物言わぬ、蓄音機。
照らすことのない、電灯。
Tシャツのほつれさえ縫えない、ミシン。
家族の途絶えた廃屋の底で、今も尚、語り続ける、性風俗雑誌。
言葉の持つ無尽蔵の力強さに、深く頷き、頁を掴む指先を強張らせる、僕
非処女はサイズ不足の不満を訴える セックス・ドクター 増田先生
ご住職、新婚で性知識が浅かったのか、こんな記事を読み込んでいたのだろうか。ちょうど手で持つ位置に度重なる使用感からくるよれが残されていた。
コンドームは若い娘の指で作られる
コンドームの製造工場にはセクシュアルな異臭が漂っているという、記者の妄想で書かれたような記事。
週刊実話系でさえ、昔は、こんなにも回りくどいエロ記事しか許されなかったのだろうか。
かと思えば、自殺の名所「東尋坊」の絵葉書。
ご住職一家、そのつもりで行ったが、崖の上で思いとどまったとか。
帰りは気分も晴れやかに、土産に絵葉書でもと、これを買い求めた。
詳細は語りはしないが、大まかな概要は指し示してくれるのである。
5組の夫婦が体験したヴァン・デ・ヴェルデの体位実験報告
大真面目な実験結果だが、厳しい規制の中、こんなもので読者の性的欲求を満たそうとしていたのかと思うと、編集者の苦労が偲ばれるというもの。
無修正動画が氾濫している現代からすると、たわいない記事が並ぶ。それゆえ、読み手の想像力に委ねられていたと言えるだろう。当時も今も夫婦ですることは同じなのだから。
頁がうまく固定出来なかったので、畳の上に落ちていた霊具膳のお供え用のお椀で固定。
薄暗い廃墟の一室で大の男がたったひとり、お供え用のお椀で大昔のエロ本の頁を固定している姿に、一体俺は何をやっているのかと、情けなくなりひりつくような乾いた笑いが喉元より込み上げてくるが、全てをお伝えするのがお前の使命ではないのかと、そう自分に諭すと、僕は止めていた手を再び動かし、無心にシャッターを押し続けることに専念したのです
隙間だらけの廃屋ゆえ、一陣の風が吹き抜けていった。粉吹き芋のように火照った顔を一瞬だけクールダウンさせてくれた。
熱海 キャバレーのあるホテル ウロコヤ
キャバレーが併設されたホテル「ウロコヤ」だそうだ。
とてもじゃないが、子連れでは行けない場所だろう。勿論、夫婦でも。
神仏に仕える身の寺の住職とは思えないような煩悩満ち満ちた残留物ばかりに飽きれ言葉を失う、僕
奥をさらに掘り探り進めると、一冊の青い表紙の写真アルバムが出てきた。
重厚な表紙をめくってみると
つづく…
こんな記事も読まれています
コメント
コメント一覧 (16)
昭和の昔、少年時代に原っぱに棄てられたエロ本の中に、SMスナイパーなる、少年にとってはあまりに過激な性描写を映した衝撃的な雑誌。そこに、劇画調な漫画と官能小説を併せたかのようなストーリー掲載に、エロ坊主キャラが寺で様々なプレイに没頭するというような内容でしたが、まさにそれを連想させるような住職だったのでしょうか(笑)
修行時代の禁欲、抑欲の末に性欲が弾けたかのような遺留品…(笑)
これは面白いです。
カイラス
がしました
たどり着いて来ました。東国新四国八十八
ヶ所霊場巡りとして吉祥寺のいきさつが
あって中に入れないと知っておりました。
どうすれば境内に入れますか?八十八ヶ所
霊場巡りとして参拝したいです。宜しく
お願い致します。
昭和40年以前は誰でもそうでした。
レトロで懐かしいです。子供頃夫婦の
夜営み雑誌を見た事がありました。
私の子供頃は子供たちがいても平気で
ヌードエロ本が置いたのは当たり前な
時代だった。厄介なのは汲み取りトイレ
に置かれたですよ。トイレへ行くのを嫌気
でした。
カイラス
がしました
昔のエロ本の数々に笑いが止まらなく、何よりお寺の住職の方がこんなのを見ていたとはびっくりです。やはり住職でも普通の男なのですね。面白すぎて旦那を読んできて一緒にブログを読ませました。いつも、「カイラスさんの読んでるよー」って言っても、そうかってだけでなのに今回のお椀で押さえたページには珍しく立ち上がって画面を見に来て笑っていました。楽しい時間を過ごせてありがとうございます。
休日にカイラスさんのブログを読む時間が最高のひとときなんです☆
カイラス
がしました
カイラス
がしました
雑誌、声に出して読みたいくらいくだらない話がたくさん書かれていて逆に余すところなく読みたいくらいです。
コンドーム娘のよろこびとかなしみ。笑
ご住職も今頃、天国で両手で顔を覆って赤面悶絶間違いなしです。
次回も楽しみにしています。
カイラス
がしました
子供心に拾って読んで(それなりのゴミの匂いはしました)興奮したものです。
逆に今、このような情報を見ているとかえって新鮮な気がします。
お供え用のお椀。朽ちてもまだ使い道はありましたね。
カイラス
がしました
カイラス
がしました
お供え用のお椀で、エロ本のページをおさえている図、、、笑いのツボにはまり、静寂な森の中に私の笑い声が一瞬響き渡りました。
住職も男ですからねぇ。
時を越えて、公になるとは思っていなかったのでしょうね。
カイラス
がしました