ローヤル-117
 廃墟ホテル「ローヤル」最上階の中華レストラン内に大量に放置されていた裏ビデオの山という山。

 多くのビデオがマスターテープであったことから、ダビング工場として使われていたのか、処理に困った兼業をしていた関係者が置いていったものか、今となっては知る由もないが、内容を確かめてみたいな、という想いに駆られながらも、振り切って、屋上への階段を静かに上り始めていった僕であった   



ローヤル-140
 客が来ないような階段の壁までもピンク色に塗られている。

 バブリーだったのでしょう。



ローヤル-138
 同じように、人が来ないような壁に敢えて落書きをする強度の自己承認欲求を持つ人。

 それを撮影して喜んでいる僕も僕。



ローヤル-150
 更に階段を上る。



ローヤル-151
 機械室か。

 エレベーターのワイヤーを巻き上げる機械だろうか。



ローヤル-153
 日立製。

 何千万円したか知らないが、もう動かすことは出来ないでしょう。

 えげつない不良債権。

 相模湖湖畔に立ち尽くすしかないはこれを見ても明らか。



ローヤル-152
 ホテル稼働時は秩序が保たれていた場所。



ローヤル-154
 廃墟でこういう機械に出くわすたびに、内心ドキドキしながらつまみとかを弄り回しているが、やはり、何の反応も無かった。



ローヤル-155
 普段は鉄柵で囲んで立ち入れなかった場所であったらしい。



ローヤル-147
 ようやく、屋上へと到達。

 湖畔の対岸側から勇壮な立ち姿の「ローヤル」を眺め見た時は、よもや自分がこの屋上に立つ日が来ようとは想像もしなかったが、いざ来てしまうと実にあっけない。



ローヤル-145
 怪しげなどんぶりが二個並んでいる。



ローヤル-146
 ホテルが営業をしていた頃、ベッドメイキングをしていたおばさんパートの人らが、猫を飼っていた模様。

 見た目真新しいので、ここに今も住み着いているホームレスがやっているのかもと一瞬思ったが、ここのセキュリティのことを考えるとそれはないだろう。



ローヤル-143
 貯水槽。



ローヤル-144
 映画「仄暗い水の底から」ではこの中に死体があったが、例え今ここに入っていたとしても、下手すりゃ発見は半世紀後ぐらいで、犯人は逃げ切って大往生した後。

 そんなことを言えば、どこの廃墟も同じことであり、きりがないが   



ローヤル-156
 弁当持参で訪れたい場所です。



ローヤル-142
 従業員にとって憩いの場だった様子。

 周囲に店など何もないから休み時間はここに来て景色を見渡すぐらいしかやることがなかった。



ローヤル-158
 慎重に中を調べてみたが、特に珍しいものは発見できず。



ローヤル-149
 手抜き感は微塵もなく、お金を潤沢にかけた施設であろうことが察せられる。



ローヤル-157
 山側の景色もまた素晴らしいの一言。



ローヤル-148



ローヤル-141
 


ローヤル-159
 達成感を体の隅々まで染み渡らせた僕は静かに階段を降り始めた。



ローヤル-160



ローヤル-38



ローヤル-161



ローヤル-162
 真夜中に起きて台所の冷蔵庫の扉を少しだけ開けたような怪しい光が漏れていた。

 その付近だけエメラルドグリーンに染まっていた。



ローヤル-163
 なんだ、大丈夫じゃないかと、安心しきって、それに近寄って行く。

 それから少しのこと、鼓膜が張り裂けんばかりの大音響が館内に鳴り響く。

 やってもーたなという気持ちもあったが、半ば予想されていたことでもあった。

 やらずに済ませることができたならそれが一番であったのは言うまでもない。

 渋谷の松濤の住宅街、麻生さんの近所、とあるメガバンクの頭取の私邸警備をやったことのある僕だから知っていたが、都内だと約20分、相模原のこんな田舎だとその倍以上はかかるであろうことを熟知していた僕は、そう慌てることもなく、それでも意図せず鼓動を早めながら、氷上を滑るような早歩きでラブホテル「ローヤル」を背にして遠ざかって行ったのだ。

 その音は外にまで漏れ渡っていたが、前の道路を行き交う車のドライバーを振りむかせるほどではなかった。

 それから。

 ローヤルへの砦は前を通るたびに頑強になっていき、シリーズ冒頭ではスカスカ加減を揶揄するために「文字通り虫一匹通る隙間無し」とネタ的に皮肉を言っていたものが、現状ではその通りになってしまっている。


 善良なる市民の皆さんは、対岸からその異様な姿を拝むだけにしておくのが、良いのではないだろううか   



おわり…

なお、カイラスチャンネルの動画版も御座います...

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