東中野-3
 当ブログ読者より、「仄暗いお散歩」の熱烈なファンなので是非、会合のようなものを開催してくれと懇願される。

 僕は今までネットの集まりのようなものには参加をしたことがなく、 ましてやホスト側にまわるのは及び腰というか、カリスマ性の欠如であるとか、要するに積極的ではなかった。

 そのような理由を並べながら、その熱心な読者にやんわりと遠回しにお断りのサインをほのめかしてみるも、『今のKailasさんならイケますよ!』 と居ても立ってもいられないといった様子。あとで聞いてみたところ、このブログに”上昇気流”のような勢いを日に日に増しまして感じていたとか。

 確かに、北海道の最果ての地にあった廃屋の中で、少女によって書かれた(1978年~)日記を発掘。それをネット上で連載し、ある一定数の人達からの支持を受けるには成功したかに思える。

 オフ会のようなものを僕が今まで全く考えていなかったといえば嘘になり、日のアクセス数が一万を越えたら考えてみようかなとは思っていた。現在その半分ぐらいの数なので、時期尚早といった感じなのではあるが。

 目標のアクセス数へ道半ばではあるものの、発起人でもある彼の気迫にも押され、取り敢えず第一回の会合を開いてみようかという話しになる。

 集いの趣旨としては、廃墟ブログに相応しいような、郷愁に浸れる昭和系喫茶店にてまず語らいの場を設ける。次に、廃墟施設へ行き撮影会、といったもの。

『喫茶店の予約は何人ぐらいがいいのかな』など、事前準備が多そうで心が折れそうになったが、発起人の”サブ”さんには情報を寄せてもらったり日頃お世話になっていることもあり、読者の生の意見が聞ける貴重な集いでもあるので、早速ブログ記事のコメント欄で募集をかけることにした。

 が、驚くほど食いつきの悪いこと。

 それも無理からぬところがある。まず、僕自身が素性を明かしていないというところが大きい。ブログでは、事故物件の調査を勝手にしたり、廃墟ならまだしも、住宅街の片隅にあるただの空き家のレポートをしたりと、得体の知れない人という、会うには不安感を抱いてしまう人もいるのだろう。

 他にも、例えば、二郎系ラーメン食べ歩きブログをやっている人がいて、そのブログの熱心な読者が、ラードでテカテカと光っていそうなブログ主に、貴重な休日の昼間に時間を割いてまでして逢いたいのか?といった次元と方向性の違う問題もある。

 募集から一週間待ってみてもまったく音沙汰なし。トップ画面に堂々と、参加者募集の記事をエントリーしてもよかったが、それをした場合、そこまでやって誰ひとりも応募者がいなかった時、もう逃げ場がない。言い訳もできないし、僕も発起人も顔が真っ赤になり打ちのめされてしまう。

 結局、第一回の集まりは、二人だけで開催されることになった。

 東中野駅に集合。

 発起人でもある”サブ”さんは、なんと、携帯を持っていない。携帯無しの人との待ち合わせは十数年ぶりだろうか。

 金銭面の問題ではないだろうし、大御所芸能人でもあるまいし、携帯を持たない理由をたずねると、

「ここまできたら、もう、所持をするという選択肢は無いです。このままいきます・・・」とのこと。

 東中野駅から徒歩数分、喫茶「ルーブル」へ。



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 喫茶「ルーブル」のナポリタン。食品サンプルです。精巧にできてますね。

 唯一の出席者であったサブさんには、参加賞として僕からタイ製の「ビンテージTシャツ」が贈られることになった。

 このTシャツは今から十年以上前ににタイの市場で購入をした物。

 当時ブックオフの百円コーナーで買った本に、「アジア雑貨屋さんの仕入れ術」というのがあり、そこには海外でエスニック商品などを仕入れて日本で売るノウハウが書かれていた。

 本気で商売をやるつもりはなかったが、『これならバックパック旅行ついでに小遣いが稼げるな・・・』と実際やってはみたものの、市場で値切るには数百枚という数を買わねばならない。数十枚購入程度ではたいして安くはならず。ライバルが多くてヤフオクで売ろうにも利益確保が難しかった。

