仄暗いお散歩

廃墟 廃屋 事件現場 カイラスチャンネル(You Tube)

カテゴリ:廃屋に残された少女の日記'79

 歯医者へ行くも彼に逢えない日が続く。すれ違いかしら、いいえ、受け付けの待ち順用紙にさえ彼の名前は無かった。無慈悲な現実を受け入れ難く、キョーコさんは言葉に出せないでいるのか。彼はひょっとして治療を全て終えてこの待合室にはもう”一生”来ないのかも。キョー ...





 一生を左右するような高校受験、といっても、キョーコさんが必至で勉強に取り組んでいる二階の部屋、及び、建物全体の行く末はどうしたって変えようがないものの、彼女は今自分の目の前にある可能性を少しでもひろげようと、あと一か月、あれだけ夏休みを野放図に過ごしな ...

 いよいよ明日、抜歯される予定のキョーコさん。あの薄暗い二階屋根裏部屋に一人、いざり寄る歯抜けへの恐怖に両肩を震わせ、おもわず内なる叫びを日記に殴り書きをする。 抜かれて出血して顎の取れそうな痛みを例え伴ったとしても、あの人と会えれば、そんなこと、なんて ...

 卒業も間近の二月になって、今までいた女性教諭が妊娠でもしたのか、不祥事を起こして飛ばされてその変わりなのか不明だが、なぜか新しい先生がやって来る。その先生の風貌と名前にあからさまな嫌悪感を抱く、キョーコさん。一言「きもち悪い!」と。 朝降っていた雪が雨 ...

 今ではローカルタレントの彼も、キョーコさんが中学生の受験生の時には、当時のタレントの間では一種のステイタスでもあった、若者のカリスマとして、誰もが羨む、そう、オールナイトニッポンのMCをやっていたらしい。数年前にチラリとネットのニュースでその名前を聞いた ...

 皆が冷たく感じて楽しくない。楽しさが欲しいと、キョーコさん。クラスメートは元々僅かしかいないが、その中でもしかしたら孤立しているのかもしれない。 なら、受験を突破して環境を変えて自分を輝かせてみろよと、言いたくもなるが、その声は届きそうになかった。 享 ...

 集体は休みだったので別の中学校に移動することはなかった。 ちなみに、集体とは、過疎化により生徒数の少ない学校の生徒が地域で一番大きい学校に集まって合同で体育を行うの授業こと。 でもキョーコさんの学校だけで体育の授業をやることになったらしく、学年全員揃っ ...

 このところ、最後の締めの言葉として、『それでは皆さんおやすみなさい   』と、まるで自分以外のいるはずもない読者に語りかけるかのように、そんな親しげに挨拶を交わせるような親友を渇望していたからなのか、それとも、クラスメートがたったの六人という状況におい ...

 やろうやろうと、自らを奮い立たせるも、気づいてみれば、受験の日まであと残り二週間ばかり。 ボソリとつぶやくキョーコさん。 早すぎます、と。 気が気じゃないバレンタインデーも、もううすぐそこ。 何の当てもないバレンタインデー。私はどんなに惨めになってもよ ...

 受験日まで残り二週間を切った。自分は瀬戸際に立たされている受験生だとわかっていても、あいも変わらず、頭に浮かんでくるのは金山君のことばかり。はちきれそうでくるいそう、助けて下さい、と、キョーコさん。 とにかく金山君だと、ここまで来たら、付き合うどころか ...

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