工場の片隅でこんなボードを発見した。 ダンボールをカットしてペンキを浸した筆で大胆に書き殴られたものである。 『桃』が一個100円というお手頃価格。 工場が廃業に追い込まれようとしていた金銭的にも精神的にも苦しい末期は、工場前の道端で『桃』を一個僅か100円 ...
カテゴリ:神奈川県
「屋上にあったもの」湖畔にそそり立つ、巨大廃墟ラブホテルへ.13
廃墟ホテル「ローヤル」最上階の中華レストラン内に大量に放置されていた裏ビデオの山という山。 多くのビデオがマスターテープであったことから、ダビング工場として使われていたのか、処理に困った兼業をしていた関係者が置いていったものか、今となっては知る由もない ...
「カミオン君の声」廃村に行ったら取り壊し直前だった件.14
田浦廃村の一番奥深く。 北海道によくあるような、降雪を考慮してあるかのような片側に大きな傾斜を持たせてある屋根の家。 屋根の上には雪の代わりに枯れ葉が一面に隙間なく降り積もっていた。 家の一番奥の部屋。 ざっと見て、子供部屋にまず違いない。 部屋の区切 ...
「華麗なるご住職、幻のアルバム」廃寺参拝に行って来たよ!.10
今では、断面丸見え構造と成り果てた母屋の二階から奇跡的に発掘された、ご住職一家の知られざる華麗なる暮らしぶりが窺える一冊の写真アルバム。 正座をして、呼吸を整えてから、ゆっくりと表紙をめくってみる ショートヘアにパーマをあてているのは、ご主 ...
「奥様のセーラー服姿」一家蒸発の絶望工場.6
工場を通り抜けて、家族の住居部分。 砂壁が立ちはだかる床の間に、これは、バッファローの角だろうか。 時代的に、ご主人がキン肉マンの名脇役「バッファローマン」の熱烈なファンゆえに買い求めた可能性もあるが、定かではない。 いずれにしても、僕の人生において、 ...
「秘宝コレクション」湖畔にそそり立つ、巨大廃墟ラブホテルへ.12
誰がどういう理由でこれらの物を放置した、或いは、放置しているのだろうか。 ローヤル最上階の中華レストランには、大量のエロい雑誌やビデオなどが残されていたのだ。 正直、雑誌はそんなでもなかったが。 エロビデオに関しては、生テープカセットのインデックス部に ...
「王道の妹」廃村に行ったら取り壊し直前だった件.13
カミオン少年の家のトイレ前。 物置みたいな、耳障りな音が響き渡りそうな木製の引き戸。 昔の喫茶店にあったような、女性用を示すプラスティック製のプレートが貼ってある。 個人の家だったら男女兼用のはずである。使用実態もそうだったであろう。 わざわざプレート ...
「カズ少年の忘れもの」解禁、カズ少年の見守る峠の廃墟ドライブイン.11
エントランスホール脇の残留物の山の中には、カズ少年の夢を言葉にしたであろう『サッカーノート』も一緒に置かれていた。 Jリーガーを皮切りにして、やがてはプレミアリーグに所属して現地の人も驚きの大活躍、そして、日本代表のユニフォームを着てワールドカップに出場 ...
「ご住職の置き土産」廃寺参拝に行って来たよ!.9
陶器製らしき、潰れた饅頭みたいな物に被さるちょっと重量感のある蓋を開けてやると、こんもりと入った灰が顔を覗かせた。 これが火鉢というもののようだ。 時代劇でしか見たことがなく、日常の使用品として実際に部屋に置かれているのを直に見るのは初めてのことだ。 ...
「ご家族の冷たい視線」一家蒸発の絶望工場.5
妻のお出かけ用のとっておきの靴だろうか。 あまり使用された形跡はない。 廃油臭いプロレタリアート臭の染み込んだこの工場兼自宅内ではあまりにも異質な眩い光沢を放ち続けていた。 日曜日には、塗料だらけの作業服を脱いで、この靴を履いて、新宿の伊勢丹にでも出か ...