仄暗いお散歩

廃墟、廃屋、空き家、所有者不明土地~残留物調査&探索記ブログ

カテゴリ:関東

 眼力で燃やそうと試みているんじゃないかというぐらい、母屋の前の枯れ草を長いこと見つめていたSさんは、観念をしたのか、同意であるものの、半ば強制的に同行を仕向けられているような二階への探索に向うべく、しぶしぶながらも、ついにその重い腰を上げることになった。 ...





 倒木をすり抜けた際に木とこ擦れてジャケットに付いた木くずを僕が手で振り払っていると、もう待っていられないとばかりに、牧場に放たれた仔山羊のように、交互に高く上がる膝は腰上以上、フルパワーで元気一杯、踊り跳ねるようにして、ローヤル正面前の広場へと猛然と駆 ...

 選択をしたのかもしれない、最後の場所、どさん子ラーメン店の化粧室。 行き場を失った彼にとって、ここが最適の場所であるように思われた。 遊びで来る奴らが、一番奥まったトイレまでは、そう覗いてみようとは思わないだろうと考えられるからだ。 本人も、できれば、 ...

 もう敷地内の大抵の物件は見終わり、残すところは、正門と接する月極駐車場付近にある、損傷の度合いが激しい建物群だけになった。 なぜそれらを最後に残してあったかと言うと、入船の正門は現在当然ながら塞がれているとはいえ、駐車場利用客が正門の横からちょっと首を ...

 横須賀市田浦の住宅街のはずれ、左折をすると畑と、田舎のあぜ道のような一本の道。やがてJRの踏切が見えてくる。線路を渡ると、そこはもう、息の詰まるような、奥に吸い込まれて行きそうな、あきらかに今来た景色と違う重い密度の空間が広がっている。これは何かが違うな ...

 途切れることのない、隣家からの薪割りの音が、なぜか懐かしく感じられる。 久しぶりに聞いたような、その安定した等間隔の脈打つような手慣れた力のこもった熟練者による、斧を寡黙に振り下ろす、鼓膜を弾くように響く、渇いた、カッツシーンという、破砕音    これ ...

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