偶然にも発見した、新宿廃屋限界集落。その中核に位置する家屋の、砂利道ではない方の、側道側には、庭があり、そこは夥しい廃棄物で埋め尽くされていた。
今でもここが、大都会新宿の中に位置することが信じられないでいるが、かつて僕は、偶然にも、今回と似たような経験を
現在、新海誠監督の長編アニメ映画『君の名は。』が、ジブリ以外のアニメ作品では初の、興行収入100億を突破をし、社会現象にもなっている。僕がその作品を観るかどうかは、一年後ぐらいにWOWOWあたりに落ちて来るのを心待ちにすることにして、ともかく、『君の名は。』の大ヒットを記念して、深夜のBSで、新海誠監督の過去の作品『雲のむこう、約束の場所』が放送されていたので、どんなものなのかと、観てみることにした。
ちなみに、普段からアニメは殆ど観ない。 たまに日本製のアニメを観ても、「なんで実写でやらないのか」と思うぐらい、アニメに関しては冷めた見方をしている。映画は好きだが、人間の一生、時間は有限であり、死ぬまでに観ることのできる作品数はおのずと限られる。だったら、『自分の好きなジャンル、SFとホラーの実写映画に絞って観るべし。あとは誰もが知るような超名作を押さえておけばいいか』と、ある日を境にして、大げさに言えば悟ったわけだったが、昨今の目に余るような、『君の名は。』ブームに圧倒されてしまい、兎にも角にも、新海誠監督の過去作品ぐらいは観ておかねばならないようだと、深夜に、突き動かされた次第だった
『雲のむこう、約束の場所』の大まかな内容としては、現代の生活を送る学生がいて、そこに、戦争だったり、北海道の中央部分に天まで伸びる塔があったりと、SFの要素が若干加えられているような話しだった。
加えて、
『雲のむこう、約束の場所』では、青森に住む主人公の学生が、やがて東京で就職をすることになるが、その彼が、東京の街中を闊歩するシーンで、あの、僕のブログで発表以来好評を博し続けている、”ひろゆきハウス”界隈の、西新宿の廃墟風景が、描き出されていたのを、しかと確認することができた。
ひろゆきハウス
『西新宿のひろゆきハウス』の記事を発表した頃は、僕のブログの閲覧数がまだ日に30ぐらいしかない時で、記事にたいする反響も正直よくわからなかった。最近になって何気なく『廃墟 西新宿』で検索をしてみたところ、なんと、一番上に『仄暗いお散歩 西新宿のひろゆきハウス』の記事が、上り詰めて来てしまっていた。
『ひろゆきハウス』よりのひとコマ。
左にある特徴的なカーパーキングの機器は、まさに、主人公の彼が通った道の証だ。
この写真撮影時には、颯爽と歩く彼の代わりに、ホームレスが寝ていたが。
広大な草原と、森にいるかのような生い茂った木々。その周辺に朽ち果てた多くの廃墟・廃屋が存在。もちろん、名前の由来でもある、元2ちゃんねる管理人、ひろゆき氏のアパートもあった。
アニメでは、ほぼこれと同様のカットが登場していた。さすがに、背後の不法投棄物、さらに後方の違法駐車の屋台リヤカーは取り除かれていたが。
聞けば、新海誠監督がロケハンをする際、自分で何千枚もの写真を撮るというから、作品中に感じられるどこか退廃的な雰囲気は、この”ひろゆきハウス”周辺部の光景から、インスパイアされた可能性もあるのかもしれない。
そういえば、アニメの中の背景はあまり動きが無く、ローアングルの写実的な絵が多かったような気がする。バリアングル及びチルト液晶使いだろうか。
ひろゆきハウス周辺の廃墟群は既に撤去されてしまったが、新宿界隈をさまよいながら、またもや、信じられないような廃屋群と、巡り合うこととなった。
新宿限界集落の中央に位置する、崩壊寸前の家屋の庭は、防水シートで間仕切りされ、そこには、一見してガラクタのような品々が多数、転がっていた。
剝き出しの、ブラウン管の背面。捨てられたのか、ある意図を持って拾われてきたのか。
ここより、車両が通れない歩道になる。
ムシロで囲まれた中核部の家屋の向かいにある白い家は、一見して廃屋のように見えるが、わずかに人の気配が感じられた。ただ、行き届いていない庭の管理や、放置され錆びた自転車、干されたままの日本手拭いなどから考察するに、独り身の老人の可能性が強い。
歩道を進んで行くと・・・
一階の窓は板が打ち付けてあった。蔦に覆われた廃屋だ。
二階の窓はトタンの雨戸で閉じられたまま。庭は勝手に自生した草木で荒れ放題。
ここの集落はこんな廃屋・廃墟ばかりのようだ。一部、老人がひっそりと住んでいるものもあるようだが。
少し進んで
これも、放置され、取り壊されるのを待ち続けているのみの、廃屋か。門と壁は完全に、草木と同化している。
ただ、この廃屋正面には、崩れそうながら、ひと気のある家があった、のだが・・・
井戸に手動の汲み上げ給水ポンプがあった・・・
目と鼻の先では、最先端の4DXシアターで、「シン・ゴジラ」を楽しむ人々がいるというのに、同じ新宿では、年金を切り崩しながら細々と、息を殺すように隠れるようにして、限界集落で耐え忍びながら、前時代的な生活を営んでいる、亡霊のような老人達が存在する
いよいよ、覚悟を決た僕は、例の、ムシロで囲まれた、『新宿限界集落』の代表格ともいえる、あの家屋の、最終調査を行うことにする。
卒塔婆のに書かれた文字を判読し、それを手がかりにして、限界家屋の謎・意外な真実を、突き止めることに成功をする
つづく…
「新宿廃屋限界集落の真実」 新宿に残された廃屋限界集落.4
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