トロピカル-124
 廃墟ホテル「トロピカル」の四階。

 上手いわけでもなく、なんの自己主張もなさそうな退屈な素人の絵が次から次へと   



トロピカル-125
 仲間同士で記号をつくり、それを理解できない人を遠ざけ、真っ当な評価を下されて傷つくことから逃れようとする。ますます身内の殻に閉じこもる彼ら。



トロピカル-123
 メッセージ性を読み取られると、ネットで晒されて、冷笑されるのがオチだと怖れ、何の生産性も向上心もないままに、内向きへ内向きへと、片手間の一円の価値もないスプレー落書きを、夜な夜な量産する。



トロピカル-126
 昼とはいえ、男ひとり心もとない殺伐とした風景の連続   


トロピカル-128
 開かれたこうもり傘。他の部屋で判明するが、外国からグラフティアーティストがわざわざ来ていたらしい。



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トロピカル-130
 例の部屋だろうか   



トロピカル-131
 ようやく、一部屋をまるごと作品として捉えた、こちらに訴えかけてくるような部屋と遭遇。

 アルゼンチンにある洞窟「クエバ・デ・ラス・マノス」へのオマージュか。



トロピカル-132



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 一部では、本当の血では?なんて書かれていましたが、まぁ、違うと思います。



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トロピカル-147
 なにげに、「6」が三つ合わさったキャラ。僕が指摘してあげなかったら、誰も触れることなく、このホテルは取り壊されていたことでしょう。



トロピカル-136
 


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 バスルームと部屋の仕切りは曇りガラス。



トロピカル-138
 全部、左手のような。

 右手に塗料がなみなみと入った缶を持ち、左手をそれにぶっ込み、朱印手形を乱れ打ちして行く。



トロピカル-140
 他の部屋にも言えることだが、ひとりで仕上げているとしたら、そのモチベーションはどこから来るのかと聞いてみたい。



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 今までの部屋と異質な発狂度。



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 洗面化粧台へも容赦ない。



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 上の方はいかもに『ジャンプしました』って感じに。



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 部屋の入口付近では左手ばかりだったものの、やっているうちに気分が高揚してきたのか、間に合わなくてじれったくなったか、後半はブーストのかかったエドモンド本田のようなノリで両手で”ダダダダダダダッ”と連打、叩きまくっていた様子が見て取れる。

 まだまだ「血紋の部屋」を丹念に探索をし、できることならトロピカルの屋上まで行って、崎陽軒の大看板を拝むのを最終の目的として定めることにする   




つづく…

「血しぶきぬり絵」血紋だらけの廃墟ラブホに行って来たよ.6

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