行川アイランド-202-89
 潮風香る海辺近くの高台からは、これまた一段と手の込んだグラフィティがいくつか望めた。

 オットセイが芸をしていた、ステージかなんかなんて思っていたが、よくよく観察をすると、残ったコンクリートには階段の跡などもあり、再開発のために上モノを処理して、一番やっかいそうな基礎のコンクリート部分を残すのみ、となっていたのかもしれない。

 計画は一度は白紙撤回。潮風の侵食により朽ちていくコンクリートのキャンバス。彼らが腕を競ったと。

 ここ数日、当ブログの行川アイランド関連の記事が示し合わせたかのように動いていた。「行川アイランド」で検索をすると僕の行川アイランド関連の記事がWikipediaの次に来るのだから大変有り難い話である。

 ちなみに定番ワード「廃墟」で検索をすると、数ヶ月前までは僕のブログは並み居る商業サイトを抑えつけて上から二番目あたりにつけていたのだ。ただ、去年の後半あたりにグーグルの検索アルゴリズムが大幅に変更されたらしく、状況は一変。美味しいワードで検索をして上位に来るサイトはGoogleにお金を払っている商業利用のサイトばかりになってしまい、ショバ代を払えない僕のささやかな個人ブログなど、「廃墟」という文字で検索をしても二ページ以降にさえ顔を出さなくなってしまったのである。いきなり、松濤の美術館でやっていた廃墟絵画展  僕も行って学芸員の眠たい話まで聴いて来たけれども  の特設ページが割り込んで来るかのように顔を出す、やはり、無料個人乞食には厳しい時代になって来ているようだ。最近少しづつ盛り返してはきたというものの。一見個人サイトにみえて上位にいる人は、まぁ、そういうことなのだろう。個人サイトの華やかなりし頃の元締め一大勢力でもあったあのジオシティーズがサービス終了となるのだから、平成から令和になるにあたって、時代の流れに僕も僕のブログも飲み込まれていってしまうということなのかもしれない。

 こと行川アイランドに関しては、ぱっと見回しても、テレビやヤフーのニュースでは取り上げられていない模様。街ブラ番組でも特集が組まれている様子はなかった。

 おそらく、千葉ローカルの新聞かテレビ番組で、行川アイランド再建の動向を伝えるニュースが報じられたものだと思われる。

 忍び寄る再開発工事の影、その直前の姿を余すところなく、どころか、テレビや雑誌なども伝えられないこんなところまでかい、というような場所まで入り込んでいるので、この記事の有用性が増々高まってきていると言えるのではないだろうか   



行川アイランド-199-88
 下へ降りる階段さえ取り壊されてしまっている。つまり彼らはここから飛び降りて描いたのだ。

 降りるのはまだ簡単かもしれないが、カメラ用具などを背負って登るのは大変そう。

 降りて得られるものは、絵を近くで見られるということぐらい。



行川アイランド-198-87
 遠目から眺めるだけで満足することにした。



行川アイランド-204-91
 再び、寂しい周遊路を男が孤独に歩いて行く。誰もいないのに、隠れたくなるのはなぜなのか。



行川アイランド-205-92
 鳥のエサやり塔?



行川アイランド-206-93
 もわっと立ち込める草いきれ。むんむんする輻射熱。喉の粘膜さえ乾ききるような苛烈な太陽光が肌を焦がす。



行川アイランド-207-94
 中途半端に残っている。



行川アイランド-208-95
 撤去の基準は曖昧。



行川アイランド-209-96
 孔雀でもいたのだろうか。柵の中は空。この広大な園内に僕ひとり。

 貴重な体験をしているという自覚はあまりない。



行川アイランド-211-97
 人工的な水流らしきものも干上がったまま。



行川アイランド-212-98
 草木を避けるために蛇行をしながら傾斜のきつい階段を昇ってゆく。



行川アイランド-214-99
 周遊路を外れた山肌にまたこんな道ですらない縁に申し訳程度の手摺が。

 ここを登っていかなければ、他と何が違うのか、という追い詰められているような強迫観念がまた自分の中に頭をもたげてくる。

 結局、まだ見ぬ景色を見たい、いや、見せたいのだと、自ずと気づくと足は急峻な山道を登っていた。

 徒労に終わるであろうことは目に見えていたというのに。



行川アイランド-215-100
 ここにチャレンジした人、三人ぐらいじゃないだろうか。道がこなれていない。



行川アイランド-216-101
 やっぱり崖の突端。藪から顔を出すのが精一杯。海は澄みきっていた。



行川アイランド-220-102
 途中にはこんなバオバブの木のような倒木も。

 下まで降りて周遊路に復帰。



行川アイランド-223-104
 新興宗教のエンブレムみたいなのが山頂に。

 コメント欄で教えてもらった在りし日の行川アイランドの動画ではこの横に何かあったような。



行川アイランド-225-105
 周遊路を少し歩くと、鼻腔がフガフガしそうな汚い池に滑り台。

 元プールだろうか。



行川アイランド-221-103
 たかだか十数年前、ここで親子連れが声をあげてプールではしゃいでいたんですね。



行川アイランド-229-107
 低視聴率で喘いでいるマンネリ番組「池の水全部抜く」、こいう池をやってみれば面白いのでは。



行川アイランド-231-108
 元プール施設の階段に腰を下ろして遅い昼食のカロリーメイトをいただく。

 奥の海側にはまだほぼ完全な姿で形をとどめている屋根付きの大型施設が見られるようだった   




つづく…

「息苦しい管理事務所」落日の廃墟、行川アイランドに行って来たよ!.7

こんな記事も読まれています