洞爺湖幼稚園 正面
 観光客で溢れていた、第一、第二、展望台付近を気まずそうにして見回り、周囲一帯が閑散としていて殺風景ではあるが、それゆえに自分的には安らぎさえおぼえる、旧とうやこ幼稚園へと戻る。



洞爺湖遺構 遊歩道
 遊歩道は素晴らしく整備されている。貴重な噴火遺構と、地中深くのマグマより熱せられた、猛烈に吹き上がる水蒸気が間際で見られるのだから、数多の観光客が引きも切らず訪れるのも頷けるというものだ。

 こういったらなんだが、たとえシーズン中でも、北海道の観光地は思いのほか人が少ない。毎度のこと行ってみて拍子抜けするほどだ。昨今は中国人が増えたというが、彼等は団体で襲来して、大騒ぎをしながら束の間の見学を済ますとあっという間に去って行く。またたく間に潮が引いたようなその場の静寂感には、都度苦笑いをしてしまう。

 数百人はいただろう、シーズンオフのある峠のお土産売り場では、中国人が一斉に観光バスで移動したと思ったら、その場に取り残されたのは僕たった一人だけ。店員さえ引っ込んでしまっていた。

 ここ最近ではデパートでの爆買い効果が目に見えて減ってきているという。円高傾向のせいだと思うが、円安と韓流ドラマのロケ地巡りのメリットが無くなれば、北海道の観光産業は、中国人が押し寄せる前のように、衰退し続けるしかない運命となるだろう。まあ、これは国内観光産業全体に言えることだが。

 買い物だったら、阿里巴巴でなんでも揃うし、歴史的建造物や大自然だったら、中国国内旅行をすればいい。中国にはまだ未開放の地もたくさんある。

 そのような点からも、ここ西山火口の噴火遺構巡りは、一般的な観光客から廃墟探索趣味を持つような人までを惹きつける魅力、設備が整備されていて、例え中国人が北海道から消えたとしても、国内旅行者需要だけで十分やっていけそうな、道内でも数少ない観光地の一つであるといえる。



洞爺湖幼稚園 清掃センター
 かつての清掃センターの煙突は被災を免れている。



洞爺湖幼稚園 水蒸気脇
 比較対象が違うかもしれないが、別府の地獄めぐりとは一線を画す迫力。



洞爺湖幼稚園 電柱
 埋まった電柱と標識。そこそこの最高速度であることから、結構な大きさの道路だったようだ。
 


洞爺湖幼稚園 スカg
 またこのスカイラインの横を通ったが、先程見逃していたある痕跡を発見する。



洞爺湖幼稚園 直売
 断層の隆起により、数メートルは持ち上がった大豪邸に備え付けの大型ガレージ。

 地面に横たわった、これは農家の人が直売をするのに使う、自動販売機だろう。その横にオフロードバイク用のヘルメット。注目すべきはヘルメットの色彩。自家塗装と思われるサイケデリックな配色は、白地に赤や黄など、70年台のヒッピー文化の臭いを強く感じさせるものだ。

 このヘルメットの持ち主は、ズバリ、豪邸の息子ではなく、主(あるじ)であろうと推測する。

 学生当時、ベトナム戦争に反対を唱え、左翼の運動家として反戦運動に加わる。後にこの地で事業を起こして大成功。順調満帆、大邸宅を構えるまでになるが、2000年の有珠山の噴火により多大の損害を被る。これほどの豪邸ということもあり、わかさいも本舗の創業者という可能性もあり。

 北海道の経済状態をみていると、農家でこの規模の豪邸はなかなか建てられるものではない。なので、わかさいもの社長が、オフロードバイクに乗って山に入り山菜を取り、家の前に設置した自動販売機で売っていた可能性も考えられる。



洞爺湖幼稚園 幼稚園看板
 どうでもいい想像力をめぐらせつつも、やっと戻って来た。



洞爺湖幼稚園 荒れ地
 ここ周辺は立ち入り禁止区域も設けられていることから、先程までの和やかな観光地の雰囲気とは打って変わって、殺伐として、身に危険が及ぶような荒れ地が、廃墟探索者の行く手を阻もうとしている。



洞爺湖幼稚園 ライオン
 強めの警告を受ける、廃墟探索者。



洞爺湖幼稚園 全体
 リア充カップルもいなければ、中国人もここへは寄って来ない   



洞爺湖遺構 幼稚園裏
 死角になっているからなのか、裏側部分に損傷はそれほど見られない。



洞爺湖幼稚園 横穴
 ところが、横へまわってみると、噴石を直撃したりして、損壊が酷い有様。



洞爺湖幼稚園 庭と畑
 とうやこ幼稚園の庭部分。

 鉄製の遊具が得体の知れない力により捻じ曲げられている。



洞爺湖幼稚園 車
 幼稚園の庭には、廃車両がいくつかあった。



洞爺湖幼稚園 ジープ他
 まだナンバーが付けられたままの、三菱ジープ。これも燃費偽装が行われているとみていいが、10万円の補償金はくれそうもない。


 いい加減、しびれを切らした廃墟探索者は、遂に、とうやこ幼稚園へ、滞留するかのごとく、心底馴染んでやろうと、最大限の努力を惜しまずに、舞い踊るようにしながら    ある一つの決断を下すに至った・・・



つづく…

「案内人に招かれて」 廃墟、とうやこ幼稚園と噴火遺構.4

こんな記事も読まれています