北の大地の、釧路は音別町、尺別にかつて存在した、鉄道マニアの間では”幻”と囁かれ、熟練の廃線駅巡りファンの心をも掴んで離さないという、「尺別炭山駅」の跡。 前回、険しい道に抗いながらも突き進み、行く手を覆う密集した小枝に車のボディ側面をガリガリとこれで ...
カテゴリ:牧場に取り残された廃墟炭住アパート
「廃墟で光る車」牧場に取り残された廃墟炭住アパート.2
階段踏面に散らばるコンクリートの砕片を踏みしだきながら、一段一段、上へ。想定外の大きさの砕片を踏み体の安定性を失うと、姿勢を保とうとして、体の重心からの鉛直線のずれを垂直に修正しようと、荷重の掛かっている脚と逆の脚を、下段突き払いのようにして、まぁ真横 ...
「少年が残した夢の壁」牧場に取り残された廃墟炭住アパート.3
今は牧場の中に取り残された、二棟のうちの一棟の二階へとやって来た。 先客はいないし、最近訪問客があったような空気感も無い。 避けながらも、踏まざるを得ない、撒かれたようなガラスやコンクリートの砕片が床には無数に積もっている。 僕が一歩を踏み出すごとに ...
「爛れたレンガ壁」牧場に取り残された廃墟炭住アパート.4
間近で見ると、単純に煉瓦を積んだものではなく、皮膚が擦りむけて真皮がのぞいているような、塗ったモルタルが剥がれかかっているものだった。 場にそぐわない、夕張メロンの果肉のようにオレンジな葉が、壁への拡張をしたたかに試みていた。 逃避を促すために鼻歌交じ ...