仄暗いお散歩

廃墟 廃屋 事件現場 カイラスチャンネル(You Tube)

カテゴリ:ミステリー小説「ウタリ惨荘」

<廃墟サークル『薄昏(うすぐれ)』メンバー> 黒岩(男)35歳:リーダー。 サブロウ(男)34歳:開錠のプロ。 澪(女)24歳:女子大生。 金城(男)40歳:廃墟写真マニア。 ホイさん(男)42歳:在りし日のウタリ山荘をよく知る元登山家。 ミッチー(女)33歳:同、 ...





速度はせいぜい時速10キロ前後。霧と暗闇の中を黒岩の繰るステーションワゴンがのろのろと歩を進める。大きなカーブでハンドルがずれてタイヤが笹薮にはみ出した。と、藪の中からライトに向かって飛び込んできた大量の蛾が、フロントガラスを叩き付ける。「クソッタレ!」サ ...

深夜のファミリーレストランに集まった『薄昏』メンバーの月例ミーティング。その席で澪が口にした『レッドルーム』の一語は、煮詰まりかけていた会議をにわかに活気付かせた。「・・レッドルームで朝日を、か。廃墟マニアとして一度は見てみたいものですなァ!」興奮した金 ...

伝説のウタリ山荘にたどり着いた『薄昏』のメンバー7人。闇を切り裂くヘッドライトがそこに照らし出したものは・・・。隘路の終点にあたる砂利敷きの小さな広場に停車した1号車に、少し遅れて2号車が追い付いた。2号車がサイドブレーキを引くのと、ヘッドライトが照らすも ...

伝説のウタリ山荘は安全鋼板で覆われていた。侵入ルートの鉤を握るのは・・Q!?車に戻ると、Qはステーションワゴンのトランクから大きなバッグを地面に引きずり出した。どさりと落ちたバッグのジッパーを引いて口を開けると、中から汚れたタオルとロープを取り出す。続いて ...

鋼壁の中に降り立った“薄昏”メンバー7人。彼らを待ち受けていたものは・・!?越境のしんがりを務めるサブロウは、鋼板にかかったロープの途中から思い切って敷地内に飛び降りた。着地の弾みに砂利に足を取られ、思わず地面に片手をつく。照れ隠しに手をはたきながら身を ...

いよいよ開かれたウタリ山荘の入り口。山荘内で彼らが目にしたものは・・!?薪にでも使うつもりだったのだろう。引き戸の背後の玄関の床には、白樺の切り株がごろごろと転がっていた。中には土産として売ろうとしたのか、切り株の断面に枝を差し込んで何かのスタンドに組み ...

轟音と共にはじけ飛ぶLEDランタン。一体・・!?金城から大声で呼ばれ黒岩が背後を振り返ったその瞬間、凄まじい衝撃音と共に部屋が一瞬で暗転した。“LEDランタンが壊れた?”黒岩は本能的に身をかがめて、息を止めた。アクシデントに場慣れした薄昏のメンバーたちは、衝撃 ...

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