驚いたことに、そこは正確に言えば、廃屋ではなかった
毎度のことながら、都会の街中に眠る、昭和ロマンの息吹を閉じ込めたかのような、まだ見ぬ廃屋を求めて、地元を徘徊していた、気温三十三度を超える、ある夏の日のこと。
郊外や地方に行けば、そんなの(廃屋)ごろごろと転がっているだろうに、なぜおまえは東京の街をあてもなくブラブラとしているのか?と、おっしゃる方がいるかもしれない。
ひとえに、遠征は朝が早くて大変億劫なのと、そうそう出掛けていては出費がバカにならないのと、都会の片隅で黙殺されている、ドラえもんのひみつ道具で言えば「石ころぼうし」をご近所の人から無理やりかぶせられたような、哀愁漂う廃屋に、なぜか僕だけは、ブラックホールに引き寄せられるかごとく、吸い込まれていってしまうからに他ならない。
京王線調布駅の駅前にある「一口茶屋」で買い求めた「かき氷レインボー」がシャッキリ感をまだ残したままの距離に、その広大な敷地はあった。
遭遇した瞬間、普段は何事にも冷静なこの僕が
実は数日前に下見に来ていて、今までの経験や肌感覚により、ここは完全なる空き家であると、勝手な自己内判定を下していたのだ。
よって本日は、満を持しての、廃屋訪問だったはずなのだが、そこでは、予想もしていなかった展開、そして、今や廃屋トップ・ビューリストの僕にだからこそ話してくれた、衝撃の、生活実態が明らかとなる
※この笑顔も眩しい男性の写真は、撮影にご協力していただいた、廃屋?にお住まいのご主人(この記事の主人公でもある)です(筆者ではありません)
問題の家へと行く前に、やっつけておかねばならない廃屋が、何本か向こうの路地に建っていた。
至近距離。
吹き出した夏の緑に全身を覆われ原型を留めないまでになっている。
森の中の忘れられた廃墟のよう。
空は密集する木々により視界を遮られている。
ためらうことなく、そっと、ドアノブに手をかけてみた。
つづく…
「心を開いた、廃屋生き仙人」廃屋生き仙人との友情.2
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コメント
コメント一覧 (27)
ロスコの8ポケットカーゴにコンバットシューズの男だったら、遠慮せずに声を掛けて下さい。間違いなく獲物を物色している時の僕です。テキサスTシャツの場合は、最悪ぶん殴られることもあるので、遠くから見守るだけが吉かと。ちなみに、好きなスーパーは「オザム」で、そこでしか買えない保存食用の餅があるからだと、おっしゃって(生き仙人が)ました。
たぶんですが先々週ぐらいに武蔵境のイトーヨーカドーでお見かけしました。
声掛ければよかった。コアな廃墟ニュースに毎日通勤時に心躍らせています。。
今度は勇気を振り絞って声かけますう~o@(^-^)@o
今でもたまに地元に戻ってきているのでしょうかね?
あの北口は酷いですね。誰も来ないような、しかも微妙にレア物でもない商品ばかりを置いている、個人のおもちゃ屋さんがまだあったりしますから。非常に絵になるので、ずっと続けてもらいたいとは思ってますが。
時々、あの鬼太郎シリーズのフィギュアが盗まれて、全国区のニュースになるのですが、身内が自演で盗んで売名しているのではと密かに思ってます。
>・・・なのに水木の死後、島根に取られましたね
あっちは空港まであるらしいですね。やっぱり死んでしまったからには、これからは出生地が俄然有利になってきそうです。
拾った日記の中の人をまで普段いじりまくる人間が、いざいじられると、冷静さを失うものですね。
>調布はいつの間にか電車が下にもぐったりとなかなか発展目覚ましいようですね
駅前にもうすぐビックカメラやシネマ・コンプレックスが出来ますが、十年遅いよって感じです。イケアやコストコはもう十年待ちなのかなと。
>おそばを食べたりとゲゲゲの目玉おやじの物まねをしたり、柄にもなく孝行してしまいました(照
ある年代の方々は、あそこでやってそうですね。蕎麦屋のうちの一軒はおじがやっているのですが、あまり付き合いがなく、かと言って全くの他人でもないので、いつもあの界隈は早足で逃げるように通り過ぎています。
>「野川の橋の下で泣いていたお前を拾ったんだよ」の話がしみじみ胸に染みます
これって雛形か元ネタでもあるんですかね。僕もよく言われてました。多摩川バージョンでしたが。
>一見廃屋か!と見せかけての住人いるパターン
知り合いになるのは初でしたし、まさかこころよく撮影に応じてくれるとは。これからは、住人シリーズで攻めていきたいと思います。
ペナルティのワッキーは例の戸田先生の学校の後輩のようですね。
深大寺住人時代に商店街(死にきった北口東側)に目玉や一反もめんが展示されました。
・・・なのに水木の死後、島根に取られましたね。
別にいらねーよ!腐っても鯛、のパルコあるし。
(目玉の親父のモノマネって、親孝行し過ぎ!)
