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 過剰とも思えるバリケードが築かれていたが、それらを乗り越えて、トンネルの内部に潜っていった。



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 小人になって、蛇の体内に入り込んでしまったようなような錯覚に囚われる。

 だとすると、あのずっと先の光はケツの穴ではないかと思えるぐらい、出口は、縮尺比で、茫洋として気が遠くなるぐらいの彼方にあるように思われた。



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 途中から壁面はすべすべと滑らかなタイルではなく、荒々しい波打つ波頭のような掘削痕に変わってゆく。



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 内部崩壊を起こしているのだろうか。それとも、未完成のトンネルであったのか。

 トンネルは一応開通した。客の子供が鋭利な岩の切っ先にに触れても怪我をしないように、コンクリートのタイルで壁面を覆った。しかしそれは入り口手前付近だけであり、奥は手つかず、砕片や瓦礫など、掘削した直後のまま残されるに至ったと。



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 僕の浅薄な推察は   映画「ゾンビ」の冒頭でライフルで打たれたゾンビの頭部がまるで石膏がパコーンと豪快に四散して砕け散ったように   見事に打ち砕かれたようなのであった。

 手摺を見て欲しい。

 内壁が崩落し、鉄パイプに損傷を与え手摺が凸凹に変形したようだ。

 いや、でも、滑り止め防止の為に、このようにグニャリとした手摺を見たことがある。真っ直ぐの手摺だと、ツーッと、手が滑ってしまうのを防止するために。



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 内部崩落が起きていたことは、間違い無かった。

 岩塊が備え付けのゴミ箱にすっぽりとシュートされている。

 それにしても、よく倒れなかったものだ。

 ということは、今この瞬間にも、僕の頭上から岩が崩れ落ちて降ってきてもおかしくないということである。



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 非常に危険な状態だ。

 ここで生き埋めになったら、下手をしたら、数ヶ月間は発見されないだろう。

 今でさえ、バカな身寄りの無い廃墟マニアがここに埋まっていないとは完全には言い切れない。

『無謀、廃墟ブログの管理人、瓦礫の下敷きに』

 こんな新聞の見出しが踊るのだろうか。

 親や親戚を悲しませてはならない。

 最悪の事態になる前に、早々に引き返すことにした。

 勿論、一旦反対側に出てから折り返した。



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 周遊ルートに復帰。

 営業当時と変わらないようなゴミ一つ落ちていない清冽な小川の水流のように蛇行してたゆたう周遊道路にパーム椰子の木立が、どんぶらこと、僕をもっと奥へ招き流れ寄せてゆく。



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 下りの階段が出現。



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 つづら折りの階段を下ってゆく。



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 草叢との密接な戯れ合い。

 全身、茨に羊歯に屑だらけになるのを覚悟。帰りの電車で、両隣に人がしばらく座ってこようとしないのには、もう馴れた。



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 幾千の、親子連れが、ここを登り降りしたのかと、しゃがみ込んで、遠い昔に想いを馳せる。
 


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 地平線まで青い海が僕をお出迎え。



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 海に面した、何やら、特別な場所であるようだ。

 オットセイのショーでもやっていた、ステージなのだろうか    




つづく…

「房総のデッドプール」落日の廃墟、行川アイランドに行って来たよ!.6

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