仄暗いお散歩

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カテゴリ:昭和の栄華、廃墟ドライブイン『かどや』の夢

 洞爺湖を見下ろす、山間の国道230号線、北海道らしい長い直線でついついアクセルを踏み込み気味に、車を颯爽と走らせていると、廃墟徘徊者の視界に飛び込んで来たのは  遠目でもわかる、色はくすみ、所々が損壊気味、なんとか建物の体を保っている  廃墟ドライブインの ...





 建物周りをもう少し、周遊してみる。 紅白に色分けされたアーチ状の庇。その下の大きなガラスの窓には、オーナーより選ばれし絵心のある従業員によるものだろうか、ジャガイモを擬人化した手書きのイラストが描かれていた。素人然としたものだが、かなりの力作だ。 カウ ...

 入り口ドアに貼られていた、「のらくろ」のステッカー。「のらくろ」は田河水泡による戦前に描かれたかなり古い漫画だが、このステッカーの作風は一見して現代的に見受けられるし、キャラクターを使用している会社も「日本交通公社」ではなくてJTBになっている。 ちょと調 ...

 そこには、洞爺湖の美しい風景を庭の一部として内包し耽美さを追い求めた、今では寂しげな佇まいの、ガーデンテラスがあった。 ボール電球に柔らかな光が灯る頃、人々は洞爺湖の水面に怪しく照らし出された月明かりに見入る。 ”かどや”の名前に反して、店頭オブジェは ...

 カウンター内には、開け放たれたままの空の金庫、同じく缶のクッキーの入れ物などが、そのままに。 外に捨ててあったおもちゃや雛人形などの痕跡からすると、仲睦まじい親と子の温かい家庭環境がその時点では存在していたのではないかとも思われたが、この乱雑で余裕の感 ...

 首を宣告され、酔いどれ酩酊状態になった従業員達が、荒れまくって部屋中の物という物を手当たり次第に投げ散らかした・・・かのような・・・としか思えない光景が数十年間放置されたままにあった。 まるで脱ぎたてで、人の熱さえまだこもっていそうなグレーのスラックス ...

 衛生観念の著しく低い厨房の裏付近にあった業務用冷蔵庫のドア。 北の国からでは五郎さんが純に向かって「ここ(富良野)での冷蔵庫は物を冷やすのではなくて、凍らせないようにするためのものなのです(シリーズ初期では父と子がお互い敬語)」と、東京とは全く違う北海 ...

 宴会場とおぼしき地下の大空間。すでに金目の物は盗られたか撤去でもされている。残っているのは再利用価値のなさそうなガラクタばかり。 ガス設備まで完備。 個人の客には上の階で定食や揚げたてポテトなどを食べてもらう。団体客には地下の宴会場にて、目の前でジュー ...

 昭和に退行する館内巡りもようやく終わりに近づいてきた。思い出の取りこぼしはこれ以上無かろうかと、来た道を細心の注意を払いながら戻っていく。 床に突っ伏したままの団体客用名前表示板。 倒されたのは、昭和か平成か。外から侵入をした草が枯れ果て、その上に表示 ...

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