仄暗いお散歩

廃墟 廃屋 事件現場 カイラスチャンネル(You Tube)

カテゴリ:廃屋ノベル・Zig-Zag エレジー

2限目の終了チャイムが鳴り止むと、学年唯一のクラスである三年A組から数少ない生徒たちがポツリポツリと廊下に吐き出された。均は階段の上り口脇で、西村が茶封筒から抜き出した色鮮やかな切手シートを覗き込んでいた。『宮沢賢治と理想郷:イーハトーブ』それは、賢治の ...





   キョーコが消え入りそうな声で均に頼んだのは、金山に渡すラブレターの取りつぎだった・・。何だ、そんなことかよ。均は拍子抜けして思わず吹き出しかけたが、キョーコの真剣な眼差しに気づいて慌てて呑み込んだ。これまでも、金山への片思いについてキョーコから何度 ...

金山宛のラブレターをキョーコから託された均。その胸中をめぐる複雑な想いは何処へ・・「ふぅん・・そうなんだ・・」金山は所在無げにしばらく封筒の宛名を眺めると、封も切らずにジャージのポケットにぞんざいに突っ込んだ。並木中学の体育館裏。生徒の大半は教室に戻って ...

キョーコの金山への想いは実らなかった・・その事実を胸に秘したままキョーコと対峙する哀しきメッセンジャー、均・・。「・・・すまん・・失くしちまった。手紙。」放課後の校舎裏。早くも日は暮れかけ、呟いた均の口からは言葉と共に白い息が漏れた。「は!?失くしたって ...

血を吐くような想いを込めた均の告白に戸惑いを隠せないキョーコ。真実を求めるその足は並木へ向かった・・・「・・ああ、そうだった、確か君から手紙をもらっていたんだよね・・」金山はウェーブ気味の髪を上へかき上げながらキョーコへ微笑みかけた。並木中学の体育館裏に ...

自分の本当の気持ちに否応なく気づかされた均と、その想いに戸惑うキョーコ。不器用にぶつかり合う二人の想いは一体何処へ行きつくのか・・?均は息を切らせながら屋上への階段を駆け上ると、鋼製のドアを押し開けた。キョーコは屋上の手すりに腕をかけて、彼方の湖面に差す ...

乗客も閑散とした午後3時の通学列車。数人の男女の学生がところどころに固まって恋や部活の話に花を咲かせていた。[併せて読みたい]~「中3少女との間接キス」実録、廃屋に残された少女の日記.70~「おい、キョーコ。そのコーラ、もう飲まねえの?」タクミ(巧)が隣に座る ...

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