天華園 柱
 円卓テーブルの残骸や、巨大なフロア面積などから考えると、宴会場ではないかと考えられる場所。太いケーブルが数本這っている。



天華園 円卓テーブル
 当時の姿をそのまま留めている円卓テーブル。がっしりとした作りだが、他での使いようも無いから放置されていった模様。



天華園 板
 またもやあった、謎の大判板の配列。中国レストランにあったのはかなり劣化していたが、こちらのは新品当時の輝きさえある。これが畳なら湿気取りの関係で立て掛けてある理由もわからないでもないが・・・ 縦には高過ぎ、横には低過ぎて、パーティションでもないようだし。

 大胆な仮説を唱えてみる。天華園の末期、まさかとは思うが、広いフロアを利用して、中華レストランと宴会場を跨いだ、大規模な中華風ドミノ倒し大会でも行われたのではないだろうか。客数減少に悩む経営者が、藁にもすがる思いで発案した苦し紛れの客寄せ企画。

 台湾の電機メーカーに買収される直前までのシャープが、なんとか1台でも多く売ってやろうと他社製品との差別化を図り過ぎた結果、あらゆる自社製品にプラズマクラスターを付けまくり、しまいにはコピー機にまで及んでしまった。もうこれしかないと発売したのは、20万円以上もするスマホ・ロボット。追い詰められると、あらゆる可能性に望みを託してしまうのは今も昔も変わらない。





天華園 天井
 無駄にお金のかかっていそうな飾り天井はこちらにも。



天華園 ケース
 お土産コーナーでもあったような一角。



天華園 ケーブル類
 ゴムの皮膜の中には鉄製の芯。



天華園 景色
 ここからもみえる五重の塔は、天華園のランドマークだった。



天華園 天津甘栗
 天津甘栗の機械があった。栗を煎る大釜。熱と煙を逃がす煙突が、曲がりくねってドアノブの穴へ通っている目から鱗モノのアイデア。でもいかにも後付といった感じ。客単価を少しでも上げようと経営が傾きかけた頃、投入されたに違いない。



天華園 寄り
 中国の天津へ実際に行ったことがある。街中をぶらぶらしていて思ったのはやはり甘栗のこと。『本場で食べなくてどうする・・・』と。でも、中華丼や天津丼などと同様、日本流にアレンジされたり勝手に作られたイメージだろうというのはなんとなくわかっていた。しかし日本人へのみやげ話として、あの天津で「実際に本当の天津甘栗を食べた」という体験談は是非とも欲しいところ。

 少しの期間行動をともにしていた白人男性バックパッカーと天津の街を歩くこと数分、おそらく無いだろうとの予想に反し、以外にも、ものの数分で甘栗の店頭売りの店を発見した。半屋台のような簡素な店だが、注文をすると木製の保温庫の蓋を開けて甘栗をシャベルですくって新聞紙に包んでくれた。日本のと同様、熱々に煎ってある。焙煎機は店の裏にでもあるのだろう。

 白人のバックパッカーに分けてあげようとすると「こういうのは好ではないんだ」と、汚いものを見るようにして拒絶される。欧米のバックパッカーは、食に関しては本当に超保守的である。冒険をしない。東南アジアにおいて現地の最下層クラスの安食堂で、現地人と一緒に食べているのは日本人ぐらいだ。欧米のバックパッカーは、現地の人が見よう見まねでやっている、バックパッカー用安食堂に入り浸りで、ピザやパスタもどきなどばかりを食べている。

 彼等は、香ばしい匂いの甘くてほっこりした甘栗は食べず、ひまわりの種は貪るようにして食う。苦労して剥いた殻の中にほんのちょびっと白くつるっとした種子。確かに甘いけど、労働力の割には量がとても少ない。メジャーリーグのベンチをみてもわかる通り、アメリカ人も大好きだ。大方のヨーロッパ人が食べる姿も実際に確認済み。そして中国人やインド人もこぞって食べる。日本人にはあまりこの食文化は浸透していないようだ。

 インドには路上の店売りの中に「ひまわりの種剥き屋さん」があって、中の白い種がどっさりと入ったパック詰めを、欧米のバックパッカーが我も我もと買い求めていた。老婆が勿論手作業でやっていたのが、商いとして成り立つのかと思うほどの激安価格である。

 日本にも「甘栗むいちゃいました」という製品があるように、発想は同じなのだろうけど、テカテカ光沢のある白い種のこんもり膨らんだパック詰めの裏には、インド人最下層労働者の報われているようでそうではない、苦労があるのかと思うと、ひまわりの種を見るたびに、個人の尽力ではどうするとこもできない無念さがこみ上げてくる。



天華園 pop
 片隅に寂しげにPOPなデザインのスタンド。



天華園 ハンガー
 吊るされたハンガー。焙煎機より立ち昇る熱気で靴下でも乾かしていたのか。乾燥を防ぐために濡れタオルを干していたのか。



天華園 トイレ
 天華園の中で一番豪華なトイレだ。

 大宴会場の探索を終え、紅葉真っ盛りの中華庭園のど真ん中を、男塾名物の直進行軍のごとく、ただひたすらにあのランドマークへ向かって孤独にひとり突き進もうとする廃墟探索者   



つづく…

「水の放出」 廃墟中華テーマパーク『天華園』、そぞろ歩き.6