仄暗いお散歩

廃墟、廃屋、空き家、所有者不明土地、残留物

カテゴリ:湖畔にそそり立つ、巨大廃墟ラブホテルへ

 同行者のSさんが、意外にも澄んだその目を爛々と輝かせ、おもちゃをねだるような、物欲しそうな子供のような顔をして、僕にこう切り出した。「私が仕事や友人関係のことで酷く落ち込み、思い悩み、暗い遠い目をして、日がな一日、ちっとも楽しいと思わない、スマホのゲーム ...





 倒木をすり抜けた際に木とこ擦れてジャケットに付いた木くずを僕が手で振り払っていると、もう待っていられないとばかりに、牧場に放たれた仔山羊のように、交互に高く上がる膝は腰上以上、フルパワーで元気一杯、踊り跳ねるようにして、ローヤル正面前の広場へと猛然と駆 ...

 同行者のSさんの姿が消えた。彼の声が遠くから聞こえてくる。 手の鳴る方へというわけではないが、彼の声追って建物横の崩れた戸の間をくぐり抜けて行った。 全てが息を止めているようなこの廃墟の地にて、唯一のエネルギー反応ともいうべきものと顔を合わせることになっ ...

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