 結局、個人では持て余すほどの枚数のTシャツが手許に残ってしまうことに。
 


Tシャツ1
「似合いますか?」と写真を催促するサブさん。

 不良在庫のTシャツのデザインはまちまちだが、全てこれ系統なので自分で着るに着れない。ただということもあるのか、彼は大喜びをしてくれたので、十数年間保管をしておいた苦労が報われることに。

「これ、ディーゼルって、本物ですか?」と聞かれたがそのはずがない。アジア諸国に行ったことがないと『もしや本物?』と思ってしまうのだろう。

 会話の内容としては、廃墟侵入の作法、アクセス一万への傾向と対策、など、熱く活発な意見が飛び交うこととなった。



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 喫茶「ルーブル」を出たところで、店のガラスケース前に鍵。

「写真に撮れば物語性が生まれそうじゃないですか   

 そう言われて創造性を膨らませてみたものの、気の利いたストーリーは何も浮かばず。



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 駅前にある、「ムーン・ロード」という昭和の面影が残る飲み屋街へ案内される。



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 シャンソン・バーなんてまだあるんですね。

 撮影に使用されたらしいですが、松下由樹だけはわかるけど、男性の方が誰だかさっぱり。



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 古い飲み屋が所々取り壊されている。昭和の町並みを守れと保存運動も起こっているとか。

 三日月の形をしたカーブの小道からその名前が来ているそうです。



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 店全面にこのコピーした似顔絵をベタベタと貼りまくるお店が。店のママが浜崎あゆみの熱烈なファンみたいです。

 レターパックライトを再利用。



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 今の中高生は浜崎あゆみや宇多田ヒカルも知らないのでは。浜崎あゆみの全盛期は1990年代頃なので、ここまで彼女にこだわりのあるママさんは、90年代に女子高生ぐらいだったのではと推測。年齢約45歳前後の女店主。



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 共産党のポスター。

「森友学園の件で安倍政権をひっくり返してやるぞ」と息巻く。

 眼力(めじから)が強い。



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 ムーンロードの終わりで空を見上げると、交差する電線に絡みまくって造形をなしている蔦が。鳥の糞公害に悩まされていそうです。



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 次は廃アパートへ。

 途中にあった掲示板に張り出されていた、元フジテレビの女子アナ、カトパンこと加藤綾子のポスター。

 フジの女子アナは退社してから皆パッとしないのはなぜなのか。



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 某国の例の少女像のようにも見えるが、その正体はカラオケスナックの店先にあった着色されたマネキン。

 悲しげな目。



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 実に惜しい物件。店先の自販機が無くて、アルミサッシが本来の木製雨戸や木枠のガラス戸であったなら、「退廃、空き家ファイル」へのエントリーには充分な素材。

「退廃、空き家ファイル」

 住所でいうと北新宿。住宅街のど真ん中にある、数十年前に廃業しと思しき「みそ」屋さん。



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 サキイカがばら撒かれたかのよう。



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 本日、メインの廃墟物件「村石スカイハウス」。廃アパート。

 てっきり僕は、一軒一軒戸別訪問をし、未施錠だったら中も”ご拝見”という算段でいた。それを発起人でもある彼に話すと『とんでもない   』という否定的な態度であった。

 なるほどと。

 AKBやももクロのブログを読んでいるファンは、撮影会、握手会、ライブには行くが、何も自分でステージに立ち歌ったり踊ったりするわけではない。

 同じ廃墟趣味の下に集ったものの、書き手と読み手には行動範囲に大きな差があるのだなということを、図らずも彼から学ばせてもらうことになる。



Tシャツ
 ブログ「仄暗いお散歩」交流会。もう二度と開かれない公算が大きいが、遠い将来、奇跡的にも、日のアクセスが平均的に一万を突破したなら、次の可能性もあるかもしれない。

 その際は、僕からの心ばかりのプレゼント、タイの「ビンテージTシャツ」を無料にて、先着順にプレゼントできたらと思っています。


 
つづく…