小幌駅 洞穴
 駅からの崖を下ってきて、大方の入江周りの探索は終えたので、ようやく、洞穴へと入っていってみる   



小幌駅 説明
 僧円空が安置した仏像。言い伝えでは、修行僧が熊に襲われるが、仏像の後に隠れて難を逃れた。その際、仏像の首は熊に食いちぎられたという。以来、「首なし観音」と言われて来たが、1894年、泉藤兵衛により、首は修復された。



小幌駅 鳥居
 鳥居の後方に、闇がのぞく洞穴があった。

 中学生ぐらいの時に来ていたら、怖くてとてもじゃないが入って行ってやろうとは思わなかっただろう。

 いい歳のおっさんだからこそ、たったひとりでも、人里離れた山の中の廃墟や心霊スポットだろうが、平気で踏み込んでいける。



小幌駅 穴
 某国の人達などによる、仏像泥棒が流行ってますが、ここのは簡素なのでその心配は無さそうです。



小幌駅 像
 首のあたりに修復痕が無いなと思ったものの、僧円空が彫った仏像は、奥の扉の中に安置してあって、祭礼の日に拝めるのでしょうね。



小幌駅 闇
 実際は真っ暗。

 手掘りではなく、自然の洞窟そのままのようです。

 洞窟といえば、「ディセント」という映画ですね。女子大生グループが卒業記念にと、なぜか洞窟探検をすることになるが、潜入したのは、事前にピックアップしてあったガイドブックに掲載されている洞窟ではなく、全く別の未知の洞窟だった。そこで彼女達は、ミュータントのような怪物と遭遇したり、喰われたりいがみ合ったりと、凄惨かつ壮絶な経験をすることになる。

 あまりにも面白い映画なので、まだ観ていないという人がいたなら、これから二本も堪能することができる余地があるということにたいして、羨ましいぐらいに思ってしまうほど。
THE DESCENT [DVD]
シャウナ・マクドナルド

ディセント2 [DVD]
シャウナ・マクドナルド


 北海道の人気のない廃墟などを訪れる時、この「ディセント」やドラマの「LOST」のような経験ができないものかと、つい夢想してしまいまうが、現実はそう甘くはないです。

 飛び込み未踏廃屋ぐらいが、残されたフロンティアかもしれない。



小幌駅 先
 奥へ続いていないものかと、一応確認はしておいたが、そんなことはないようだった。



小幌駅 鳥居が
 無人駅の自己オプショナルツアーで、これだけ楽しめれば、充分か。



小幌駅 眺望
 再度、ベンチに腰を据え、崖下でのやりきった達成感から感傷に浸っていると、何かが向こうから近づいてくるのに気づく・・・



小幌駅 船
 小舟の難破船が流れ着いたのかと思いきや、どうやら人が乗っている様子。船はお世辞にも立派なものとは言えず、かなり汚れていて激しい傷みもそこかしこに見受けられる。

 そうか   、”彼”なのではないかという憶測が芽生える。

 岸に打ち上げられた小舟を修復し、魚を捕まえて食料にでもしているのではないかと。

 そういった考えが頭の中を駆け巡った時、



小幌駅 崖山
 入江を後にして、一目散に逃げるように崖山を駆け上った。

 そうだ、今ならあの主(ぬし)の住む家の中は不在であるから、こっそりじっくり拝見できるのではないかと   



小幌駅 小屋
 おっかなびっくり、怖がって、近寄ることもしなかったが、行ってみようかと決心をする。

 ただ、先ほどの彼と全くの別人だった場合、顔を突き合わせる可能性が出て来るということになる   



つづく…

「秘境小屋の中」 秘境・小幌駅、冬のひとり滞在.6

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