高月城-43
 放課後の校庭のように広く感じられる廃ラブホテル敷地内。

 男がたったひとり、川岸で遊ぶ親子連れの喧騒になぜか怯えながら、裏庭から建物正面へと回り込む   


 
高月城-44
 正面ゲートから入って来てからの導線はとても良く計算されている様子。



高月城-46
 零細ラブホテルがこんな立派な看板を交付してもらうのに、一体いくら払わされたのか。



高月城-49
 判読不能。ネオン管の寿命は儚い。



高月城-52
 城を名乗ってはいるものの、モスクの屋根部分のシルエットに見える。或いは、男性性器だろうか。

 今の時代なら、コンセプトを明確に絞り、テーマパークのようにしないと、郊外へ人は呼べないだろう。



高月城-45
 対面には、東南アジアの貧民窟にあるような平屋の建物。



高月城-53
 揺るぎない、徹底した管理体制。



高月城-62
 傍らのガレージには餅つきに使用する臼。

 オーナー家族が正月を家族団らんで迎えていた何よりの証拠。



高月城-61
 非常階段下にあったドアを開けてみた。先程の駐車場へと繋がっているだけのドアだった。密閉空間でもないのに、何の意味があるのか。

 建物内への通常の侵入ルートは全て塞がれていた。

 外に剥き出しの鉄製非常階段を登りながら、各階段の非常ドアの施錠チェックを敢行するしかない   



高月城-59
 登るごとに周囲からの視線を受けやすくなるが、もう割り切るしかない。

 二階のドアは固く閉ざされていた。



高月城-57
 崩落したトタン屋根の建物が遠くに見える。

 さらに、上へと   



高月城-56
 素早く腰を捻って急なRでターンを見事に決めると、鉄板と加水分解化が進行しつつあるコンバットシューズのソールが甲高い悲鳴をあげた。



高月城-60
 さらに遠くに見える、トタン屋根。

   いよいよ、最上階へと駆け上がろうとする。



高月城-54
 懐中電灯には長い紐を付けそれを輪にして首に通してある。懐中電灯本体は胸に入れてすぐ取り出せる状態にしてあるので、暗闇対策はもう万全だ。

 かつて白鳥湖ホテルへ潜入した際も、この実に合理的な懐中電灯の装備スタイルにより、地下の暗闇部屋での幾多の障害を無事回避していた。



高月城-58
 最上階から見下ろす。

 半分自然に取り込まれている、オーナー家族が住んでいたと思われる、もう見るも哀れな、家屋。ふと、思う。ここで育った子供は読んでくれているのかと。



高月城-55
 錆に侵食されて底の抜けそうな鉄板の床を進み出て、扉前まで。

 さて、そこには   



高月城-47
 無情にも、全てのドアというドアの鍵は、かけられていたようだった。



高月城-88
 この家が、今もなお、頑なに看板を掲げ続ける理由とは    直接聞けばいいのだろうけど、そこまで関心があるわけでもなし。



高月城-87
 停留所のひと駅ぐらいは歩いてみようと思ったが、この狭い歩道を見て愕然とした。

 横にすこし張り出したカメラバックを擦られて、深刻な交通事故にあいかねないと判断   



高月城-89
 自転車屋など姿形(すがたかたち)もないが、レトロな看板だけは残っている。



高月城-84
 メッセージ欄は一方向の通信手段ながら、有益な情報を寄せてくれる人がいる。今回は、そうやって教えてくれる人がいなかったら、一生気づかずに、見過ごしていたに違いない場所であったのは確かである。

 廃城への上り坂で汗をかき、塀越えでアドレナリンが放出され、建物の幾何学模様に深く頷いた   

 情報提供者のはっちゃんさん、どうもありがとうございました。



おわり…

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