小幌駅 トンネル
 前後をトンネル。左右を山と崖に阻まれた、隔絶され取り残されたかのような狭い空間に存在をするのが、「小幌駅」。



小幌駅 トンネル2
  もう一方の逆側のトンネル。



小幌駅 山側
  山側。

 ジムニーでも登って来るのは無理だろう。 



小幌駅 海側
  廃屋長屋の奥を行った先の崖を下っていくと、そこは入江に囲まれた海。



小幌駅 長屋
  工事労働者の宿泊施設だろうか。一部が板で覆われている。その他のドアも抜け目なく施錠されている。

 役目をとうに終え、後は朽ちるのを待つのみだと思われる建物。

 秘境駅ブームにより、寸前のところで廃駅をまぬがれた”小幌駅”。まだまだ再利用できそうなこの「廃屋長屋」をリフォームし、ゲストハウスとしての活用はできないものかと、ひとりたたずむ寒空の下、淡い願望がため息とともに漏れ出る。

 なんなら、「秘境カフェ」のような喫茶店でもいい。人手なら、ライダーハウスにてまどろんだ眼をした、まるで住人であるかのように居座っている、暇を持て余した人達が、いくらでもいるだろうに。こんなにおいしくて、かつ、行く先々のラーダーハウスで注目の的となりそうなエピソード・トークがたんまりと醸成できそうな内容のお仕事に、彼らならひとつ返事で請け負うはず。

 冬の秘境駅滞在には、是非とも、心身ともに温まる喫茶店が必要なのだと、思い知らされた、今回の訪問   



小幌駅 踏切
 上下線ホームの行き来のために踏切が設置されている。



小幌駅 建物
 廃屋長屋はその見てくれから、かつての宿泊施設だったろうことは容易に想像できる。

 では、



小幌駅 建物2
対面にあるもう一方のこの施設は



小幌駅 建物3
何であるのか。

 小幌駅に滞在中、踏切の警報音がなり出すと僕は、



小幌駅 裏
瞬時に物陰へ”サッ”と身を潜める。

 いい歳のおっさんが、ひとり無人駅でフラフラしているのを、車中より好奇の目で見られたくないためだ。

 列車に乗車をしているのは、ほとんどが秘境駅など知らず興味も無い人ばかり。その人からすれば、まともに停車をする列車もないような無人駅で、しかも冬、ひとり彷徨う成人男性を見掛けたら(車窓より)どう思う。

 余計な気苦労を今以上抱えないためにも、それだったらこれぐらいの手間は惜しみませんよと、僕は通過列車があるたびに、身を隠し続けた。

 やましいことは何ひとつしていないというのに。

 この駅での自殺者もいると聞いていたので、余計な通報をされないためでもある。



小幌駅 踏切2
 列車が通過をし踏切が上がる。訪れる静寂。



小幌駅 施設
 廃屋長屋の向かいにあるもうひとつの建物に最接近をする。のぞき込むべく、汚れた窓に顔を密着させ、腰を曲げてお尻を突き出すこの後ろ姿は、一番見られたくない光景でもある。なので、物音ひとつしないのをしかと確認してから実行。

 中をのぞく。鍵は当然ながら閉められている。



小幌駅 建物3
 手前には流しやガスコンロ。奥に鉄道関係と思われる機械が設置してある。畳の座敷も。

 長屋が宿泊をする場所で、こちらは機械の制御と食堂を兼ねていたらしい。



小幌駅 裏側
 さしたる成果もないようなので、なにかありそうだった建物の裏側へと移動。



小幌駅 コンクリ
 コンクリート設備の残骸があった。

 貯水設備の跡だろうか。



小幌駅 貯水
 全体を見回しても今一何だったのかはよくわからない。鉄のフレームで組まれた屋根で覆われていただろうことは想像できる。



小幌駅 小屋
 仮に生活水のための人工的に作られたコンクリート製の貯水池だったとしたら、これは水源から水を汲み出していたポンプ小屋か。

 我ながら当てずっぽうだが、そのものズバリ的中しているような気もする。



小幌駅 保安
 一つ一つ丹念に探索と検証を虱潰しに終えていった後は、いよいよ   



秘境駅 その先
 小屋の住人へのアプローチを試みる。更に、崖を下っていき海岸へと出て、洞穴に祀られているという観音様とのご対面を果たす。



つづく…

「崖を下る男」 秘境・小幌駅、冬のひとり滞在.3