天華園 入口
 中華テーマパーク「天華園」の広大な敷地内に散在する、建物のうちのひとつ。観音開きの扉の片方は閉じられたまま。控えめに「いらっしゃいませ」と、小さいプレートの招きの言葉に導かれるまま、侵入してみる。



天華園 メニュー
 メニューを掲げていることや値段構成からみると、ここは中華ファーストフードのお店のようだ。バブル期の観光地プライスということを考慮すれば、比較的、良心的な値段だったといえるだろうか。日本で台湾のタピオカ入りのココナッツミルクティーが流行ったのは、天華園営業当時よりだいぶ遅かったはずだが、数少ない厳選されたメニューにそれを加えていたあたり、多少の先見の明はあったのかもしれない。



天華園 ポスター
 幻境空間。

 登別中国庭園 天華園

 ファーストフード店内の壁に色褪せたポスター。短髪の、若い頃の研ナオコ風の痩せこけた女性がチャイナ・ドレスで澄まし顔。セロハンテープの雑なとめ方に、中国人にも通ずる粗雑さの共通点を感じてしまう。

 中国へ行ってまず驚くのが、大概の男性の後頭部に寝癖があること。カップルだろうが夫婦だろうが、独身者でも、本人が気にしないのはまだしも、近くの異性も些細な身だしなみには無関心で、注意したりすることもない。

 当時は、経済的に困窮していれば後頭部の髪の反りなどにかまってる暇なんかないのかも、と、日本人のバックパッカー同士で話題にしていたが、GDPが日本を越えて、日本へ爆買いに来るようになった昨今、街中の中国人観光客を観察してみると、やっぱり、男性の後頭部にはかなりの高確率で寝癖がみられる。大富豪のジャック・マー氏も同様である。毛質が異様に固いといった日本人と共通した遺伝子レベルの特性があるにしても、きょうびの日本で、爆買いを羨ましげに横目でみているような貧困化著しい凋落したこの国の人でさえ、後頭部を豪快に反らせおっ立てて街中を歩いている人など、まずいない。

 真夏には特に、「中国4大かまど」と言われる炎熱都市のひとつ重慶で数多く目撃したのが、男性がTシャツをめくりあげて腹を露出しながら歩くという行為。ほぼ7割方の成人男性が揃いも揃って同様の状態。決してオーバーな表現ではなく、これも日本人バックパッカー同士で「何故だろう」と行く先々で話題になっていた定番のエピソード。開け方も、めいいっぱいというか、さすがに乳首を出すほどの全開なめくりようではなかったが、統制を図ったかのように、きっちりと、乳輪ぎりぎり、乳輪のすぐ下まで裾を誰しもが持ってきていた。口の悪い学生バックパッカーなどは「乳輪をはみ出させないことがせめてもの中国人なりの暗黙のエチケットなのかな」なんていうことをいったりする人がいたくらい。

 古くからの建築物もよくみると結構大雑把で、日本の寺院や石垣にみられるような繊細なつくりとはまた違うというのが正直なところ。

 ポスターの端のちょっとした反りに、生なましい、本来のリアルな中国を垣間見たような気がした。



天華園 カウンター
 中華ファーストフード「天然居」のカウンター。



天華園 キッチン
 キッチン部分。洗い物シンクの横は、ごま団子などを揚げたフライヤーだろうか。




天華園 壁
 天然居のカウンター伝い、崩れた壁。部分的に雨漏りがしていて、脆くなった箇所から崩壊していく。



天華園 カウンター内
 引き出しという引き出しが綺麗さっぱり抜き取られている。キッチン用品の買い取り屋というのはかなり前から普及していたので、計画的な廃業なら、業者が買い取って行った可能性が大。



天華園 セルフ
 ファーストフードといっても、メニューはスナック菓子程度のものばかり。やはり、昼食でさえ食事はレストランへ来いとの思惑があったに違いない。



天華園 メニュー2
 と思いきや、ラーメンや御飯物もしっかりとあった。



天華園 詳細
 天津飯800円にランチセット1,200円。飲茶類のメニューは少しばかり高そうな気もするが、登別の山の中というシチュエーションなら、暴利を貪るというほどでもないし、これが原因でリピーターを失うという理由にもならないだろう。



天華園 構え
 天然居の店構え。



天華園 レリーフ
 言うなれば、中国にある装飾品にはこのような粗こつさを至るところに感じられる。



天華園 彫り物
 近所のおじさんがバイトで作ったのではないのなら、中国からの輸入品だろうか。日本企業が性能と値段で太刀打ちできなくなった中国製の家電やスマホでさえ、例えばカバーのちりが合わないなど、細かいところで雑さが滲みでているのが中華クオリティー。日本製のスマホはというと、バッテリーの持ちが悪く、必要のない機能ばかり搭載し、挙句の果てにムービー撮影中に熱落ちしたりする。けど、ボディ部の成形は精巧だったりする。



天華園 部屋
 あらためて内側より。よくみると、もぎれ落ちたドアが傍らに横たわっていた。



天華園 シャンデリア
 中華風シャンデリアが頭上に。



天華園 石版
 模造品かそれとも適当な作り物か。壁に石版。



天華園 塔
 外へ出て、あの塔を目指して進む。



天華園 くぐり
 チラ見させ期待感を煽るという、中国人の偉大な知恵、円洞門の前に。その先には・・・



天華園 階段
 門をくぐり、石段を駆け上がる   



つづく…

「中国大レストラン跡から大宴会場」 廃墟中華テーマパーク『天華園』、そぞろ歩き.3