調布はいつの間にか電車が下にもぐったりとなかなか発展目覚ましいようですね
一昨年、仙川の母を連れ深大寺植物園行ってバラを見たり、おそばを食べたりと
ゲゲゲの目玉おやじの物まねをしたり、柄にもなく孝行してしまいました(照
幼少のころ聞かされた「野川の橋の下で泣いていたお前を拾ったんだよ」の話が
しみじみ胸に染みます お母さんありがとう
一見廃屋か!と見せかけての住人いるパターン、普通に考えたらちょっと
失礼にあたるかもですが、このうっそうぶりはなかなかですね!
面白そうですね。今度行ったら本人に直接書いてもらおうと思います。
毎度どうもありがとうございます。
>皆さん確信犯ですね。こうなったらkailas様の顔出しするしかないですね(笑)
ここまで弄られるとは思いませんでした。いずれは生き仙人ともっと交流を深め、庭でビールでも飲み交わす写真が公開できたらなと思ってます。
>ところでゴールドマインの場所は大盛で有名なお食事どころでしょうか?
僕は現状をあまり把握していないので、あの方が答えてくれるはずです。
廃墟ブログをやっている管理人が、もしや廃墟に住みがちな住人のような風貌だったのではと、かなりのインパクトを与えたかもしれないです。実像を公開する前には段階を踏んで、まず、愛車のモザイクを解かねばと思ってます。
言われてみれば、無駄がないどころか、苦労が偲ばれる、痩せきった腕をしていますね。その一端が謎の生活を紐解くことで見えてくるかもしれません。
皆さん確信犯ですね。こうなったらkailas様の顔出しするしかないですね(笑)
ところでゴールドマインの場所は大盛で有名なお食事どころでしょうか?
あ、キョーコさん寄りになってしまいましたスミマセン。
感じるのは私だけでしょうか。
続きが楽しみです。
さすがに、冷静に行間を読んでおられますね。
謎の大邸宅に迫る次回にご期待下さい!
この元大邸宅はそちらの方ではないです。お祖父様のご職業をお聞きして、なるほどなぁと。
杉並の廃屋に半袖で行き、両手がゴーヤ状態になってしまいました。夏の廃墟探索にベストの服を熟考した結果、素晴らしい逸品にたどり着いたので、次回の記事中にリンク付きで紹介したいと思います。当然、テキサスTシャツではないです。
僕のカーゴパンツはもう少し綺麗ですよ!
車にモザイクを掛けておいていきなりコレだったら、私生活でよっぽど吹っ切れるようなことがあったんだなと勘ぐられますよね。車のオイルを自分で交換したりと、至って普通です。
早速友情まで芽生えたとは、随分早い展開ですね。
次回を楽しみにしています。
今回はアジアン似非Tシャツは着用していないんですね。あと、いつものコンバットブーツじゃなくてサンダル履きでの廃墟探訪はいささか無謀では!?
説明が足りなかったかもしれません。名誉回復といったらおかしいですが、慌てて、補足文を追加しました。写真の彼は、今回初めて出会った、廃屋(ではなかった)の主(あるじ)です。声を掛けられた時は、心臓が止まるかと思いました。