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 彼女が、15歳の誕生日を機に始めた日記帳。ちなみに、成田空港が開港したのも同時期、この頃。

 誕生日の翌日の記述ということもあり、高揚した気分がまだ収まっていないのが嫌というほど伝わってくる文面になっている。

 
1978.(53.) ,5月某日

ハーイ! いよいよ今日で まだ二日目, へんな書きかたしてしまったね
今日はね.待っちゃんにたん生日プレゼントもらっちまったのよ!ウシシシ・・・。
コーヒーカップなのら.”ファンシー曽が”でかってきたのらよ.(ほうそうし)
均ちゃんは.昨日はたん生日”オメデトウ”なんて言っちゃってくれたのよ!
しかし今日はあまりたいしたことなかったなぁ! ごはんは赤飯だったが
帰って来てからほんのすこし つまんだだけ しかしだ 今日の ☓☓オカズは
肉!ニク!ニク   ! amd レタスなのよ! とっても オイチかったおにく!
またまたBut! 鼻水のよう出ることったいへんだよ.
しからば今日も!  まけるナ! クジケルナ! Let's go Kyoko !!!
   good night !! P:M 11:44分30秒

友達の”待っちゃん”がくれた誕生日プレゼントのコーヒーカップを、特異の洞察力の高さ故なのか、”ファンシー曽が”より購入したであろうことを、誇らしげにわざわざカッコを用いて補足説明までするなどして(ほうそうし)、見事推測してみせた、彼女。

そういえば、ファンシーショップって昔よく見かけたような気がします。でも、キョーコさんが住んでいた家の周囲は、現在、ファンシーどころか、文房具屋や食料品屋、人家さえ見かけることのないような世から隔絶された場所。もしかしたら、当時もそう変わらない状態で、”ファンシー曽が”イコール、『かなりの時間を割いての特別なお買い物』と同意語だったかもしれない。それもあり、最大限の感動を表現しているのかも。



1978(53)5月某日 (☓)(上記の日記の翌日)

ナンチャッテ ・・・・ からはじまったよ。今日は朝から気分が悪かった。
だって起こしてくれなかったのだよ だから頭に気たんだ!
あのくそ 史之舞が とちゅうでおこすものだから ・・・・・ こんなふうになった
私は 7:30分におこせといったのに その前に起こすとはなにごとだ!
   ン 気分が悪いな  !   だからもう書くことないよ!
まだ3日目なのにこ*のきたない字 * もうすこしすれはうまくなるべ・・・べ!
フルートばっかりふいていたっけ11:00すぎになっちまったよ.
ああ わたくちは いつも一人でつまらな    い! どうちようね.
松本*くん 、光くん  あなたは今なにしてますか. 恋人いますか.
いなければうれしいのだけど ・・・・・ だぶんそんなことないなァー
松本君 好き ♡ 今になってもあなたを好き ♡ どうして ?♡
今の私にはあなたがしつようなの.やさしい おおきな手.胸が必要なの
なんちゃって こんなにたくさんかいちゃんだ、 なにやいったい?
へんな日きだね  ア! 今*ね その歌はいってるよ .「小さな日きにつづられた
・・・」なんちゃってさ . もう終わったよ.  もうねむたい. 死にそ!
あしたもちこく 、 ちこく 、ちこく、 ちこく 、 ちこく .
ちこく いや   、 ちこく いや    、 ちこく いや    だ!!
だからもうねる But なんちゃって .
またしても今日も .
   まけるナ! くじケルな!  Let's go !!!

  オヤスミ   いい夢みてね
               P:M 時計があってないからわからん!

名前からは男か女か判別できない「史之舞」という兄弟か姉妹が登場。思春期の女の子の日記には当然書かれるだろう、思いを寄せる男子の存在も。

しばらくは目移りするかのごとく様々な男子の名前が出てくるが、ある時期から、あるきっかけにより、狂気さえ感じられるような、それも、同級生ではない人と、一途な恋愛関係へと、陥っていくことになる。



つづく…

「怒りの発露」 実録、廃屋に残された少女の日記.3 

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