田浦-1
 生粋の廃墟マニアといったわけでもない、その手の情報にさほど精通しているでもない僕が、この廃村を知ることになったきっかけは、二年ぐらい前のあるネット記事を見たことによってであった。

 ぼんやりとYahooニュースを眺めていると、トップ記事に「都心から行ける廃村~」というような異質な記事があることに違和感を抱いた。

 先日行ったラーメン屋の廃墟のように、遺体が発見されたとか、殺人事件があったならともかく、わざわざYahooのトップに持って来てあったその廃村のニュースは、イマイチ突っ込み度の足りない、横須賀に現存する廃村の今を伝えるだけのただの紹介記事ににすぎなかった。

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 読み終わって、へ!?でっ、ていう・・・ 何かそこで起きたから、Yahooニュースのトップにしたんじゃないの?

 事件性もないのに、唐突に怪しいことこの上ない。

 これは何かの商売が絡んでいるか、タイアップ記事かなんかに違いないだろうと睨み、Yahooで「廃村」というキーワードを入れて、検索をしてみた。多くの人が、その記事を読み、そうするであろうことを。

 裏で暗躍している人の思惑通りの行動をしてしまい、悔しくもあったが。

 すると、検索結果には、読んだその記事が一番上にあり、その下が、「板野友美主演、廃村を舞台にしたホラー映画~」なる、清々しいまでのドンピシャの映画紹介記事が出てきた。あぁ、そういうことねと。

 その時点で映画公開一週間目。世間では全く話題になっておらず、ホラー映画好きの僕さえ知らなかったほど。ネットの声を拾ってみても、評価も興行収入も散々の様子。だからテコ入れのために記事が必要だっとと言えそうだが。

 今その映画の名前で検索をしてみると、「テレビCMが怖すぎて放送禁止、Web限定公開中」という当時のネットニュースがあった。いやいや、売れないアイドルを主演に置いた低予算映画が、テレビのスポットCMを大量に流せるわけもなく、そんなのは、売れすぎて生産中止のサントリーのジュースと同じような、プロモーション戦術の一環に決まっている。

 廃村を紹介するニュースも、ホリプロがお金を払い、記事を書かせて、Yahooニュースのトップに、これもお金を払って、載っけてもらったということ。

 記事を読んで廃村が気になった人、どうか映画館に足を運んでね、という、どの程度効果があるのかないのか、気が遠くなりそうなぐらいの、浸透効果を狙ったプロモーションである。

 僕は後にその映画をCSで鑑賞したが、まぁ、板野友美の演技が酷かった。ホラー映画には絶叫シーンが多いので、演技力が無くても粗が目立たずそこそこ務まるために、アイドル崩れの人が主演を努める場合が多い。

 板野友美は、「キャーー」と叫ぶシーンでさえ棒読み。しかも視線が始終泳いでいて、まるでカメラ横の奥を常に見つめているような不安定な  叫ぶだけなのに、カンペを読んでいるように見えてしまう  視線の定まらなさが気になってしょうがなかった。

 一定のホラー映画ファンがいるので、手堅いヒットが期待出来、大手芸能事務所はよくホラー映画を製作する。歌手路線が絶望的な落ちぶれたその事務所所属のアイドルが、女優路線に活路を見出すべく、主役に抜擢されるケースが多い。脇役は、その落ちぶれた主演以下の、不良債権のような元アイドル達が総動員される。板野友美とバーターの元アイドル達などは、その典型的なパターン。

 起用される監督は実力派が多いものの、雇われ監督のため、金を出す芸能事務所の勿論言いなりであり、配役も都合の良いストーリー改変も押し付けられるがまま。制約の厳しい中、精一杯出来る範囲の中でやっている努力は窺えるが。近年のJホラーはそのような悪しき構造が金属疲労をこじらせてしまっており、駄作ばかりが連発され、ブームも客足も、あの一時期の活況はどこに行ったのだ、というぐらいに低迷してしまっているのは残念でならない。



田浦-230
 虫の知らせがあったと言うべきか、なぜに今になってこの廃村を訪ねる気になったのか。自分でもよくわからない。

 JR横須賀線の「田浦駅」から徒歩で十五分ほど。

 この先の廃村集落は袋小路になっているので、一般の車両はこの踏切より先には行けないようだ。

 田浦と言えば、元モーニング娘。の「石川梨華」の実家があることでも知られる。

 このすぐ手前の閑散とした古い町並みの住宅街に、その中では目を引くような立派な石川と名前の付くマンションがあったので、もしや、そこが実家なのではと思ったが、さらに周囲を見回すと、石川姓の商店や店舗などが多くあり、田浦ではめずらしくないどころか、特に多い姓のようであった。

