高月城-22
 休日が続くものの、持つものを持たざる身分ゆえ大遠征は難しいけれど、片道の交通費が、どうにか五百円以内で行ける大物案件はないだろうかと、まるで中学生のような懐事情に内心恥らいを感じつつ、果たしてそのような都合の良いおあつらえ向きなまだ見ぬフロンティアがいまだ都下に眠っているものかと、すがる思いで半信半疑ながらも、熟考と取捨選択を重ねていく。

 毎度のようにグーグルマップを眺めながら無駄な時間がいたずらに過ぎていき、目尻の深い皺と、ここのところ急激に眉毛が薄くなってきたことで陰ながら注目していた”風見しんご”が孤軍奮闘中の「噂の東京マガジン」の映像がフラッシュバックのようにチラッ、チラッと見え隠れしてきたその時、僕のブログのメッセージ欄にある一通の連絡が入る。

東京都八王子市に高月城というお城が過去にあり、その跡地のとても近くにラブホテルがあるのですがそこが廃墟となっており、城跡と廃墟を巡れるので是非どうでしょうか?

 八王子ならお手軽に行ける距離であるし、廃墟のラブホだけでなく、廃城も一緒に見学できるのは大変お得感がある。

 調べてみたら、世間の人は廃城である「高月城」にはそこそこの興味を持っているようだが、すぐ近くにあるという廃墟ラブホテルには全くの無関心の様子。廃墟ブログ後発組である僕にも付け入る余地がまだありそうではある。

 これは早速行かなくてはと、即断をすることに   


 情報をお寄せいただいた「はっちゃん」様、ありがとうございました。



高月城-85
 JRの拝島駅から西東京バスのに乗り、「高月」停留場で下車。

 数日前、ビックカメラのクレカ一体型のsuikaをかざして駅の自動改札を通過しようとしたら、警報音が鳴ってしまった。

 オートチャージ機能付きだし、こちらに非があるとは考えられないので、駅員に文句を言うと「お客さん、このクレカ、今月で期限切れですよ!」と、周囲の人に大変恥ずかしい声が響き渡ってしまうことに。

 ビックsuikaのカードはもう何度か更新してもらっていたカードだったが、要は今回は、もうあんたに持たしておいても、ろくに買い物をしないし当方にとってメリットが何ひとつないので、更新拒否させていただきますと、無駄な客と判断されてしまったのだ。

 事実、アマゾンばかりを使用していたということもあり、ビックの実店舗ではここ数年、物を買ったことはなかった。クレカ更新の際の使用歴のことを考慮し、一応ビックの通販を年に二回ぐらいはカードで払ってはいたけれど。

 鉄道の駅やバスに乗る時などに小銭をジャラジャラさせている人に対し、僕はなかば軽蔑の目でみていたところがある。このキャッシュレス社会において、なんて無駄なことをやっているのだろうかと。クレカを持てるような社会的信頼もなく、機械でカードをチャージすることさえ面倒なのですか?時間の無駄ですよ。さっさと僕の前からどいて下さいと。

 ところが今回、suika一体型クレカも無く、スイカのカードも作成しないまま、見ず知らずの土地のバス停留所で、小銭を探してオロオロと、なんともみっともない醜態を晒しながら、下車をするはめになる。中学生らしき男の子ふたりが後部座席に座っていたが、『あのおっさん、おどおどして今どき小銭って!』と、含み笑いをしていたような気も・・・ 天に向かって唾を吐くとはまさしくこのことなのかと、思い知らされた今回の一件。

 たかがクレカやICカード一枚のことで、人の人格まで否定をするようなことは慎むべきだった。昨日僕が嘲笑った他人は今日の自分のことだったのか。これはもう素直に反省するしかない。

 後日、京王のPASMO一体型クレカを慌てて注文をし、現在早速入手をしたところです。



高月城-86
 背に拝島駅。下車した向こう側に、廃ラブホテル「高月城」の看板が。よく見ると、看板は豪邸ともいえるような旧家の敷地内にある。オーナー様だろうか。

 ちなみに、八王子駅からバスに乗ってしまうと、2キロも離れたバス停で降ろされてしまうのでご注意を。



高月城-65
 看板どおりに進むと、歩いて一分もしないうちに、



高月城-64
 左が高月城への入り口。



高月城-67
 道を挟んだ真向かいに廃ラブホテル「高月城」   



高月城-72
 先に廃城の方をみておこうと、ならしてある程度の小道を山の中へと進んで行く。




高月城-73
 若干傾斜のある山道。

 生い茂った木々の中に廃屋のようなものがみえてきた。



高月城-74
 これから先、この看板は至るところにあり、その通りにしていたら一歩も進めなくなる。

 小屋は物置らしい。戸はびくともしない。

 山道から外れて小屋の先の方へと進むと、狭いがある程度の広さのある空間があり、丸太や斧が転がっていた。薪を燃料にしたり、ログハウスの材料にでもしているのか。



高月城-75
 山道へ戻り、深い山の中へ入り込んで行く   



高月城-77
 ロマンがありますね。かつてこの山頂に、お城があったとは。



高月城-78
 十分かそこらで山を登りきると、平地がみえてきて視界がひらける。



高月城-81
 ここが城跡のようですが、現在は畑として使用されているそうです。



高月城-82
 城の痕跡は微塵もない。

 平日だったら、農家の人に挨拶とかをしなければならないのでしょうか。

 廃墟探索で人が来ると隠れてしまう僕のようにシャイな人は、休日に訪れるのがお薦め。



高月城-79
 廃城部分の平地を縦断し、反対側の山道をさらに進むとどうなるのか行ってみることに。

 

高月城-80
 鬱蒼とより緑深い山の中。

 ずんずんと進んだが、道はさらに狭くなり、身動きが取れないほどの藪の中で立ち往生寸前。

 無理して進んでも、これ以上ヒストリック的痕跡が全くみられそうにないことから、退却をすることにした   



高月城-83
 歴史好きの人ならいろいろと妄想が膨らみそうですが、僕にはちょっと辛かったかも。

 山頂に誰もいなければ、お弁当ハイキングには最適かもしれない。



高月城-71
 オーナーと思しき人が浅知恵を働かせ書いた、「警視庁」の文字入り三角コーンが、不届きな侵入者の良心へ楔を打ち込まんと立ちはだかっている。



高月城-63
 門よりさらに高みに鉄条網が張られている。横の隙間も抜け目なく埋められていて、ここのセキュリティーだけをみたら完璧のようだ。

 正面の記念写真だけで我慢をするしかないのか   



つづく…

「廃ホテルの壁越え」 廃城と廃ラブホへの旅.2

こんな記事も読まれています