廃墟ラーメン屋-1
 遺体の発見されたラーメン屋の廃墟を求めて、埼玉県の春日部まで遠路はるばるやって来た。

 ここまで来て、踏み入れられずに、外側から眺めるだけだったら、前の歩道でもんどり打ってのたうち回るところだったが、そう締め付けはきつくなく、黄色い規制線も見かけず、あっさりと店内に入店することができた。



廃墟ラーメン屋-2
 工場の廃液に浸したような、胡椒瓶にポスター。天井も油染みだらけ。今も生き残っているどさん子の店舗と同じく、お世辞にも当時でも清潔感は無かったことだろう。



廃墟ラーメン屋-4
 お亡くなりになられた方が廃墟の店内でひとり寂しく、愛読していた漫画雑誌だろうか。

 遺体発見のニュースは、他殺ということではなく、あくまでも死体発見を知らせるニュースであったので、おそらく、ここに住み着いていたホームレスが、病気かなにかで、孤独死されたのではないかと思う。

 その場所は、スペース的に、カウンター内ではなかろうかと、身を乗り出して確認してみたが、雑然と整然と散らばる細々とした残留物から察するに、その気配は無いように思われた。



廃墟ラーメン屋-5
日本ふかし話

 こんなマンガでも、全国に千人ぐらいの愛読者はいたのでしょう。


※「日本ふかし話」は月刊ジャンプに掲載されていましたが、作者病気のために12話で休載。その後、作者は復帰することなく、26歳の若さでお亡くなりになったとのことです。単行本は、10話分を収録した一巻のみが発行。残った2話は単行本未収録ということで、もしかしたら、これが・・・なんてこともあるのかも。ご指摘いただきました、2T様、ありがとうございました。



廃墟ラーメン屋-9
 回転椅子が意図的であるかのように、揃って外側に向いていたので、もしや、棒が横たわるように、二脚に跨って遺体があった(置かれていた?)とも考えたが、椅子の座面に積もった砂埃に乱れが無いため、その可能性は低そうだ。

 座面から死体を動かしたなら、砂絵のように、座面の砂埃には擦過に伴う複数の線が描かれるはず。

 では、ガラスの破片が散らばった床の上かなと。いや、跡がないのでそれも違う。

 一歩一歩、あらゆる可能性を検証しながら、慎重に歩を進めてゆく   



廃墟ラーメン屋-10
 成仏しきれない霊が彷徨うような絶望的な廃墟ラーメン屋にも、その昔、ソフトクリームを頬張る、活発な子供の姿が見られたというのだがら、時の流れはあまりにも残酷だ。

 チェーンのラーメン屋でソフトクリームというのは珍しいが、子供連れの家族を取り込もうと、ここのオーナーの独自の戦略があったのかもしれない。どさん子は縛りがきつくなく、各店オリジナルのメニューを好きなようにオーナーの裁量で出していると聞く。



廃墟ラーメン屋-11
 雄叫びをあげるシーサーの楊枝入れだろうか。



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 彼が最後に開いただろうページがそのままにしてある。

 老衰か、病気か、自死であったのか   



廃墟ラーメン屋-13



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 ジェームス三木の不倫がワイドショーを賑わしていた頃の週刊女性。興味が無さすぎて、覚えてないですが。

 桜田淳子は、つい最近、復活だとニュースになっていたが、いまだ統一教会の信者のようなので、テレビ仕事は無理でしょう。



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 このような紙が、なぜか店内の床に。



廃墟ラーメン屋-12
 店内は、カウンター席と、奥には座敷。

 店周囲の緑は、生えるがままにまかせ、姿と記憶を永遠に封じ込めようとしているかのようだ。



廃墟ラーメン屋-19



廃墟ラーメン屋-18
 ありました。例の、ペリカンのマークが。

 ペリカンの口はどんぶりになっていて、旺盛な食欲を表し、もっとどさん子で食事をしてもらいたいという意味が込められているとか。デザインをしたのは、アメリカ人の女性デザイナー。40年以上も前にどさん子がニューヨークに進出をしたことがあり、その時に向こうで作られ、日本でも採用されたようです。



廃墟ラーメン屋-20
 ある椅子の座面をよく見ると・・・



廃墟ラーメン屋-24
 足跡があり、その上には、



廃墟ラーメン屋-14
 突起物のような形の電球。

 椅子を踏み台にして、カウンターに乗っかり、電球にロープを括って・・・ などという、想像力がはたらいてしまった。重みの加わったロープにより、電球の一部が破損したのかと。



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 このいわくつきの物件の解体を一応模索している模様。



廃墟ラーメン屋-22
 現場は、ここじゃないかと見当をつけていたが、これぞという物証はない。



廃墟ラーメン屋-23



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 手頃な位置に塩の瓶があった。油がこびりついておらず、やけに新しい。コンビニで廃棄された白飯やおにぎりに、この塩を振って食べていたのか。

 背後にはトイレ。その前の床には、敷布団、大量の布類、服、タオル、などが敷き詰められていた。寝床と見て間違いない。どうやら、生活空間が、この一角にあったらしい。

 店内で一番死角になる場所であり、冬なら寒風を避けられる場所でもある。布団の上か、あるいは、自ら命を絶った場合は、寝床から這い出てすぐのトイレの中しかないのではないだろうかと思い、ある程度の確信を抱きつつ、ドアノブに恐る恐る、手をかけてみた   




つづく…

「絶命者の敷き布団」遺体の発見された廃墟ラーメン屋に行って来たよ.3

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