仄暗いお散歩

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カテゴリ:小説、少女が残した日記『交錯のMEMORY』

 廃墟ドライブイン「かどや」の小説を発表し、波風もたちそうにない、静かなる反響を引き起こしかけた”彼”が、適度な冷却期間を置いた後、満を持して、更なる作品へと、ペンをとることになる。【読んでおきたい】小説、ドライブイン「かどや」の活路 思えば僕は、日記を ...





「金城さんの本当の名前は、菊田達也。・・・つまり"小さいお兄ちゃん"ですね・・。」 白河の言葉に、サブが思わず椅子を引いて立ち上がりかけた。 金城は一瞬あっけにとられて白河の顔をまじまじと覗き込んだが、やがてふっとため息をつくと、すぐに先刻からの悲しげな笑 ...

「おじょうちゃん、今、なんて!?何隊長だって!?」そう訊いたサブの声は興奮にかすれていた。 朽ちかけた日記に幾度となく足跡を残したキョーコの実姉しのまい。その名が40年の時を経て幼子の口から、しかも生身の人間の名として告げられたことに、白河もサブも戦慄に ...

   キョーコの実姉しのまい。しのまい隊長。名字は菊田。行間辺で牛ぽいをしていてた菊田家の遠縁である。その名が40年の時を経て幼子の口から語られた。しかし・・・・・・「失踪?」 金城が思わず叫んだ。いつも冷静な白河も思わず椅子を引いて立ち上がる。「ええ・・。子 ...

 失踪したしのまいとの、あの日の会話を、彼女は僅かな記憶を手繰り寄せ、訥々(とつとつ)と語りだした・・・・・・「・・何か思い出したでゴワスか???」金城が訊く。 母親は思わず出した叫びに赤面しながら、小さな声で続けた。「ごめんなさい、大きな声を出して。つまらな ...

   母親がかつて、しのまいから伝え聞いた「妹は、もう三角ちゃんだから、帰ってこない・・・」の本当の意味とは。妹は当然キョーコさんのことであるとして、では、一体、「三角ちゃん」とは・・・・・・ 並木駅から国道を超えて住宅街に入り込んだ細い路地、JAの出張所を左手に ...

 その場の雰囲気を取り繕うかのように白河が言った。「そうだ、金山さんのほかに宮脇さんとか山角さんとのお名前も出てくるんですが。」「宮ちゃんはなあ・・早かったよ、成人して直ぐに事故でなくなったよ。早かった・・」 金山はグラスを拭く手を止めて、ため息と一緒に ...

 白河たちは金山の店を後にして薄暗い通りを並木駅へ向かって歩いた。路地の街頭は雑草に浸食された古い町並みを寒々しく照らしていた。「・・すると“妹は、もう三角ちゃんだから”という言葉の意味は・・。」 俯いたサブの問いに白河が答えた。「ええ、姉は今では山角家 ...

 仙台空港に到着したのが翌日の夕方。大事をとって踏査はさらに翌朝6月1日に持ち越すことにした。 午前9時半、白河とサブは仙台駅前のビジネスホテルからタクシーに乗り込み、勾当台公園へと向かった。[登場人物] キョーコ(菊田京子):道東の廃屋に40年前の日記を残 ...

   「妹は山角」・・しかし、山角を知る老女は、彼がキョーコの思い出を胸に独身を貫き通しているのだとしのまいの言葉を否定した。しのまいの真意は一体!?・・その時、白河の携帯電話が鈍いバイブ音を響かせた・・。[登場人物]キョーコ(菊田京子):道東の廃屋に40年 ...

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