先日、あてもなくLightroomというソフトをただひたすらにいじくっている時に、一通のメールを受け取る。 廃墟について調べる中で貴ブログに出会い、お一人で撮影をされているKailas様の精神力と魅力的な写真に衝撃を受けました グーグルストリートビューを見ている時 ...
カテゴリ:廃墟、家族崩壊のお宿
「残留思念と階段」廃墟、家族崩壊のお宿.2
無造作に何かしらの理由でそのまま放置されていった残留物の中には、現在は相撲部屋の女将さんとして活躍する元アイドル高田みづえのシングルレコードもあった。ちなみに、旦那は元大関の若島津。 シングルレコード「潮騒のメロディー」は1979年8月25日発売。パッと目につ ...
「御主人の輝き」廃墟、家族崩壊のお宿.3
謎につつまれた「峠のお宿」の歴史を紐解くために、震えが止まらない人差し指と親指で頁を一つ一つつまみ、パタ、パタと、適度な風圧に頬を撫でられながら、ゆっくりとめくってゆく。 山間の寂しい土地に、一軒家を建設している写真。 ある一時期まではお宿の経営が上手 ...
「世捨人の逝き様」廃墟、家族崩壊のお宿.4
砕片の下から次から次へと、僕の手により、助け出されるように顔を出す、和香子ちゃんの眩しいばかりの肖像。 その天真爛漫な、天使のような笑顔とは対照的な、足元の残酷な現実に僕は思わず、「和香ちゃんは、二階に逃げ込んでじっと息を潜め、隠れているのではないか・・・ ...
「山の上の不法滞在者」廃墟、家族崩壊のお宿.5
バーンアウトして、冷えて固まった溶岩のようになってしまったベッド、それを、出火当時、血なまこになり、必死に消しただろう、奮闘後の消化器が横たわっていた。 焼身自殺だったら、自ら消そうとするだろうか。 いや、吹き出る黒い煙を見て駆けつけた、別の離れに住ん ...
「ご主人嘆きの肉筆」廃墟、家族崩壊のお宿.6
山頂付近にあった雷による甚大な被害を被り、損壊の激しかった離れ小屋から、多少下った場所、行為中の声がギリ届かないぐらいの適度な距離にひっそりと建つ、またもう一つの離れ部屋に、入ってみることに ご主人が苦心の末、新たに考案した特製スタミナラーメンが ...
「姉弟部屋への危路」廃墟、家族崩壊のお宿.7
お宿の裏手、覆い被さるように取り囲むその鬱蒼とした山のほぼ山頂までの離れ小屋探索の全てをやり遂げ、山を下って来た。 腓腹部の痺れを同行人にこぼすことなく、自らの裡に押し留める。 憔悴しきって口でハァハァ息を吸い、チアノーゼみたいな症状をみせるSさんに、ね ...
「二階玄関、ピンクの浴室」廃墟、家族崩壊のお宿.8
眼力で燃やそうと試みているんじゃないかというぐらい、母屋の前の枯れ草を長いこと見つめていたSさんは、観念をしたのか、同意であるものの、半ば強制的に同行を仕向けられているような二階への探索に向うべく、しぶしぶながらも、ついにその重い腰を上げることになった。 ...
「ご夫婦の部屋」廃墟、家族崩壊のお宿.9
風呂場を出る。 一本の廊下が端から端まで伸びていて、それに沿って部屋がいくつかあった。 物色し終えた後のような品々で廊下の床は埋め尽くされていた。 廊下の窓際には小さな箪笥があり、引き出しが開いていた。 その中には、銀行通帳まで入っていた。 Sさんは『何 ...
「姉へのラブレター」廃墟、家族崩壊のお宿.10
この部屋がご両親用の寝室だろうか。あるいは、祖父母用なのかもしれない。 これぞ、という決定的な証拠は見つからない。 窓からは裏山の離れを眺めることができる。 コーデュロイのお出かけ用らしき黒いスラックス。脱ぎたてのようにも見える。 引っ掻き回された跡が ...