の周囲をオロオロと行ったり来たり徘徊をする廃墟散策者   



ホテルニュージャパン エントランス
 堅固な防御態勢により侵入は不可能かと思われたが、抜群の探知能力により、見事エントランスへと到達する。

 もう、ここは僕にとって楽園となった。なぜならば、周囲の目から隔絶された死角であり、通行人からの声掛けも無い。心霊スポット目当ての若者は昼前のこの時間には確実に来ないだろう。




ホテルニュージャパン 支え
 荒んだ壁の中。不法投棄の業務用の洗濯機に大型車のタイヤ。自転車。

 押し寄せる侵入者から守らんとする、壁を支えるその様は、まるで聖地を死守するウォーキング・デッドのそれと同じ光景。



ホテルニュージャパン かど
 コーナー部分を支えるT型のポール。冗談ではなく、侵入者達はゾンビよろしく、壁をよじ登って来るのだろうか・・・



ホテルニュージャパン チェーン
 外側から、引っ張りの耐性も考えての、張られた鎖か。



ホテルニュージャパン 自動販売機
 昭和の廃墟ホテルでよく見かける自動販売機。中身が真っ先に盗られていているようなので実際のところは不明だが、シャンプー、リンス、タオル、の並びだったと推測する。



ホテルニュージャパン ihi
 建物の周囲を確認中。ボイラー室にはIHI(石川島播磨重工業)製の大型ボイラー。



ホテルニュージャパン ポスト
 住み込みの従業員用のポストか。名札類は綺麗に削ぎ落としてから出て行ったようだ。夜逃げ案件だとこの部分がそのままだったりする。



ホテルニュージャパン 見上げる
 ざっと周回をして    まずは、



ホテルニュージャパン ロビー
受付けとロビー部分から。



つづく…

「喫茶店と事務所区画」 廃墟、死灰の『ホテルニュージャパン』.2