 それにしても、元AKBの板野友美といい、元モーニング娘。の石川梨華、いや、それらのアイドルグループのOGの全ては、パッとしない。

 篠田麻里子なんかは、あれほどマリコ様マリコ様とAKB現役時代に男女のファンに人気があって、アイドルがモデルを兼業をするという先駆けでもあったのに、今じゃ、先日BSを観たら、老人にしか需要のない水戸黄門のお色気担当で、なんとか踏みとどまっているという、体たらくの場末感に、彼女の全盛期のAKBを一時応援していただけに、悲しくて涙が出そうになってしまった。AKBの辞め際に、ファッションブランド失敗で味噌をつけたのがそもそもの原因なのか、こうも転げ落ちるように、やすやすと落ちぶれてしまうものなのかと。

 アイドルとは下駄を履かして貰っている身分なので、脱アイドルをしてアイドルの肩書きが外れると、そう可愛くもなく、演技は出来ない、歌は下手、となるから、何も取り柄がない。一気に輝きを失ってしまい、良くて地味な舞台女優として延命を図るぐらいしか道が残されていないのである。

 アイドルグループ時代のファンは、アイドルでなくなった彼女には興味がないという、薄情さというか、アイドルのファンなのだから、当然なのか。

 川栄李奈が唯一の成功例みたいなことが最近言われているが、CMのブッキングや、ドラマの脇役なんていうのは、事務所の営業努力の賜物でしかない。剛力や武井咲、橋本環奈のように、実態人気が無いのを見ても分かる通り。

 川栄は今は事務所が最強のお膳立てをして、リアルファンが喰い付くのを待っている状態。まぁ、大成しないでしょう。剛力のように、IT社長を捕まえて、現実世界での勝ち逃げをするのが、精々といったところだ。



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 踏切を渡ると、真っ直ぐが廃村集落、左に行くと、恐ろしげな看板を掲げる、田浦発電所があった。

 当初から恵まれた住環境ではなかったようだ。



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 行く前は、なるべく他人のものは読まないようにしているが、全くないと言えば、嘘になるというわけで、多少は場所の確認程度に軽く読んではいたのだが、でもそれらはどれも十年前ぐらいのもので、これは・・・どうやら何か様子が違っている   


※この記事は、田浦の廃村の歴史を後世に伝えるために作成されたものです。現地への訪問を推奨するものではありません。


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 こういうところも、廃村化と関係しているのか。



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 たった今、時空の境界線を突き破ったような気が。

 ここからは、かれこれ数十年間、時の止まった空間が山裾にひろがっているはず   



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 胸騒ぎが・・・



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 成長期のお子さんには大層悪そうな、強力な電磁波が出ていそう。

 発電所の横の細い田舎道を、肩をすぼめる様に通り、かつての村民は往来をしていた。

 さぞかし苦痛を強いられたことだろう。



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 旧国鉄の看板。

 現JRの電気を発電しているようです。



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 まさかの、取り壊しが、始まっていた   

 地元から始発で来たので、まだ朝の8時前。作業員は来ていない様子。



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 一番手前の家。

 一気にやらずに、表の壁だけを崩しているのは、手法かなにかだろうか。



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 少年の部屋らしい。



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 外へ晒される、勉強机。自分のかつて住んでいた家の当時のままの勉強机が、このようにされていたら、気が気じゃなくて身悶えしてしまうに違いない。

 チラリと、映画「ガンダム」のパンフレットがあった。



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 「なめんなよ」ネコのトランプ。僕の近所にあったパチ物ばかり仕入れていたお婆さんがやってた文房具屋には、波動砲の穴の所が無い「宇宙戦艦ヤマト」の偽物プラモと並んで、「なめんきよ」というネコの、免許証が売っていたのを、廃墟にてなめんなよの思い出の品を見つけるたびに、回顧してしまう。

 これも堂々と「なめんなよ」の表記が無いので、非ライセンス品だと思われる。



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「漫画 ユートピア」 

キミの中に今夜こそきめてやる

 右は、中森明菜をイメージして描いたのでしょう。

 思春期の少年のようなので、性に興味津々だったことは、誰にも責められないどころか、実に彼は多岐に渡る性癖があったことが、後に証明されることになる。

 現存する廃屋ままだ結構残されていた。一番奥のジャングル化した山中には、比較的状態の良い廃屋がいくつかあり、取り壊される寸前に、なんとか、思い出の記録を、可能な限り、撮り尽くすことに成功した   




つづく…

「発掘、廃村少年の小説」廃村に行ったら取り壊し直前だった件.2

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