仄暗いお散歩

廃墟 廃屋 事件現場 カイラスチャンネル(You Tube)

カテゴリ:湖のきわ、廃墟、オカルト食堂

 ここも、前回、気に留めていながら、時間が押していたため、涙をのんで素通りしてしまっていた、物件のひとつ。 壁は表層の部分が爛れるように剥げ落ち、下地が露出、木材は腐ったのか、紫外線劣化なのか、交通量のそこそこある前の道路を行き交う車に、歯欠けのように、 ...





 地域一帯では心霊スポットとして名高い、この廃墟食堂。 そのように口づてに噂されているのは、実際に、事件があったからなのか、事前の情報では定かではなかった。 同行者のSさんはそういうオカルト情報を信じているようなフシがある。加えて、先ほどの廃墟寮からどうも ...

 Sさんに遺影を拝ませるというドッキリを敢行。  前の現場で、霊に手を掴まれたような気がすると突如言い出し、以降、自分の車に閉じこもってしまい、気が滅入ってしまって終始暗く伏し目がちだったSさんに、僕のドッキリは多少なりとも、彼の顔に笑みを戻すことに成功し ...

 人によっては、鼻通りの良いメントールのような若かりし日の爽やかな思い出さえ蘇ってくる、女学生の馥郁とした芽吹きのような芳醇ささえ湛えた、目も眩みそうな夥しい数の残留物。 人呼んで”オカルト茶屋”の一室の畳の上、切り取られた青春の一枚を発掘する。 1973年 ...

 女学生、和子ちゃんの部屋の片隅には、東芝製のラジカセが置かれていた。 カセット挿入口の蓋は開いている。 テープは入ったままだった。 家を最後にする時、和子ちゃんはお気に入りのカセットテープを持ち出そうとして、イジェクトボタンまでは押したが『できるだけ手 ...

 一階の食堂跡の床には、めいじや食堂長女の和子さんの物と思われる学生カバンがぞんざいに放おってあった。 二度と帰らない青春時代の眩しい記憶が詰まったかけがえのない学生カバン。 本来なら二階の和子さんの部屋に然るべくしてあったはずのものだろう。 侵入者が遊 ...

 御主人はバス会社の整備士。息子さんは遺影を発見したことからも裏付けられた通り、御噂通りお亡くなりになられているものと思われる。長女は大手製パン会社に就職。 家族のその後はまるで夜逃げか人さらいにでもあったかのように謎めいたままである。 オカルト食堂には ...

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