天華園 入場料
 またもや入園料をねだる看板と遭遇。先程みた正式な入場ゲートの売り場よりそれぞれ100円増し。天華園全体の入園料が大人1,800円で、メインの呼び物である中国庭園に直接入場しようとする人には、100円増しでぼったくってやろうという魂胆らしい。後で知ったら少ない金額とはいえ、お客さんは苦々しい思いをするだけだ。飛び込みの客はカモだから、”1円でも多く搾り取ってやれ”というこすい商売をやっていたことがこんなところから裏付けられ、ごく短期間で経営破綻をしたのも頷けてしまう。



天華園 割引券
  お飲み物券には平成7年との表記。天華園は平成4年にオープンをして、当初こそ27万人の入場者数を記録。が、3年後の平成7年には入場者が半減をしてしまい経営悪化に陥ったというから、この頃は血眼で方々に割引券をばら撒いていたに違いない。



天華園 廟
 1,900円も払ったゆとりのある心持ちのよい人になった気分で、中国庭園に入園し、廟のような建物から五重の塔をのぞむ。

 平成4年にはこの場所が人で埋め尽くされていたというが、只今、山奥の廃墟テーマパークには、僕以外誰も存在しない。一人あたり2千円近くも払い、しかも家族連れだったりして、今や無料で見られるというのに、数十万人もいたお客さんはどこへいってしまったのか。貧困化した日本人は家でスマホのソシャゲでガチャ課金。円安を最大限享受した中国人の富裕層が北海道の観光地で大暴れ。僕がバックパッカーとしてよく中国に行っていた頃に、地方都市で列車が停止中、窓から捨てられたジュースのストローを拾って集めているお爺さんがいたのを今でも覚えている。プラスチックの原料として再利用するためなのか、それとも洗って再びストローとして使用するのか。駅で売っている弁当の入れ物のスチロールには、明らかに黒ずんで何回も再利用しているものがあったから、当時の中国なら、拾ったストローの再使用もじゅうぶんあり得ただろう。インド人の最下層より貧しそうに見えた、あのストローお爺さんの孫が、ひょっとして、北海道に観光爆買い旅行にやってきて、すすきのの風俗店を貸し切り状態レベルの無礼講。日本人が一番安い味噌ラーメンを食べる横で、全部入りを平らげるご一行。肝心の僕が、人がいなくて無料で落ち着くと、北海道廃墟巡り    何時までたってもはじけない中国バブル、果たして中国も日本のように凋落するようなことがあるのだろうかと、今更ながら思う。



天華園 取っ手
 鉄製の鍵部分。鋭利で誰か怪我でもしたのか、細かい配慮がなされていた。



天華園 製氷機
 製氷機だろうか。流し台も調理場にあるような業務用の物だ。



天華園 シャンデリア球
 またもや豪勢な中華風シャンデリアがある。



天華園 エレベーター
 2階ぐらいの建物なのにエレベーターが設置してあった。この豪華設備で営業期間がたった7年とは、本当にもったいない。



天華園 下階段
 下への階段があったので行ってみる。



天華園 下
 トイレと非常口のようだ。



天華園 男子トイレ
 いつもだったらトイレチェックをするところだけど、鍵は閉まっていた。



天華園 犬
 干からびた犬の死体かなんかと思ったが、ダスキンのモップだろうか。



天華園 外
 対面の建物。守礼門に見えるけど、守礼門が真似ているのかも。



天華園 通路
 エレベーターも装備し、周囲には回廊まである。下手なチャイナタウンにある建物より、細部までよく作ってある。



天華園 置椅子
 失われた瞬間、廃墟中華庭園。複数人で来ていたら、あの壺形椅子の上で、大股開きT字ジャンプ、高速シャッター止め、で写していたかも。



天華園 ガラス
 さり気なく映り込む廃墟探索者。親には温泉旅行に行ってくると言ってあるが・・・



天華園 外観
 エレベーターや回廊まで備えて作り込んだこの建物は、どうやらレストランのようだ。中国語はさっぱりわからないが、中国の街中で「賓庁」「賓館」は食堂だった記憶があるので、たぶんそうだろう。

 ちなみに、上海以外の場所で日本人が無理矢理カタカナ中国語で話しかけない方がいい。相手は100%中国人と思ってこっちをみているから、「我 日本人(オースィー リーベンレン)」なんて言っても全く通じず、冗談ではなく、知的障害者かなんかと間違えられて、手振りで”ホイホイ”(あっち行け)とやられることになる。買い物などはぼられないためにも、決して日本人特有のニヤケ顔などせず、ムスッと強面怒り口調で「チェガ(これ)」「ドーシャオチェン(いくら?)」「2個(リャンガー)」などとして中国人になりきる。あとは数字をおぼえるだけで、中国全土を完璧に旅することができる。少なくとも、僕はそれでじゅうぶんだった。



天華園 内部
 建物内部をより見回す。だだ広いスペースには、折りたたみの卓球台があるかと思ったが、中華風パーテーションだろう。



天華園 パーテーション
 この付近のはあらかた持ち去られたが、これは、他に使いようがないくらいに巨大すぎて置き去りにされたまま。ここは天華園ご自慢の大中国レストランだったらしい。規模は相当なものだったようだ。石畳の中庭を中心として、周囲にレストランや五重の塔が配置されている。



天華園 冷蔵庫
 業務用冷蔵庫に貼り紙。



天華園 貼り紙
 「手洗い励行」 「食中毒注意」

 達筆な筆文字で書かれている。少なくとも、衛生観念は高かった様子。細かいことを指摘すると、ラミネートされたメニューの上に紙が貼られ、そこに記されている。

 この先では、毎晩登別の山奥の豪華中国レストランで繰り広げられた饗宴の跡、その痕跡が如実に残されたレストラン施設の探索をより深く遂行し、天津甘栗屋内屋台製造機なる、日本でも本場中国でも見かけたことのない珍機を発見し、中華大宴会場の圧倒的スケールにしばし沈黙する。しかる後、目指すべき塔へと、歩みを一歩、一歩、進めて行く   



つづく…

「漢官周楽とは」 廃墟中華テーマパーク『天華園』、そぞろ歩き.4