人知れず廃屋に戻り、未来の自分宛に手紙を出し続ける妹のあゆみちゃん。

『忘れていませんか? 思い出していますか? 努力していますか?』

廃屋の中は、昨夜晩御飯を食べたような跡がそのまま残されていた。

カイラスが時の狭間より拾い上げた、一冊の写真アルバム。

長男の一也君の生まれてから小学校六年生までの成長を記録した、一生もののかけがえのないアルバムである。

一也君のアルバムを胸に”ひし”と抱きしめ、砂埃まみれの黒ずんだ畳の目を五分ほど微動だにせずじっと見つめ続けた、孤高の探索者、カイラス...


こんな記事も読まれています