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 道内の廃墟巡りと、ついでに古いおもちゃ屋さんを巡っての、日々を過ごすなかで、今では、白昼夢だったのではと、薄らいだ面影を先鋭化させようと試みるが、その場所の詳細は頭の中に甦ってこず、なので特定もできず、幻影だったのではとさえ、思えてくるが、実際、写真はこのように存在しているので、僕が訪れたのは間違いのない事実。朧気ながら、記憶は僅かに残っている。



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 旅のメモは極力しないようにしている。頭では豊富にイメージを取り込んだつもりでも、その場で言葉に閉じ込めてしまうことで、後で振り返ってみた時に、メモをした言葉以上の経験を思い返せないような気がしてならないからだ。言葉は行動を限定し、行間に滲み見えるエピソードを、時がたつほどに、見逃してしまいがちなことがままある、僕の場合。

 地名などの情報は、このように画像に残しておけば問題無いし、経験した情景は、写真に撮って残しておくことで、画像から自分の記憶と、感性を頼りに変換されたあの日の記憶は、時として、実体験以上の豊かな言葉に彩られ置き換えられることさえもある・・・と思いながらも、その実、撮影現場ではテンパっていて、悠長にメモをしたりする暇はなかったりする。

 錆びた地図によると、ここは北見枝幸らしい   



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 名前は「一級食堂」。入ってはいないが、味わいのある建物なので、パチリと一枚、というふうに、撮ったはずだ・・・

 すっかり忘れているので、調べてみると、稚内にも同名の店があったが、北見枝幸にも見事にあった。写真からして、これは北見枝幸の「一級食堂」に違いない。



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 錆びた地図のあった食堂だが、これもまた古い。屋根の妻の中が露出し、裸の板がのぞく。



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 北見枝幸の写真から約一時間、得体の知れない、カーディーラーを発見する。

 ここを訪問した記憶は強くあるが、場所はさっぱり覚えていない。写真のデータにより、北見枝幸から一時間経過しているということを、今、知ったぐらいである。

 店先の車両は全て事故車。看板の字体は剥がれ落ち過ぎ。居住スペースと思われる二階の窓は開いたまま。廃墟か判断しかねる。

 店先に車を駐車して、”わさわさ”僕が動こうが、建物内からは物音一つ聞こえてこない。

 こんな物件が次から次へとあらわれるのも、北海道の魅力の一つなのである。



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 三菱の元ディーラーのようなのだが、展示してある車をのぞいてみると、驚いたことに、真っ赤なトヨタ「パブリカ」のオープンカー。

 三菱自動車の不祥事により、ディーラーが廃業に追い込まれ、中古車屋を始めたのだろうか。

 赤のパブリカは、車マニアのオーナーのコレクションで、飾ってあるのか。

 それにしては、窓もビンテージカーであるパブリカも、長期による汚れが目立つ。脇にあるのは、子供の三輪車なのだが、仮面ライダーのサイクロン号の三輪車だ。今時の子供は、貴重なこの三輪車で遊ぶはずがない。

 売出し当時からずっと置いたまま?・・・まさか・・・。

 廃屋を沿道に追い求めるうちに、タイムスリップをしてしまったのでは?という錯覚に、一瞬、陥ったような気がした   



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   パブリカの時代から時間が止まったままなのか、いや、道路脇にある三菱の看板を見た感じでは、そこまで古くは無さそうだが、店内の壁を見て驚愕する。



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 三菱スタリオンといえば、北米名「コンクエスト」。ジャッキー・チェンが、ハリウッド映画「キャノンボール」で、マイケル・ホイと乗っていた車。1981年の映画である。

 隣のパジェロのポスターは、初期型ではないだろうか。



・・・・・・時流の乱れた元三菱ディーラーから、さらに、丸一日後、ここもまた、番地写真を記録していないので、場所が不明、というか、失念している   



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 ようこそ、北海道へ。様々な廃屋を取り揃えております。どうぞ御覧ください・・・・・・とでも言いたげな、玄関が半開きの廃屋との出逢い   
 
 揺らぎミシミシ言う階段をそっと踏みしめながら、二階へ行くと、そこの部屋では、節操が無く、おニャン子クラブから正統派アイドルまで、80年代女性アイドルの全てがいるんじゃないかと思われる、夥しい数のアイドルポスターが貼られた、アイドルマニアの部屋が現れた。

 そうか、80年代に青春を迎えていた、中高生がかつてそこに住んでいて、やがて、何かしらの事情で、ここを後にしたのだなと、当然、そう推察するところなのだが、まぁ、内部の酷い黒カビや崩れ具合も、大方、そんなところであった。

 が、比較的綺麗な広末涼子のカレンダーには、「2002年」の印字。

 もしや、おニャン子から広末の二十年間、引きこもりだったのではないかという、疑いも出てきたようなのであった   
 



つづく…

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