白鳥湖遊園地-67
 苫小牧では名の知れた実業家による、潰えた夢の跡、湖の畔(ほとり)に眠る、いや、本人は湖と主張して客を呼び込みたかったようだが、どう見てもこれは沼。地図上では「丹治沼」。

 自己所有の沼を切り開き、まずは構想の第一段階として、ホテルを建設する。

 隣のウトナイ湖にどうしても一般客は奪われることから、「白鳥湖ホテル」では、社員の研修旅行を客層のメインに置いていたらしいことが、以前の入念な探索にて判明した。

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 が、それだけでは、到底、あの収容人数を誇るホテルを維持するのは難しかったのだろう。

 時代はバブル経済を迎え、旅行客の好みが海外のリゾート地にまで多様化するなか、オーナーは決断を下す。企業の団体客ばかりに頼っていては、この先、ホテル経営が行き詰まるのは明らかだ、と。

 湖の周囲に遊園地を作って、遊園地目当てに来る客の何割かを、ホテルに誘導できやしないか   

 白鳥湖ホテルの残留物から、時間の経過と廃墟化を照らし合わし推察したところでは、すでにバブルの頃は、相当ホテルの経営が悪化していたらしいことがわかっている。

 追い込まれたオーナーが、底をつきそうな予算の中でやりくりをし、客を呼び込もうと、涙ぐましく、手作りで製作したのではと思われる、微妙なアトラクションの数々・・・・・・ その名も「白鳥湖遊園地」・・・

 今は亡きオーナーの叶わなかった夢の跡を、地元に多大なる貢献をした功績を称えながら駆け巡り、未来に、その尽力した成果を残してあげられないかと、今回、公開に踏み切ることにした   



白鳥湖遊園地-1
 沼か、湖なのか。今となってはどうでもいい問題。

 例によって、北の大地の空の下、雄大なパノラマを独り占めしていると、小屋のようなものが見えてくる。



白鳥湖遊園地-2
 事業に失敗したからといって、この眺望を、たったひとりの男に独占させておく北海道という観光地の行く末が、心配でならない。関東だったら、平日でも人でごった返しているはず。



白鳥湖遊園地-4
 トイレを指し示す看板のためだけに存在し続ける小屋。



白鳥湖遊園地-5
 園内全てに統一された手作り感。



白鳥湖遊園地-6
 のぞいてみたが、もう、ここからして、やる気が感じられない。鹿でも入り込んで荒らされようが、そのままにしてある。



白鳥湖遊園地-3
 間延びし過ぎていて、アトラクションの少なさを露呈してしまっているというか、実際、追いついていないんだと思う。



白鳥湖遊園地-7
 記念撮影スポットとして、オーナー自ら筆をふるったのでしょう。

 これはこのままにして欲しいが、今はどうなっていることやら   



白鳥湖遊園地-8
 流しも完備。



テニス-9
 イレギュラーバウンドの多そうな、テニス場。



白鳥湖遊園地-10
 生涯の総プレイ人数は、数人程度じゃないですかね。



白鳥湖遊園地-16
 無駄に景色が良すぎる。

 別のアプローチの仕方があったのにと、悔やまれてならない。



白鳥湖遊園地-11
 バーベキュー場。

 廃墟か現役か、訪問時でもよくわからなかった。



白鳥湖遊園地-12
 青、黄、赤、で統一された配色。



白鳥湖遊園地-13
 どう見てもオジサンがひとりでやっているような遊園地だが、例えばこのボートに乗る場合、客は遠くにいるオジサンに声を張ってわざわざ呼んでから、料金を払って乗船していたのだろうか。



白鳥湖遊園地-14
 施設要員は、多くても夫の趣味につきあわされている妻のお婆さんぐらいだったと推測する。



白鳥湖遊園地-15
 こういった施設が生きながらえられる寛容さが、今の閉塞感のある世の中に必要なことかもしれません。



白鳥湖遊園地-17
 地元の多摩川の河川敷を散歩しているような景色が続いたが、ようやく、遊園地らしいアトラクションが見えてきた。



白鳥湖遊園地-19
 手作り風といっても、数千万円はかかっていそう。



白鳥湖遊園地-35
 よく読むと、「バツテング」との表記。バッティングセンターも無い苫小牧で、孫の喜ぶ顔が見たいと、今は亡きお爺さんが見よう見まねで頑張って作った、この看板、これらのアトラクションに対して、露骨に笑うことは控えようという気に、柄にもなく、思ってしまった   

 が、お爺さんの頭の中を放出したようなパラレルワールドは、まだまだ、白鳥湖の湖畔全体を覆っているようなのだった・・・・・・




つづく…

「大往生オーナー、失われた遊園地」幻の沼を覆う、倒錯した遊園地.2

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