六本木-141
 虎ノ門の廃墟集落は、ほぼ全ての集落が奈落の底のような低い土地に肩を寄り添うようにして密集している。それを嘲笑うかのように見下ろし取り囲むアークヒルズの近未来的なビル郡。

 廃集落から坂を登って行くと、まるで貧民街から抜け出すのを防いでいるかのような壁、廃墟マンションが立ち塞がっていた。



六本木-142
 マンションにまだ精気は漂っている風だったので、まさか廃墟ではないだろうと思いつつ、でも、人の気配は全くなく、廃屋認識法として僕の中で確立された感のある、ポストの投函口確認をしてみたところ、その全てが密閉されていた。

 疑う余地のない、これはもう完全に、廃墟マンション。

 エレベーターも、階段も、後付けの蓋がしてある。

 この大層な高級マンションのエントランス部分、そして駐車場を気ままにうろつくのは、僕ひとりだけ。



六本木-139
 マンションの住人達の置き土産とも言うべき、今となっては不法残置物が自転車置場付近に山を築いていた。

 北海道の山の中の廃屋と違い、さぞかし捨てるには忍びないだろうお宝があるのではと心ときめいたが、ざっと見た感じ、フリマで客寄せの100円BOXの餌にもならないようなガラクタばかり。

 それでもまだマシなのは、琴欧洲の湯飲み茶碗か。小さくてかさばらないしまだ使えそうなのに、わざわざ捨てなくてもとは思うが。



六本木-140
 スターバックスの多分手作りコースター。

 絵付けに雑な部分があるが、素人にしては高い完成度を誇っている。



六本木-144
 廃墟マンションの横には、こちらももぬけの殻、旧六本木住宅。

 フェンスで囲われていて侵入はできない。場所が場所なら、恥じらいもなくよじ登って行くところだが、真横はサウジアラビアの大使館。ゲート入り口では警察官が立哨にて警備中。迂闊なことはできない。



六本木-145
 老朽化の兆候はそこそこ見られるが、森ビルの一大プロジェクトが無かったなら、まだまだこの建物もこの先数十年は使われていたことだろう。



六本木-146
 あと数カ月で取り壊しとは惜しいですね。



六本木-147
 もうハトぐらいしかいません。



六本木-148
 谷底の廃墟集落から地上に上がり、外縁を周遊してみることにした。

 六本木の大通りに今時堂々と違法駐車をして、駐禁切符をとられている外交官ナンバーのセダン。治外法権を振りかざして、違反金を払わなかったりするのでしょうか。



六本木-150
 外縁部分は大都会六本木そのものの光景なので特に何もなく。再び、坂を下ってなぜか心休まる、廃墟集落へと   



六本木-149
 上級市民ばかりが住む天上界から、まるで下界へと降りていくその道すがらには、宗教法人「霊友会」の厳かな「霊友会釈迦殿」。

 ほんの数メートル先には、スラム同然の虎ノ門廃墟集落があるというのに、この格差はなんなのだろうか。



六本木-152
 集落一帯に復帰するとすぐ、こんな建物が目に飛び込んでくる。



六本木-153
 こっちも。



六本木-154
 テレビメディアは言論統制されているのか、この奇っ怪な数十年も都会のど真ん中に放置され続けるゴーストタウン   



六本木-151
 また細い路地の先を行ってみる。



六本木-155
 布団などが捨てられていて、玄関の前には傘。

 玄関には何やら掲示がしてあるので、人はいないはずだが・・・



六本木-175
 


六本木-157
 釜めしの容器、空の平型プラ容器など。

 横浜の廃ラブホテルにもあった、傘を使った芸術家による作品かなとも思った。



六本木-156
ここの場所は前にお世話を
してた人が許可をもらって餌場に
したのです。その人が外国に行った
ので私達がそのあとを引き受けて
ボランティアでお世話をしてるのです
ここの猫達は手術済みです。
耳をVカットしてるのがその証拠なの
です。一代限りの命です。せめてそれを
人間がお世話をしてるのにその事が
気に入らないとでもおっしゃるのですか。
人間だけが生きてる訳ではないでしょう
共存共栄すると言うことで嫌い
でしたらほっといて下さい
もう少し緩い気持ちになって下さい。

港区動物と共存共栄
する会


 
 近いうちに消滅しようかとしている廃墟街にも、いろいろ問題が勃発していたようです。



六本木-158
 さらに奥へ歩いて行くと、空を覆い尽くす木々により薄暗い中にフェンスで守られた建物。

 奥が本宅で、手前は元商店のようにも見える。正面の上部分の妙な隙間には、看板でもかかっていたのではないかと。



六本木-160
 中で家干しでもしているような影があるが、当然ながら、人の姿はもうないはず。



六本木-159
 隣には廃アパート。



六本木-161
 廃墟コミュニティーで飼われているらしいネコは、このアパートの玄関先だったようだ。



六本木-162
 日の当たらない森にいるようだなと思っていたら、元商店だか診療所だかのすぐ背後には、山があり、階段で上へ行けるようになっていた。

 港区に山?と怪訝に思いながら、その上に何があるのか全く想像もつかなかったが、薄暗くて視界不良で階段を時折見失って踏み外したりしながらも、急峻な階段をこわごわと、一段一段、登って行ってみることに   




つづく…

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