十五年目に突入をした僕の車の車検などがあり、益々支出が多くなり懐具合は寂しくなる一方の近頃、最近では奥多摩の方まで足を伸ばして廃墟巡りなどをしているが、もっと、手頃に、格安に、どうせだったら、自宅から片道五百円の乗車賃ぐらいで行けて、なおかつ、廃墟らし ...
カテゴリ: 駅前に眠る、廃墟旅館
「塞がれた洋風部屋」駅前に眠る、廃墟旅館.2
メインの門を通り、母屋に案内される。料理や宿泊の前に、ちょっとトイレをば・・・という客人は、左に曲がり、このトイレに行き着く。 高級割烹であろうとも、時代的にまだ洋式化される前であり、至って簡素な和風便器であったようだ。 数十年間、そのままのトイレットペー ...
「陽を浴びた、おしどりオーナー夫婦」駅前に眠る、廃墟旅館.3
玄関を入った左、年代物の洗濯機の向かい側上部にあった棚のガラス棚には、こんな注意書きがしてあったが、達筆すぎて読めない。 従業員一同、これを全員読めるような、今ではもう高齢者ばかりの年齢層がその当時、若い働き手として、この入船で元気に働いていに違いない ...
「円満夫婦の失われた記憶」駅前に眠る、廃墟旅館.4
社長室を出るとそれほど大きくないサイズの台所があった。オーナーである社長とその妻が個人的に使用していたものではないだろうか。 横浜だけに、夫妻は中華料理が大のお気に入りか。立派な中華鍋をいつでもすぐ振るえるようにと、取り出しやすい壁に掛けてあった。 さ ...
「巨大廃厨房、盗癖の回想」駅前に眠る、廃墟旅館.5
事務員部屋、家族の共用部屋、などを通り過ぎると、前時代的な重厚感のある大型冷蔵庫を備えた、割烹の心臓部、巨大厨房に到達する 途中の壁の押入れには、衣装ケースや電気アンカがあり、一つ屋根の下、家族と業務用スペースが混然とした、一家総出の経営体制であ ...
「割烹最終章へ」駅前に眠る、廃墟旅館.6
もう敷地内の大抵の物件は見終わり、残すところは、正門と接する月極駐車場付近にある、損傷の度合いが激しい建物群だけになった。 なぜそれらを最後に残してあったかと言うと、入船の正門は現在当然ながら塞がれているとはいえ、駐車場利用客が正門の横からちょっと首を ...
「消える、駅前廃墟旅館」駅前に眠る、廃墟旅館.7
残された時間はもう僅かばかりの、廃墟、温泉料亭「割烹入船」。 目と鼻の先の最寄り駅「綱島駅」はその昔、「綱島温泉駅」という駅名だったが、終戦の前の年、1944年に現在の「綱島駅」に改名されている。 横浜の港北に位置しながら今では信じられないことに、綱島は昭 ...