仄暗いお散歩

廃墟 廃屋 事件現場 カイラスチャンネル(You Tube)

カテゴリ:廃屋に残された少女の日記'79

 やらずして負けたのか。自分が否定され傷つくことから守ったのか。指をくわえたまま見過ごした、バレンタインデー。どうでもいい弟や情報入手元の均君にチョコを配るのが今のキョーコさんには精一杯だった。  遠くへ行ってしまったかに思えた金山君への愛はますます深ま ...





 付属の試験日を五日後に控えて、風邪をひいてしまう、キョーコさん。 健康管理を怠っていた自分を表向きは責めるものの、本心では「風邪をひかなくったって、うまくいきはしない」と、挑むまえに、戦わずして、もうどこか投げやりな諦めモードに。 そんなキョーコさんを ...

 事の真相をお話しましょう、などと、もったいぶった口調で試験日当日の顛末を書き始める、キョーコさん。 過疎の町ならではなのか、高校の入学試験へ行くのに、中学校の担任の先生が当日の朝、車で迎えに来てくれたのだという。 付属校に到着。 想定外であった、受験生 ...

 学校でテストがあり、数学だけは人並み以上の高得点を獲得。それもあってか、いや、新たな好きな人の出現によるものなのか、躍動感溢れる筆致で感情の爆発とまではいかないが、高揚感を隠しきれないでいる、ハイテンション気味のキョーコさん。 とにかくガンバルヨ!と、 ...

 今日で全ての入試試験を終わらせたはずであるのに、「もう、メチャ クチャです」と、キョーコさん。 各教科のテスト結果を羅列し、ダメです、ひどいものです。 どん底に落ちてしまっているようだから     金山君に救いを求めると同時に、いつものように、困った時の ...

 入試テストの結果が思わしくなかったことことから放心状態になり、ノイローゼにでもなったのか、ここ数日喉の奥からひり出すようなうめき声のような声にならな声でいくつものポエムを呟き続けていた、キョーコさん。 それはまだ続いていた。 未消化の食材を胃液とともに ...

 自分が最後の卒業生。 学校が廃校となる日まで残りあと三日ばかし。 中学生時代の記憶が走馬灯のように呼び起こされるのと同時に、入試テストが思わしくなかったことで、この先の人生に悲観する、キョーコさん。 人間はどうして生きていかなくてはならないのか。遅かれ ...

 キョーコさんいわく「大変な一日であった」。卒業式と廃校が間近に迫る、本人はもしかしたらそんなに重く受け止めてはいないかもしれないが、長い人生の中で振り返ってみると、自分史の一頁に確実に刻み込まれるかもしれない、慌ただしくも、充実していた、今日という、こ ...

 キョーコさんはまもなく卒業式を迎える。その数日後に、閉校式が行われる予定になっている。 この冊子は読んで字の如し、キョーコさんが卒業をする中学校と、かつて通っていた小学校の『閉校記念誌』である。 これを見て『また、おまえの手癖の悪さが出た賜物なのか。日 ...

 地域の過疎化が原因なのか、存続の可能性も残しつつ、生徒の父母と教職員達の間で合議が重ねられたものの、結局、キョーコさんの母校は廃校に追い込まれてしまった。 これは、北の大地の片隅の大草原の中の小さな廃屋に奇跡的に残されていた、一冊の「廃校記念誌」である ...

↑このページのトップヘ