新宿集落-5
 新宿の老舗デパート、伊勢丹本店から、徒歩にてそれほどかからないところに、息を殺し隠れるようにして、存在していた、廃屋限界集落。

 その中でも、この家屋は、まるで基点となるような、ランドマーク的な建物のようである。

 この家屋より道が分岐していて、試しに右の砂利道を行くと、手前にはまだ現役のごく普通の一軒家があるが、路地のどん詰まりには、屋根と内庭に伸び放題の草で覆われた、廃アパートがあった。

 そして、この家の左側の、車が通行できないほどの、細い道、歩道を進んでみると、崩れた廃屋や廃墟共同住宅などが、肩を寄せ合うようにして、密集していた。

 折しも、NHKで放送された、「貧困女子高生」報道への過激なバッシングが、いまだ収束をみせる様子がない今、同じ新宿では、貧困叩きに対するデモが、開催されるのだという。

 数万円もする高級イラストペンに、千円を超える豪華ランチを食べ歩く日々、ワンピースグッズ欲しさから、世界でも突出した高額の入場料金をせしめる映画館にて、通うようにして何度も映画を楽しんだ、彼女。

 ちなみに、僕は世界中の映画館で映画を見たが、アメリカでは7ドルぐらいだった。キューバでは、数円ほど。モザンビークでは、野外で家庭用のプロジェクターをフルスクリーンに映し出す方式だったので、バリバリ走査線が目立ち、見れたもんじゃなかったが、それでも観客は拍手喝采。値段は数十円。映画は数十年前のジャッキー・チェンの「酔拳」だった。

 本当の貧困とは、なんなのか?

 廃屋限界集落は、本当に存在するのか? それも、大東京、新宿に・・・

 廃墟探索者が、今、女子高生の貧困騒動を横目に見ながら、貧困叩きデモが行われている同じ新宿において、荒れる貧困問題に警鐘を促すべく、大都会限界集落の、徹底調査を、敢行する   



新宿集落-7
 限界集落の中心とも言うべきこの家屋。横へまわってみる

 本日、三十度を超える真夏日。なのに、窓という窓は、トタンの雨戸で封じられている。

 もし、中に人がいたとしたら、熱中症で死亡は確実なのではないだろうか。



新宿集落-8
 新宿ではバブル期に、方々で地上げが行われたが、この一帯の集落は、いかにして免れたのか。



新宿集落-17
 緑色の布の用途は不明。

 ゴミ屋敷ではもうお馴染み、アルミ合金製の梯子が立て掛けられている。ご丁寧にも、紐で木に固定。

 ゴミ屋敷の場合、一階がゴミで埋め尽くされてしまい、家主が二階から出入りするために、梯子を用いるケースを多々見て来た。

 ゴミ屋敷を経て、廃屋へと成り下がったのか。



新宿集落-10
 生活臭はしなくもみえるが・・・



新宿集落-4
 ”徹底調査”と銘打っているだけに、それこそ、纏わりつくようにして、写真を撮り続けているが、反応は無い。



新宿集落-6
 すだれマニアと言ってもいいぐらいに、家の四方をすだれで囲っている。そのすだれは、どれも崩壊寸前で、相当前から放置されている様子。

 ひとまず、横の砂利道を奥へ進んでみる。



新宿集落-12
 新宿限界集落の一端を担う、廃墟アパートが姿を現した。



新宿集落-13
 その役目を終えてから、だいぶ日は経っているようだ。



新宿集落-14
 一部扉は板で打ち付けられている。蔓は既に屋根を覆い尽くし済み。やがて廃アパート全体へと侵食しようかという勢い。



新宿集落-16
 限界集落のランドマーク家屋に比べれば、そんなに老朽化はしていなくも見えるが、放棄された原因は一体・・・



新宿集落-15
 無情なる鎖で鉄扉は閉ざされていた。踏み込むことは断念する。



新宿集落-11
 再び戻って   

 熟しきって落ちた果実がいくつも転がっている。

 もし家主がいるのなら、これほどの生活を強いられているのだから、臆面もなく、拾って食べそうだが、その様子は見受けられない。



新宿集落-29
 これより    家の敷地には、様々な物品類が転がっていて、それらの検証をより深く行っていく。意外な掘り出し物と多数出くわすことになった。

 卒塔婆に見えたこの板。その場では判読ができなかったが、接写により、後日、判読をし、真の意味を読み解くことに成功。

 いよいよ、左の細い歩道にも踏み出し、新宿限界集落の、全貌が、白日のもとに、詳らかになろうかと、している   
 


つづく…

「新宿限界集落の中枢部へ・・・」 新宿に残された廃屋限界集落.3